アメリカバイソンがバッファロー?勘違いと絶滅危惧の経緯

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地平線まで埋め尽くす巨大な野牛の群れ。

 

かつて、北米大陸の大平原にはそんな光景が広がっていました。

 

その野牛がアメリカバイソンです。

 

 

体長が3メートルちょっとで、重さが500キロから1トン近くの巨体は、

ちょうど軽自動車と同じくらいです。

 

その巨大な動物がおよそ6000万頭もいたというのですから、壮観だったことでしょう。

 

 

北米のネイティブアメリカンは、それを食料としていましたが、

今もアメリカでは、食肉として人気があるようです。

 

早速食べてみたいという食いしん坊の方もいるでしょう。

 

 

でも、首を傾げている人はいませんか?

 

アメリカに興味があるとか、アメリカンスポーツが好きな方なら、

ニューヨーク州にあるバッファローという地名を知っているでしょうし、

映画や歴史好きは、ウイリアム・コディーこと、

バッファロー・ビルの名前を記憶しているかもしれません。

 

あるいは『羊たちの沈黙』

に出て来たバッファロー・ビル事件を思い出す方もいるでしょう。

 

 

そして気がつく筈です。

 

アメリカではバッファローという名前はよく聞くけれど、

アメリカバイソンというのはあまり聞かないなと。

 

1・アメリカバイソンって何?バッファローの事?
2・アメリカバイソンの特徴
3・アメリカで売られているビーファロー
4・絶滅危惧と乱獲の歴史

 

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アメリカバイソンって何?バッファローの事?

 

アメリカバイソンとバッファローは、同じものであって違うものです。

 

一部地域では同じなんでけど、正式に言うと違うんですね。

 

どういうことかというと、そもそもバイソンとは、

生物学的に「ウシ科ウシ亜科バイソン属」で、

日本では野牛と呼ばれるもの。

 

 

下にある動画は、

アメリカバイソンの子供がオオカミに狙われて、親が現れて助けるよくあるやつです。

 

舞台は、オオカミとアメリカバイソンなんで、

北米辺りの国立公園だと思います。

 

 

アメリカバイソンの見た目は分かりましたね?

 

話は逸れるけど、この動画を見た僕の感想をどうしても書きたいから書きます。

 

「鳥!お前の役割は何なんだっ」

「アメリカバイソンの応援か?それとも編集の力か?」

 

 

はい、話が逸れちゃってすみませんでした。

(どうしても気になってツッコミたくなって。)

 

次はバッファローですね。

 

 

バッファローは、

「ウシ科ウシ亜科アジアスイギュウ属」で、日本では水牛と呼ばれるものです。

 

それに実は、バッファローと名の付く動物はいません。

 

バッファローとは、アジア水牛かアフリカ水牛のことを言います。

 

 

下にある動画はバッファローなんだけど、

また子供を助けるパターンですね。

 

ただ、相手はハイエナなんで、

種族はアフリカ水牛で、舞台はサバンナだと思います。

 

 

どうでしょう?

 

全然違いますよね。

 

見た目からしても。

 

 

見た目は、バイソンが毛むくじゃらで角が短いのに対して、

バッファローは毛が短く、角は長い。

 

つまり別の生物です。

 

 

ところが、北米大陸に渡った人たちはバイソンを知りませんでした。

 

ヨーロッパではすでに、

ヨーロッパバイソンが数を減らしていて、

限られた地域でしか見られなかったためです。

 

 

それで、自分たちが知っているバッファローという名前で呼んだというのが、

もっとも有力な説です。

 

アメリカにはバッファローはいないので、現地では未だに、

アメリカバイソンのことをバッファローと呼んでるのだとか。

 

だから、一部地域では同じなんだけど、

正式に言うと違うということになるんですね。

 

 

でも、アメリカバイソンはアメリカバイソンですからね。

 

現地の人が、

アメリカバイソンのことをバッファローと言っていても、

口に出さずに頭で理解していればいいのです。

 

「あっ・・・アメリカバイソンね・・」

「せめてバイソンにして」と。

 

 

くれぐれも、

アメリカにバッファローはいないでしょっ」

なんて、いらぬ揚げ足は取らない方がいい。

 

不毛な争いが生まれるだろうから。

 

 

後に動物学的な分類をした時、バッファローではなく、バイソンだということなり、

アメリカバイソンというのが正式な名称になりました。

 

動物の一般的な呼称は、見た目や現地人の言葉を誤用してつけられるケースも多く、

パンダとレッサーパンダのように、

近い種類でもないのに、同じような名前をつけられてしまうこともよくあることです。

 

 

家畜の牛に近いバッファローは、

なんとなくイメージできそうですが、

バイソンとなると、日本はもちろんアジアにもいませんから、あまり馴染みのない動物ですね。

 

いったい、どんな動物なのでしょう?

 

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アメリカバイソンの特徴

 

アメリカバイソンは草食動物で、草や木の芽や皮を主食としています。

 

メキシコからカナダにに生息する、やや小さめのPlains Bisonと、

カナダからアラスカに生息する、

大きめのWood Binsonという二つの亜種がいます。

 

 

前者は主に草原に住み、後者は森に住んでいます。

 

寿命はおよそ12年から20年。

 

大型の哺乳類としてはやや短めです。

 

 

メスは女系の群れで暮らし、

オスは3才ほどで単独か独身オスの群れに入ります。

 

生まれが早い方が大きくなりやすく、支配層をつくります。

 

また年齢が高い個体の方が出生率は高いようです。

 

 

かつて大量にいたアメリカバイソンは、

北米に住むネイティブアメリカンたちにとって、重要な資源でした。

 

肉はもちろん食料となりますが、

その毛皮は衣服やテントに用いられ、骨も加工して矢じりなどの道具にされました。

 

 

バイソンはウシ科の動物ですし、

家畜の牛と比べて肉の味はどう違うのでしょうか。

 

気になりますよね?

 

 

アメリカで売られているビーファロー

 

現在アメリカでは、バイソンの肉がスーパーなどでも普通に売られているようです。

 

ただしそれは、アメリカバイソンと牛をかけあわせた、

食肉用に飼育された「ビーファロー」の肉です。

 

 

ビーファローがよく食べられるようになったきっかけの一つに狂牛病があります

 

1990年代に牛肉からの経口感染をすることがわかり、

安全なビーファローに目が向けられました。

 

 

僕はこの頃、確か小学生でしたが、

ガッカリな思い出を今でも記憶しています。

 

肉好きの少年は、

スーパーに置かれてるステーキ用の牛肉が、

オージービーフばかりになってガッカリしていたのです。

 

 

もう一つは健康志向によるもの。

 

ビーファローの肉はコレステロールが低く、牛よりもたんぱく質が多いそうです。

 

肥満が多いアメリカでは、

体重管理のできない人は昇進できないなど、

健康問題だけではなく社会的問題にもなっているので、

おそらく今後も需要は伸びそうですね。

 

 

肉には少し臭みがあるようですが、

価格も一般的な牛肉に比べて高くはないようですよ。

 

日本ではまだ一般的ではありませんが、

もしかしたら、そのうち輸入されるようになるかもしれませんね。

 

話題作りに、いち早くアメリカバイソンを日本に輸入して、

食肉用に飼育しようと考える人もいそうですが、

準絶滅危惧種なので残念ながらそれは無理でしょう。

 

 

絶滅危惧と乱獲の歴史

 

準絶滅危惧種に指定されているのに、

食肉になっているというのは、ちょっと不思議に思えます。

 

ですが、現在食肉となっているのは、

あくまでもビーファローです。

 

 

かつて6000万頭いたというアメリカバイソンも、

一時は1000頭ほどに激減してしまいました。

 

西部開拓の邪魔となる、ネイティブアメリカンの食料を断つ目的の他、

娯楽としてのハンティング対象ともなり、わずか数十年で殺しつくしたのです。

 

 

アメリカ人は鳥類として、

地球上で一番数が多かった(推定50億羽)とされるリョコウバトを、

一世紀もたたずに全滅させてしまいました。

 

絶滅動物史の中では、

人類の愚行として記録されています。

 

そんな中でアメリカバイソンが絶滅しなかったのは、まさに奇跡に近いと言えるでしょう。

 

 

現在は手厚く保護され、次第に数は増やしていますが、

アメリカバイソンが移動することで耕し、

フンによる栄養を与えていた草原は、乱獲により砂漠化しており、

人が自然に過度の介入をすると、こうなるという悪しき見本となっています。

 

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アメリカバイソンが教えてくれること~まとめ~

 

バッファローと間違われてしまったアメリカバイソンですが、

その肉は食用として優れているために、注目されつつあります。

 

しかし、野生のアメリカバイソンは保護されて数を増やしているものの、

少数からの繁殖だったため、近年は近親交雑による遺伝的な問題が起こっているようです。

 

もしかしたらそう遠くない将来、

野生のアメリカバイソンは消え、

牛のように家畜化してしまうかもしれません。

 

 

今のうちに、野生の群れを見るためアメリカ観光をしながら、

思い切りビーファローを食べてみるのも、

アメリカバイソンを知るひとつの方法かもしれません。

 

お土産にNFLの人気チーム、

バッファロー・ビルズのTシャツを買い、

友だちにバッファローとバイソンの違いについて蘊蓄を語りすぎて、

嫌がられないようにしましょうね。

 

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