ジャッカロープの特徴と目撃情報!ジョークと確定したUMA

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モフモフしたウサギ。

洒落た角のシカ。

 

どちらも人気の草食動物。

 

「合体したら人気も2倍」

なんて思いませんか?

 

 

可愛い動物のいいとこ取りをしたら、

超ベリーキュート間違いなし。

 

そんな夢のような動物が『ジャッカロープ』。

頭にシカのような角のあるウサギさんです。

 

 

「そんな動物見たことないよ~」

ですか?

 

当然です。

ジャッカロープはわずかな目撃と、作り物の剥製があるだけ。

 

激レアの未確認生物なんです。

 

 

とすれば、気になるのは「本当にいるのか?」

ですね。

 

伝承や目撃情報から、その実在を考えてみましょう。

 

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ジャッカロープとは?

 

アメリカ北西部のワイオミング州。

人口密度は、1km四方にたった2人という、

開拓時代の雰囲気が残る、山と草原の州です。

 

そこで、昔からカウボーイたちの噂になっていた動物がいます。

 

 

『ジャッカロープ』。

 

野ウサギのジャックラビットと、

レイヨウを意味するアンテロープを足して、

名付けられました。

 

森林や野原で、時々見られるというのです。

 

 

姿は、普通の野ウサギと変わりません。

 

でも、頭に枝状の角がある。

シカやトナカイのような角です。

 

 

これがなんともカワイイ!

弱っちいウサギが強そうな角をつけて、無理してるみたいな愛おしさ。

 

ただし、

人目に触れることはあまりないようです。

 

 

 

他にも、ジャッカロープにはいくつかの特徴があります。

 

・群れで行動する。(ウサギですからね)

・キャンプファイアしていると寄ってくる。(好奇心が強い?)

・好物はウイスキー。(まさにアメリカン)

・人間の声真似ができる。(男性の高い声のようらしい)

・乳が万病に効く。(レア動物にありがちの噂)

・雷の日に繁殖する。(角が雷を呼ぶ的な?)

・見ると幸運が訪れる。(これ絶対後付け設定だろ)

 

まあ、遭遇が稀ですから、

あまり信用は置けません。

風聞が広まっているということでしょう。

 

 

このようなローカル未知動物は、

地元のマスコットになるもの。

 

しかも、ジャッカロープはかわいい系。

 

現地の土産店には、ジャッカロープグッズが並んでいます。

 

 

今では全米でも人気で、TV番組のキャラクターなどになっているほど。

 

ワイオミング州が誇るスーパーアイドルです。

 

 

 

やはり「かわいい」は強い。

 

だけど噂は噂。

ジャッカロープの実在は確認されていません。

 

 

ワイオミング周辺は、

たしかに僻地ではありますが、

未開というわけでもない。

 

先進国アメリカで、群れで行動する動物が未発見とは不思議です。

 

「ジャッカロープは本当にいるの?」

この疑問の解決には、目撃情報を知るしかありません。

 

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ジャッカロープの目撃と真偽

 

ジャッカロープは目撃も少ない未確認生物です。

 

1800年代から噂はあったらしいのですが、

記録らしいのは1934年。

 

カウボーイがジャッカロープの群れを見たというもの。

 

これくらいです。

 

 

「たったそれだけ?」

そうなんです。

 

2015年には、

ワイオミングとは1500kmも離れた、

ウィスコンシン州の森で、

少年たちが、凶暴な一本角のウサギを見たという報告があるのですが、

ジャッカロープとの関連性は不明。

 

 

なんと頼りないことでしょう。

 

「誰かが見たらしい」

程度の噂が広まっているだけ。

 

これではジャッカロープ実在なんて言えません。

 

 

そもそも、

ジャッカロープの噂はどこから来たのか?

 

歴史を見ると、面白いことがわかってきます。

 

 

ジャッカロープは剥製だけ?

 

ジャッカロープが知られだしたのは1930年代。

 

ワイオミングのホテルやバーに、

角のあるウサギが飾られるようになります。

 

 

「なんだい?このウサギは」

「こいつは珍しい角ウサギですよ、旦那」

 

みたいな会話がされたかどうかは知らないけど、

こうして、角ウサギ・ジャッカロープの噂が広まった。

 

 

でも、剥製は作り物。

ありきたりの野ウサギに、シカの角をくっつけたフェイク。

 

ジャッカロープが捕まってないのだから、

当然復元した剥製です。

 

 

作ったのはダグラスとラルフという、

ヘリック兄弟。

 

彼らはジャッカロープの剥製を、

ワイオミングや、隣州のサウスダコタのあちこちに売り歩いていたのです。

 

 

 

なんだか嫌な雲行き……。

噂があるなら調査されるのは当たり前。

 

科学のメスがジャッカロープにも入れられます。

 

 

ジャッカロープはあり得ない

 

ジャッカロープは有名になりました。

 

ところが、ろくな目撃も痕跡もない。

あるのは作り物だけ。

 

「本当にいるのか?」

不信感は募るばかり。

 

 

 

調査してみると……。

先住民の間に、

ジャッカロープの伝承はありません。

 

アメリカのUMAといえば、

獣人ビッグフット、

シャンプレーン湖の怪獣チャンプなど……。

 

それらはすべて、先住民に語り継がれている。

 

ジャッカロープが実在するなら、伝承がないのはおかしいのです。

 

 

加えて、角ウサギ自体がオリジナルではない。

 

ヨーロッパには、

レプス・コルヌトゥスという、

鹿の角のウサギの言い伝えがあるのです。

 

ジャッカロープの原点はレプス・コルヌトゥス?

 

だとしたら、入植者が持ち込んだ話ではないか。

 

 

生物的にも、

「頭に長い耳と、角が一緒にあるって邪魔じゃね」と疑問も出る。

 

すごい怪しい……。

 

 

デマと噂の動物だった!

 

そして、ラルフ・ヘリックのネタバレで完全否定されます。

 

「狩ったウサギを、シカと一緒に置いておいた」

「そしたら角のあるウサギに見えた」

「面白そうなんで合体させちゃった」

 

ジャッカロープはジョークだったのです。

 

大仏にシカの角をつけた奈良県のキャラ、

『せんとくん』と変わりません。

 

 

それをダグラスが、それっぽい背景付きで実在するように売った。

 

面白いインテリアがほしい店が食いついた。

 

「本当にいるんですぜ、旦那」

と話が膨らんでゆく。

 

 

これがジャッカロープの正体。

決定です!

 

角ウサギなんているわけない。

 

ちなみに、日本語の「とにかく」「とかく」

などの語源「兎角」も、

本来は「絶対にない」の意味。

 

 

 

「ジャッカロープかわいいのにいないのか……」

ちょっと残念。

 

でもUMAには、話の元となった動物がいることが多い。

 

ジャッカロープはともかく、

(これも兎も角が語源)

レプス・コルヌトゥスはなんなのでしょう?

 

 

角のあるウサギがいたんじゃないのか。

 

そんな疑問も浮かぶ中。

なんと、本物の角の生えたウサギが発見されたのです。

 

 

「ジャッカロープがいた!」

騒然となり、事実が判明します。

 

それは「かわいい」ではなく、

「かわいそうな」ウサギだったんです。

 

 

見つかった角ウサギ

 

角の生えたウサギの死骸が見つかったのは2005年。

 

シカのような立派な角……

というのではないんですが、頭部にコブ状の角があるウサギです。

 

 

「新種だ!」

「ジャッカロープやレプス・コルヌトゥスの噂の元になったに違いない」

と、盛り上がったのでした。

 

 

しかし、これは病気のウサギ。

ショープパピローマウイルスに感染した個体だったのです。

 

日本語では「乳頭腫ウイルス」。

感染すると、顔など表皮から突起物が出る。

 

イボみたいなものと思えばいい。

大きくなり、角のように硬くなることもある。

 

 

人間もかかる病気なんです。

 

ウサギだと、こうなります。

下に貼ってある動画をご覧ください。

 

1枚目は見るからにですが、

ジャッカロープの剝製でしょう。

2枚目から感染したウサギですね。

 

 

ウサギも、

野生種、飼育種にかかわらず感染します。

 

悪性は少なく、手術で除去もできますが、

野生のウサギはそのまま放置され、死に至ることもある。

 

 

腫瘍が角質化したウサギ。

これが角ウサギ、あるいは鬼などの伝説になったのかもしれません。

 

かわいいジャッカロープから、予想外に重い話になりました。

 

ロマンチックな話も、事実はシビアってことはよくあります。

 

 

 

2015年、ウィスコンシン州の目撃も、

感染したウサギだった可能性が高い。

 

昔の人たちはそんなウサギを目にし、

角のあるウサギの話を残したんでしょう。

 

ユニコーンのように、角は神性を感じるもの。

 

 

でも、ウサギにとっては致命的な奇形だった。

 

「かわいい」の代償としては、

割に合いませんよね。

 

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時代背景からジョークで生み出されたUMAでした~まとめ~

 

ジャッカロープはUMA界のアイドル的存在。

 

シカ角のウサギってだけなのに、妙にかわいい。

 

そのキュートな姿は、誰からも愛されています。

 

 

でも、実在はしていません。

 

作り物から発生した面白動物。

 

現在では「嘘」と認定されているのです。

 

 

そして、言い伝えの背景となったであろう、

ウサギの感染病。

 

アイドルの裏にはこんな不幸もあった。

 

ジャッカロープの辿ったスター街道も、平坦ではなかったようですね。

 

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