ジュゴンとマナティの違いを解説!人魚伝説の由来はどっち?

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ジュゴンとマナティと聞いて、

すぐに、二種類の生き物を思い浮かべることが出来る人は、なかなかいないと思います。

 

なにしろ目の前にジュゴンとマナティがいても、

どっちがどっちなのか一見わからないのですから!

 

 

今回はジュゴンとマナティの見分け方、

日本ではどこに行けば会えるか、

また、彼らにまつわる人魚伝説についてご紹介していきます。

 

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ジュゴンとマナティの違い

 

ジュゴンとマナティは同じ海牛目ですが、
ジュゴンはジュゴン科、マナティはマナティ科に属する全く別の生物です。

 

 

そして、ジュゴンとマナティは全く別の海域に住んでいます。

 

ジュゴンは太平洋やインド洋の浅い海域に、
マナティは大西洋の浅い海域や、淡水域に分布しています。

 

どちらも浅い海にいるのですが、生息海域が異なるため、
目の前に両方が泳いでいるシチュエーションはあり得ないのです。

 

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口の向き

 

この住んでいる場所の違いから生まれる違いは、口の向き。

 

ジュゴンは海底の海藻を食べているので、口が下向きについていますが、
マナティは、浮いた海藻や川岸の水草を食べるので、口は少し上向きです。

 

 

尾びれの形

 

一番わかりやすい違いは、やはり尾びれの形でしょう。

 

 

ジュゴンの尾びれはクジラと似ていて、三日月のような形。

 

マナティの尾びれは丸みを帯びていて、半月よりもう少し太った月のような形。

 

 

ジュゴンは淡水域には入らないので、

より海の生き物らしさがあるようです。

 

 

他にも違いはあり、

胸びれの爪と肘は、マナティが持っていて、

ジュゴンの持っていない特徴です。

 

マナティは、象と祖先を同じくしているため、

胸びれには象のような爪がついているのです。

 

 

また、前足の第一関節が体内にあるジュゴンと違って、

マナティには肘があります。

 

長めの胸びれが曲がっていたら、マナティだと分かりますね。

 

 

日本で会える場所

 

せっかく、ジュゴンとマナティの見分け方を知ったのですから、

実際に見に行って確かめてみましょう!

 

 

とは意気込んでみたものの、

絶滅危惧種から外れたマナティはともかく、

ジュゴンは絶滅危惧種に指定されているため、

水族館で展示することは難しいようです。

 

 

そんなジュゴンが、日本で唯一見られる場所があります。

 

 

三重県の鳥羽水族館です。

 

ジュゴンはとても神経質な生き物で、

世界でも長期間の飼育をしている水族館は珍しく、

世界で飼育されているジュゴンはたったの5頭だとか。

 

マナティは、絶滅が長い間危惧されていましたが、

アメリカなどでの、数十年に及ぶ保護運動が効をなし、

2017年には、絶滅危惧の指定がはずされました。

 

 

日本でも、

ジュゴンよりは水族館の展示数が多く、

先ほど紹介した鳥羽水族館にもいるほか、

沖縄の美ら海水族館でも見られるようです。

 

 

都市近郊では、

静岡県の熱川バナナワニ園があり、

日本でアマゾンマナティがみられる唯一の場所となっています。

 

ちなみにアマゾンマナティは、淡水域にしか生息しない珍しいマナティです。

 

 

日本近海には、かつてジュゴンが生息していたことがありました。

 

沖縄です。

 

ジュゴンの生息海域の最北端だった沖縄ですが、

1960年代以降は、ジュゴンが確認されることは稀になり、

今では、もう日本でジュゴンを見られるのは、

水族館のみとなってしまいました。

 

 

絶滅したジュゴン

 

現生するジュゴンには、

もう一種いたことをご存じでしょうか。

 

その名もステラーカイギュウ。

 

全長8m、体重6トンにもなるこのジュゴンが今も生きていたとしたら、

現存するジュゴンやマナティの二倍の大きさを誇る、最大のカイギュウでした。

 

 

絶滅の理由は18世紀の乱獲です。

 

捕獲されたステラ―カイギュウは食用、革などに利用されました。

 

 

皮肉なことですが、

実際にジュゴンの一種が絶滅したことによって、

現生するジュゴンの絶滅が心配されるようになり、

捕獲が禁止されました。

 

しかし、ジュゴンの人なつっこい性格や、

呼吸のため、海面に浮き上がってくる生態によって、

船との衝突事故が相次いでおり、なかなか生息数は増えていません。

 

 

マナティも、一時は絶滅を危惧されつつも、

人間の保護活動によって数を取り戻しました。

 

ジュゴンも、我々の活動次第では、絶滅の危惧を免れるかも知れませんね。

 

 

それでは最後に、

ジュゴンとマナティにまつわる、人魚伝説についても見ておきましょう。

 

西洋の歴史が関係しているんですよ。

 

 

人魚伝説の元

 

世界各地には海に住む、

人を模した、人ならざる生き物の話が、

数多く残っています。

 

人魚もその一つです。

 

人魚は、航海中の人を惑わすシンボルとして知られていますが、

場所によっては、川に住む人魚もいたようです。

 

 

さて、西洋の人魚の由来となったと言われている、ジュゴンやマナティですが、

どちらが人魚のもとになったのでしょうか?

 

 

ジュゴンやマナティが認知されるようになったのは、日本では有史以前から。

 

しかし、西洋には生息していなかったため、認知が遅く、

1560年にインド洋を探検していたポルトガル人によって、

ジュゴンが持ち込まれたのが最初だそうです。

 

 

マナティではなく、

ジュゴンが人魚のシンボルだったのですね。

 

その奇妙な姿が、それまで語られていた人魚像と似ていたため、

人魚のもとになったと言われるようになったのでしょう。

 

日本でも、

琉球では、ジュゴンは「ザン」と呼ばれ、

昔から食用として知られていたそうですが、

助けたザンが、大津波の予言をして恩返しをしたなどの伝承も残っており、

日本でも、ジュゴンは少なからず、人智を越えた存在だったようです。

 

 

また、ジュゴンの母親は、

子供を胸びれで抱えながら立ち泳ぎをすることが知られており、

この姿がまるで、人間のようなので、

人魚として認識されたという節もあります。

 

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ジュゴンとマナティの違いと歴史~まとめ~

 

ジュゴンとマナティの見分け方から、彼らと人間との関わりまでご紹介しました。

 

人間によって絶滅した種もいながら、人間によって復活した種もいる。

 

なんとも人との関わりが深い生き物でしたね。

 

 

我々は陸に住む人として、

ジュゴンやマナティなど、海に住む人にとっても、

優しい世界を創っていきたいものです。

 

 

ジュゴンやマナティに興味が湧いたという方は、

ぜひ、実際に見に行ってみてくださいね。

 

きっと、人懐っこい笑顔であなたを迎えてくれますよ!

 

 

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