コロッサルスクイッドの大きさと調査から予測される生態

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地球上で人智未踏の地なんてあるのでしょうか?

 

ダイオウイカが世界最大のイカという認識は、

もう古いのかもしれません。。。

 

 

陸上は衛星で監視されていて、

インターネットさえ繋げば、どこでも見られるようになった現代ですが、

実は地球表面の陸の割合はたったの3割。

 

それに対し、海は陸の何倍も広く深く、

まだ人間が目にしていない地が、どこまでも続いています。

 

 

そんな、誰も見たことのない深海から浮かび上がってきたのは、

体長14mの巨大なイカ。

 

しかもその巨大イカは、まだ成熟していなくて、

大人になったら20mになるだろうとも考えられているのです。

 

 

もしそれが本当なら、世界最大のイカとなります。

 

ダイオウイカよりも大きい、無脊椎動物ということになるのです。

 

 

そして、そのイカの名前は、

コロッサルスクイッド

 

和名はダイオウホウズキイカです。

 

深海に住む巨大生物、

今回はその中でも巨大イカ、

コロッサルスクイッド」についてご紹介します。

 

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調査で分かっていること

 

コロッサルスクイッドが、初めてその名前を人間に知られるようになったのは1925年。

 

しかし、彼らは2000m以深の深海に住んでいるため調査が難しく、

なんらかの原因で個体が浮上してくるのを待つしか、今のところは調査方法がありません。

 

そのため新種として発表された後も、

なかなかコロッサルスクイッドが、人間の世界に現われることはありませんでした。

 

 

貴重なコロッサルスクイッドの調査例が2007年と2014年にあります。

 

1925年からほぼ100年経った今でも、

まだ彼らの姿は数えるほどしか報告されていないのです。

 

 

2007年には成熟した個体が、

南極沖で操業中の漁船の網に偶然かかったことで発見されました。

 

完全な形での捕獲だったため、大変貴重な捕獲例です。

 

その後も完全な形で捕獲できたのは2014年の、やはり南極沖でのことでした。

 

 

これらの捕獲によって調査が進み、

謎に満ちた巨大イカ、

コロッサルスクイッドの生態も少しずつ明らかになっています。

 

 

コロッサルスクイッドの和名、

ダイオウホウズキイカと聞いて、巨大イカであるダイオウイカを想像する方も多いかと思います。

 

しかし、コロッサルスクイッドは、

ダイオウイカとは異なる部分を多く持ち合わせているのです。

 

 

例えば、

ダイオウイカの体は細く、長く大きな触手を持っているため、

その体重の大部分は触手部分が占めています。

 

それに対してコロッサルスクイッドは、

ダイオウイカよりも触手が短く、体が丸みを帯びています。

 

同じ体重350kgでも、

見た時の迫力はコロッサルスクイッドの方が大きそうです。

 

 

コロッサルスクイッドはダイオウイカと同じく、マッコウクジラを天敵としています

 

そのような巨大な天敵に対抗するための武器として、

コロッサルスクイッドは鋭いかぎ爪のついた吸盤を持っています。

 

しかもそのかぎ爪は360度回転し、

より深く相手に食い込ませることができる凶悪な武器です。

 

 

鋭いかぎ爪を持つ巨大イカ、

といえば凶暴な海の怪物クラーケンを思い出しますが、

実はコロッサルスクイッドの生態は、とても穏やかなものだと考えられています。

 

 

なぜそんなことがわかるのか?

 

それは貴重なコロッサルスクイッドの捕獲調査から得られた事実です。

 

彼らが我々の目の届かない深海で、

どのように生活しているのかお話ししていきましょう。

 

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深海で生き残る秘訣

 

深海がどのような世界なのか想像してみてください。

 

深海は広大で、そこは陽の光が届かず植物も育たない土地です。

 

 

海面の方から、

ゆっくりと落ちてくるプランクトンなどの死骸すら見えない真っ暗闇の中、

目の前に現われる餌を待つか、

自ら動いて身を危険にさらして餌を得るか。

 

コロッサルスクイッドのような、巨大な体を持つ生き物が必要とする栄養となる生き物も、

いつ現われるかわからないような海の砂漠なのです。

 

 

そんな環境でコロッサルスクイッドが生きていくために選択したのは、

省エネ生活でした。

 

捕獲されたコロッサルスクイッドの死体を解剖することによって判明したのは、

その驚くべき新陳代謝の効率の悪さでした。

 

このことはつまり、食べた餌の栄養を自分の物にするまでに、

長い時間がかかるということを意味しています。

 

 

これにより、

結果コロッサルスクイッドはマッコウクジラなどの、

300~600分の1というわずかな栄養によって、

生命活動を続けることが出来るようになりました。

 

具体的には、例えばコロッサルスクイッドが500kgだった場合、

5kgの魚を一匹食べることが出来れば、

その後200日間は絶食しても生き続けられるということです。

 

 

また少ない栄養を長く持たせるために、

コロッサルスクイッドの体温は低く、

動きもかなりゆっくりとしたものだろうと言うことが予測されます。

 

クラーケンの元となったと考えられる見た目に反して、

その生態はとても質素で、穏やかなものだったのです。

 

 

ぜひコロッサルスクイッドを見てみたい!

という方に朗報です。

 

2014年に捕獲されたコロッサルスクイッドは、

完全個体の貴重な例として冷凍保存されています。

 

ニュージーランドの首都にある、

テパパ博物館で保存されているので、気になった方はぜひ行ってみてください!

 

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コロッサルスクイッドの生態~まとめ~

 

まだまだ人間が知らない世界は広く、

そこには想像も出来ないような生き物が今も生きている……

 

なんともロマンのある話ですね!

 

 

コロッサルスクイッドのような巨大生物たちが暮らす楽園が、

私たちの目に見えない場所には、まだまだたくさんあるのかもしれません。

 

その楽園がいつまでも残されて欲しいという気持ちと、

覗きに行きたいという気持ちが相反するところではありますが、

深海から浮かび上がってくる奇妙な死骸に思いをはせながら、

今のところは陸上で静かにネットの海を泳ぐのみです。

 

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