ハダカデバネズミの真社会性とは?不老で癌にも強いネズミ

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ハダカデバネズミ?

 

何じゃこりゃ?

と思いませんでしたか?

 

私もその名を聞いたとき、裸で出っ歯のネズミってこと?

とまず思いました。

 

 

そんな名前のネズミがいるの?

 

いるとしても、このねずみネズミ、だだのネズミと何が違うの?

 

 

しかし、調べてみてビックリ!!

 

このネズミの生活がまた変わっている!

 

高校で習った(かも)ミツバチのような社会生活なのです。

 

 

またこのネズミ、超長寿!

 

その秘密とは!?

 

この研究が我々人類の医療に貢献できるかもしれませんよ。

 

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ハダカデバネズミとは

 

まずハダカデバネズミなる動物、どんな動物なのでしょうか。

 

まず、ハダカとあるように毛がない!

 

顔の前に方に、

ヒゲのような毛(触覚代わりの感覚毛)があるだけで、毛がないのです。

 

 

それはなぜか。

 

ズバリ、必要なくなったから。

 

 

彼らが住んでいる東アフリカは熱帯や亜熱帯で、

特に砂漠では昼はものすごく暑いけれども、夜はやたらと冷え込み、

気温差が大きくて住みにくいことこの上なし。

 

 

それなら地面の下は?

 

これが実に快適なのです。

 

 

彼らは何と、地中にトンネルを掘って集団生活をしています。

 

 

温度は30~32℃と一定していて、湿度90%は高いようですが、

このお陰で彼らは体温を30~35℃で維持できる。

 

さらに、地下の中で重なり合って生活しているので体毛は余計なもの。

 

 

余計なものはなくなっていきますよね。

 

それが進化というもの。

 

退化かもしれませんが…。

 

 

地下生活をしているので、体毛以外に退化したのは目と耳。

 

これらは残ってはいますが、

あるかないかわからないくらい小さくなっています。

 

また、俊敏に動き回る必要がないので、

体はイモムシ状(体長は10cmくらい)です。

 

 

そして、ハダカ以外にデバとあるように、

大きな2本の前歯が鼻の下にこれみよがしに垂れ下がっています。

 

 

こんなハダカデバネズミですが、

ハチやアリのような社会生活をしているのです。

 

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ハチやアリのような真社会性

 

まず,普通は20~30頭で集団生活をしている(300頭のときもある)

 

このようなコロニーをつくっているのですが

このなかで繁殖できるのは何と雄と雌の1頭ずつなのです。

 

この繁殖個体が死ぬと、他の個体が2~3週間で繁殖個体に昇格?します。

 

 

他の個体のうち、働く個体(労働個体)があり、

数体で協力して役割分担をしています。

 

どのようなグループがあるかというと、

土をかみとるグループ、土を後ずさりして押し出すグループ、

巣の出口の外に後肢で土を掻き出すグループなどです。

 

 

残りの個体は非労働個体です。

 

このグループは、繁殖の巣室に重なり合って同居していて、

役割はまだわかっていません。

 

 

なお子ども達は、離乳後、巣内で労働します。

 

このような分業生活は、かつて「社会性」とよばれ、

ハチやアリなどの社会性昆虫などに見られるものでしたが、

行動生態学の研究が進む中で意味が見直された結果、

「真社会性」といわれるようになりました。

 

 

子をつくる女王バチや、女王バチに精子を与える雄バチ、労働する働きバチのような、

分業を行う社会を形成するものは昆虫などによくみられますが、

哺乳類で見られるのは少なく、

その意味でもハダカデバネズミの生活は特殊なものと言えそうですね。

 

 

ハダカデバネズミには、

この真社会性以外に長寿という特徴があります。

 

クマネズミやドブネズミの寿命は約3年、

ハツカネズミは約1.5年ですが、

このハダカデバネズミは、何と30年生きるものもあるらしいのです。

 

これを研究すれば、人間の不老の夢が叶う日が来るかも!?

 

 

不老の遺伝子

 

ハダカデバネズミが、

普通のネズミの10倍近く長生きできる理由はいくつかありますが、

まず、ガンになりにくいということがあります。

 

野生のハダカデバネズミに、何とガンが見つかったことがないのです。

 

 

ガンは細胞が死ぬことなく、

止めどなく細胞分裂を繰り返すことで発生します。

 

ハダカデバネズミには、細胞集団が一定の大きさに達したら、

それ以上細胞数が増えないようにさせる遺伝子(p16という遺伝子)があります。

 

 

このp16遺伝子だけでもガン抑制効果が高いのに、

さらにもう一つp27という遺伝子もあるのです。

 

これは、p16遺伝子の抑制効果をかいくぐって、

しばらく経過してから活動してくる、細胞の増殖を阻害する遺伝子なのです。

 

 

これはもう、二重のがん防御機構ですね。

 

驚きです!

 

 

この遺伝子を、

遺伝子組換え操作によって人類に導入するなどしたら、

人類はガンにならず不老に近くなると思うのは私だけでしょうか。

 

わくわくしますね。

 

 

早く研究が進んで、人類がガンにならないようになる日が早く訪れて欲しい!

 

そう切に願う私です。

 

 

またこれ以外に、

ハダカデバネズミの体を構成するタンパク質は、

酸化しにくいそうです。

 

タンパク質の酸化は細胞をさびつかせ、血管をぼろぼろにし、

生物の老化に拍車をかけます。

 

タンパク質が酸化しにくければ、老化しにくいので、長寿につながるということですよね。

 

 

そしてさらに、何らかの原因で環境が悪化すると、

体内での化学反応である、代謝を抑える仕組みがあるというのです。

 

代謝が抑えられれば、活性酸素の発生が少なくなるので、

酸化が抑えられ、細胞が傷つかなくなりますよね。

 

 

このようなスゴイ動物ですので、

ハダカデバネズミの遺伝子情報を早く解析しようと、日々研究が行われています。

 

人類の不老も、

このハダカデバネズミの研究によって、夢ではなくなるかもしれませんね。

 

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凄い生物!ハダカデバネズミ~まとめ~

 

ハダカデバネズミに興味をもって頂けましたか?

 

 

真社会性をもっているとは、哺乳類には珍しいですよね。

 

なんと1組のつがいだけで、

何十、何百という子孫を作り、

その子孫は子孫をつくることなく労働者として働いたり、

何もせず穴の中でゴロゴロしていたり…。

 

なんと変わった動物なのでしょうか。

 

 

そして、ガンになりにくく、老化もしにくい。

 

これが、未来の人類の不老の夢につながっている。

 

 

日本は世界有数の長寿国ですが、この寿命をさらに延ばしてくれるかもしれないのです!

 

早く研究が進んで欲しいですね!!

 

 

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