鼻が赤い星形になっている!
鼻の中央から、何だか細いヒモのようなものが、
あたかも星のキラメキように、四方八方に突き出ている!!
しかも鼻の周囲には毛がない。
この衝撃的な見た目から、
気持悪い界のモグラ代表になっています。
だけど、何でこんな普通ではない鼻をしてるのか知りたくないですか?
このおかしな鼻を持ったホシバナモグラ、一体どんなモグラなのでしょうね。
生態や星鼻な理由、
それと気持ち悪い(笑)について解説していきます。
まず最初にお伝えしていくのは、
「そんなに気持ち悪いですか?」というお話です。
見た目のお話ですね。
それに私はね・・
気持ち悪いだなんて思ってないんですよ。
「なんてキュートなお鼻なんだ」って思ってるんです。
ホシバナハナモグラの鼻が気持ち悪い
人の感性はそれぞれですから、気持ち悪いと思う人もいるのでしょうね…。
「エイリアンみたいで何とグロテスクな動物なのだ!」
という人もいるかも。。。
ちなみ私は、さっきも言いましたけど、
「へんてこだけどかわいらしいじゃないか」
と思う部類です。
私の遺伝子を受け継いでいる長女が幼いとき、
初めて見たヤモリを「かわいい!」と言ったくらいですから、
私の遺伝子も、少し他の人とは変わっているのかもしれません。
ともかく、「その鼻は実にユーモラス!」
と私には思えてならないのです!
星形といってもこの鼻、五角形ではありませんよ。
前に述べたように、星の光がキラキラと四方八方にきらめくように、
中央から外側に向けてヒダヒダが飛び出しています。
そのヒダヒダ、つまり突起の数は22本。
中央に小さな鼻の穴が2個、きちんと開いています。
その形は星状体にそっくりなのです。
星状体って、高校の生物で習います。
もしかしたら、生物を選択した人は覚えているかもしれませんね。
少し専門的になりますが、
主に動物細胞には「中心体」という構造体があるんですね。
そして、その中心体はというと、2個の中心粒というものから出来ています。
さらにさらに、その2個の中心粒は、細胞分裂の際に両端に移動して、
「染色体を引っ張り合う紡錘糸」という糸を何本も出していくんですね。
そして、細胞に必要な染色体が2つに分けられて、新しい細胞が生まれていくのです。
でも、今の説明だと分からない人には分からないかも?
コミカルに、分かり易く解説されている動画をご紹介しておきます。
上にある動画でなんとなく理解した後に、
下にある動画も見ると、さらに理解が深まりますよ。
(この順番で見れば誰でも理解できると思う)
もしかすると、
この現象が生物学者にはお星さまに見えたのかも。
星状体と名付けた生物学者は、
きっとロマンティストだったに違いない!
それに、私が星鼻を星状体に似ていると思ったのも、もちろん理由があります。
2個の中心粒が「鼻の穴」、
そして四方八方に飛びだす紡錘糸が、
「22本の突起」に相当するではないか!
と思ったから。
「気持悪い界のモグラ代表」だなんてとんでもない!
「ロマンティック界のモグラ代表」なのだ!
私の感性だとこうなります。
私と同じ発想だったかどうかは分かりませんが、
あのユーモラスとも思える鼻の形を「星鼻」
と命名した名付け親も、たいしたロマンティストではないか!
そう思いませんか?
ところで、ホシバナモグラの鼻は、どうしてそのような変わった形をしているのでしょうか。
鼻以外に、変わったところは他にあるのでしょうか。
また、他のモグラと生活の仕方や住んでいる場所など、何か違いはあるのでしょうか?
生態と生息地
星鼻の22本の突起には、
感覚器官がたくさん存在しています。
この器官はアイマー器官と呼ばれていて、微弱な振動をキャッチできるのです。
ホシバナモグラは、
ミミズなどの餌をアイマー器官で感知することができます。
ホシバナモグラの眼は他のモグラよりも大きいのですが、視力は非常に弱い。
一般にモグラは、
眼があるといっても、ほとんど膜に覆われていますので使い物にはなりません。
地下にいて地上に出ることなどめったにないので、視覚は必要でなくなったのでしょう。
その代わりに、鼻が鋭敏になっているのでしょうね。
この鼻は、振動を感知するだけでなく、
ちゃんと匂いもかげるということも最近の研究で判明したのですよ!
また、哺乳類の大脳は新皮質という部分が発達していて、
ホシバナモグラは新皮質の触覚の情報を感知する部分が、
他のモグラに比べて大きいこともわかっています。
ホシバナモグラは鼻や眼だけではなく、
他のモグラに比べて、尾が長く、前足は小さくなっています。
前足が小さいので、他のモグラに比べて、
土を掘る能力や、地中のトンネルを進む能力が低いようです。
このため、他のモグラのような完全な地下生活は行わず、
沼地や草原、森林など様々な場所で生活しています。
ですから、ミミズ以外に昆虫や貝なども食べます。
また、前足は小さいのに泳ぎはうまいようですよ!
体重は50gほどで、
体の大きさはマウスの2倍くらいでしょうか。
北アメリカ大陸に分布しています。
このようなホシバナモグラを飼ってみたいと思いますか?
実はこれがかなり難しいらしいのです!
飼育の難易度は高い
まず、半日以上空腹になると死んでしまうこともある。
それだけ旺盛な食欲なのです。
1日中つきっきりで餌を与えることってできますか?
外出もできないのですよ。
また、「ついうっかりして餌をやり忘れた!」
なんていう無責任な人は、まず飼育資格すらないのでは!?
それから飼育するためには、生息地と同じような環境にしなくてはいけないので、
設備・場所・費用をどの程度確保できるかどうかなど、
しっかり考えないといけませんよね。
さらに残念なことに、
そもそもホシバナモグラを販売しているペットショップはほとんどありません。
生息地の北アメリカなどから輸入せざるを得ませんからね。
輸入するとなると、手続きがものすごく大変だと思います。
ですから飼育はオススメできません。
本当に残念ですが…。
本物を見てみたい人は、アメリカやカナダに行ってみてはいかがでしょうか!!
ユニーク赤い星形の鼻を持つホシバナモグラ。
本物を是非見て、どのように餌をとるのか、どのように動くのかなど知りたいですよね。
しかし日本の動物園では、今のところ飼育している所はないとのことで残念です。
ユーモラスな星鼻と生態~まとめ~
ホシバナモグラは奇妙な鼻を持つために、
「グロテスクだとかエイリアンみたい!」
と思う人もいれば、私のようにかわいらしく思う人もいます。
それぞれの人の感性ですが、
そのユニークな鼻はちょっとした振動も感じることができる、極めて優秀なセンサーです。
このセンサーを研究して、
空気の振動もキャッチできる感覚受容器を、
iPS細胞などで作成できないでしょうか。
これを耳の遠くなった人の内耳に埋め込めば、
補聴器を使わずに、しかも拒絶反応なしに、
耳の聞こえにくさをカバーできるのではないかと思いました。
素人の浅はかで無責任な考えなので、ピント外れになっていたら済みません!
このホシバナモグラは日本の動物園では見ることはできませんが、
他のモグラでいいなら見ることはできますよ。
多摩動物公園や東山動物園、
埼玉こども動物自然公園では、他のモグラが飼育されているそうです。
みなさんも、一度モグラたちに会いに行ってみてくださいね!
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