ワニは、どれも似たように見えて、
20以上も種類があります。
今回の主役イリエワニは、
クロコダイル属のワニ。
他にもアリゲーター、ガビアル、カイマンなど属がある。
日本にはいませんが、ワニは世界中に広く分布し、珍しい動物じゃありません。
中でもイリエワニは、割と日本の近くに棲んでいます。
インドから東南アジア、フィリピン、
インドネシア、オーストラリア北部などです。
このイリエワニは、デカい、強い、危険!
ワニ族では、大きさ凶暴さはトップクラス。
ワニはどれも獰猛ですが、
イリエワニは特に危険度MAX。
ギネス級のアブないワニ。
本当に、獣害事件のギネスブックだって持っている。
まさに現代の恐竜です。
日本にいなくて安心ですか?
とんでもない!
イリエワニは生息地を広め、日本でも見つかっているんですよ。
イリエワニのことを、知らなくていいとは言えない状況が迫っています。
目次
イリエワニは世界最大のワニ
イリエワニの大きさは、平均4mほどになります。
思ったほど大きくないと感じましたか?
4mなら、人間2人分ちょっとですもんね。
特別にデカいようには思えない。
爬虫類は、環境や餌によって、個体で大きさに違いがでるもの。
死ぬまで成長するとまでは言えませんが、かなり長い成長期がある。
イリエワニもそうですよ。
さらに、イリエワニの寿命は70年!
100歳を超える長寿ワニもいるだろうと言われているのです。
捕獲、もしくは飼育されたイリエワニの最大は、約6.2m。
<飼育下最大のイリエワニ!ロロン>
クロコダイルの特徴で、頭部が大きいんですが、イリエワニは5分の1くらいが頭。
尾部は3分の1くらい。
6mサイズだと、頭が1.2mで、尻尾が2m。
縦にすると、二階建ての家とほとんど変わらない。
なんとなく大きさが想像できましたか?
その大きさの、凶暴な人食いワニですよ。
いやいや、6mで驚いちゃいけません。
世界は広いですからね。
8mもいる?ギネス認定の怪物
ロロンの動画、見てもらえました?
捕獲されたイリエワニ、
飼育下のイリエワニの最大は、6.2mのロロンでしたね。
でも自然界には、もっと大きいイリエワニがいると言います。
世界最大のワニと、ギネスで認定されているのは、
カリアと名付けられたインドのイリエワニ。
その大きさは7m1cm、体重2,000kgと推定されています。
カリアは、捕獲されていないので、動画とか画像では紹介出来ません。
つまり、その大きさも目測です。
それでも、ギネス記録の最大のクロコダイルは、カリアとなっています。
さらに、非公式ですが、1950年代に射殺されたイリエワニは、8.6mもあったとか。
実は、6mクラス程度なら、
書ききれないほど記録があるんです。
イリエワニが大きいということは、十分伝わりましたね?
そんなサイズですから、もちろんパワーも凄い。
次は、イリエワニの強さを、他の動物と比べて考えてみましょう。
イリエワニVS世界の猛獣たち
イリエワニの強さは、巨体だけではありません。
全身を覆う、鎧のような皮膚。
咬む力は、ティラノサウルスに匹敵するという化物。
現存する地球上の動物で、一番咬む力が強いと言われています。
狩りはかなり素早い。
ガブリとかじったら、ワニの必殺技デスロール(回転して食いちぎる)を繰り出す。
魚や甲殻類、サルに水牛と、なんでも食べる。
むろん人間も。
なんと、獣害事件のギネス記録まで持っている。
1945年の、
ミャンマー・ラムリー島で起きた事件。
敗走する日本兵、数百~千人が、
イリエワニの集まる沼地に追い詰められ、食い殺された事件は、
史上最悪の獣害として、ギネスブックに掲載されています。
詳しくは「世界三大獣害事件を選んでみた!史上最悪の恐怖の歴史」で。
強いと聞けばやりたくなるのが、
他の猛獣との仮想対決ですよね。
イリエワニの強さはいかほどでしょうか?
イリエワニVSトラ
イリエワニと、生息地が被る猛獣はトラでしょう。
ネコ界最強王者。
もしイリエワニと戦ったら……。
まず負けるのはトラです。
トラの武器である牙や爪は、イリエワニの鎧に歯が立ちません。
急所の腹部に攻撃できなければ、トラは退散するでしょうね。
大きなイリエワニを、ひっくり返すのは難しそうです。
トラがダメとなれば、ライオンやヒョウもお手上げですよ。
イリエワニVSカバ・ゾウ
同じ水生動物ならどうか?
例えば、
とぼけた顔してけっこう獰猛なカバ。
ワニにも、パワー負けしなそうですし。
これは、ワニのサイズ次第かもしれません。
ワニが3~4mなら、カバもそこそこ戦えそうです。
でも6m級では、餌食にされちゃうと思います。
それならゾウだったら?
この場合、戦いの場が水中か陸かで変わるでしょう。
やはり、陸ではゾウに賭けたい。
でも、ワニとの姿勢の関係で、
ゾウは弱い腹部をワニにさらすことになります。
腹を咬めれば、陸でもワニが勝つ可能性はありそうですね。
イリエワニVSナイルワニ・アナコンダ
爬虫類のチャンピオンマッチです。
まずは、イリエワニと同格の大きさ、強さを誇るナイルワニ。
サイズが同じなら、勝負は時の運な気がします。
アナコンダは10m近くになり、イリエワニとも戦えそう。
ポイントは、ワニの咬み攻撃と、ヘビの絞めつけ攻撃ですね。
先に咬まれてしまったら、
アナコンダなんて一本うどんみたいなものです。
完全に締め上げてしまえば、アナコンダにも勝機ありかも。
人間もワニを捕まえるとき、
口を縛って咬みつきを封じますしね。
ヘビに、その知恵があるかは疑問ですが。
イリエワニVSサメ・シャチ
殺し屋対決ですね。
後述しますが、
イリエワニは海も泳げる。
サメ、シャチと戦うこともできるのです。
シャチとは、生息域が違うので出会うことはないですが。
しかし、海ではサメ、シャチ圧勝ですね。
水泳力が違います。
陸での戦いが考えられないマッチですから、
イリエワニ勝利はないです。
イリエワニは、自分のテリトリーなら殆ど負けないようです。
最強というのは、あながち間違いでもないでしょう。
イリエワニの凄さは、
海を泳いで、そのテリトリーを広げることです。
その範囲は、日本にも及んでいるんですよ。
日本にも来る驚異の水泳力!
イリエワニは「入り江のワニ」。
英語でも、
「Salt water crocodile/塩水クロコダイル」。
イリエワニは淡水だけでなく、海水にも対応できるワニなのです。
海を泳いで別な島に移住できるってこと。
季節ごとだったり、食料を求めて渡りをするんです。
四肢をたたみ、「気をつけ」の状態みたいになり、
尻尾を振りながら、体をくねらせて泳ぎます。
もしかしたら、海の怪物と呼ばれるUMAの一部は、
イリエワニを見たものかもしれませんね。
海を泳ぐワニなんて、珍しいですし。
最速スピードは、オリンピック選手の3倍。
さらに、遠泳も可能という万能スイマーなのです。
イリエワニの移動距離は、時に数千kmにもなるらしい。
その到達地には、日本も含まれています。
次は、日本近海で発見された例などを見ていきましょう。
日本での発見例と定住の可能性は?
泳いで到達出来るという話なだけで、
本来だと、日本にはワニはいません。
昔は、ワニといえば「フカ」。
つまりサメのことでした。
今でも一部の地域では、サメを「ワニ」と呼んでいます。
でも「ワニ」という、
サメではない動物がいることも知られてはいたようです。
幕末の頃、西表島や奄美大島に、ワニが漂着した記録が残っています。
黒潮に乗って北上してきたのでしょう。
イリエワニの日本漂着は、四国、三重県でも確認されています。
「暖かい地域ばかりだ」
と言っていられませんよ。
なんと、日本海を泳ぐイリエワニの記録もある!
「小雪舞い散る日本海、ご覧ワニが泳いでる~♪」
なんて演歌聴きたくないな……。
イリエワニが、日本に棲みつくことがあるのでしょうか?
断言はできませんが、僕はないと思います。
日本まで来たワニも、単にチャレンジャーな個体でしょう。
ワニも、
「調子に乗って、こんなとこまで来ちゃったよ」
です。
実際は、海流の都合で日本まで流されたというだけ。
だから「到着」ではなく「漂着」なのです。
日本は、ワニにはやはり厳しい環境。
辿り着いた場所が気に入らなければ、きっと南に帰るでしょう。
泳いで勢力を広げているようですが、イリエワニの生息地は年々減っています。
分布は広くても、
ポツリポツリとテリトリーは散り散り。
人間にも狩猟され、最強のワニもカバンや財布の運命なのです。
保護されて、やっと生きている。
日本上陸どころか、
イリエワニは今や希少なモンスターになりつつあるんですよ。
ワニ族で最大!イリエワニのギネス記録や生態~まとめ~
イリエワニは、世界最大のワニというばかりか、怪物の雰囲気がプンプンです。
大きさ、強さ、凶暴性はギネス級。
海を渡り、日本にも姿を見せる。
なんだかゴジラみたいですよね。
しかし、その数も減少の一途とは残念です。
現代は、モンスターには棲みにくいんでしょうか。
この魅力的なイリエワニが、いつまでも見られる地球であってほしいと思います。