フォッサはマダガスカル固有の珍獣!見れる動物園と特徴

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フォッサは、マダガスカル島の百獣の王。

島で最強の動物です。

 

「マダガスカル」

というアニメ映画を見た方ならご存じかもしれませんね。

 

 

普通、百獣の王といえばライオンですが、

フォッサはライオンとは違い、群れを作らず単独で動きます。

 

木登りが上手なので、どちらかと言えばヒョウに似た動物です。

 

とはいえ、フォッサはネコ科の動物ではありません。

 

 

では、イヌ科?

 

確かに顔はイヌっぽいですが、でもイヌの仲間でもありません。

 

 

では、他に王様になれそうな動物って、いったい何があるんでしょう?

 

 

不思議の島マダガスカルの、

不思議な動物フォッサ。

 

そこではあり得ない進化が起こっていました。

 

早速見ていきましょう。

 

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キング・オブ・マダガスカル「フォッサ」

 

フォッサとは、体長約75㎝で体重約11㎏。

ハスキーほどの大きさのマングースのことです。

 

 

マングースって、ご存じですか?

 

 

小さいけれど、コブラさえやっつけるほど、気の強い肉食獣。

 

沖縄でハブ退治のために投入たのに、

ハブは捕らずにヤンバルクイナなどを狩り、

かえって島の固有種の存在を脅かしているという、あのマングースです。

 

ちなみに、フォッサとは似ても似つかないけど、

誰もが想像するマングースはこれですよね。

 


Markéta MachováによるPixabayからの画像

 

 

姿形は、日本のイタチやオコジョによく似ていますが、

イタチやオコジョはイヌの仲間だから違う。

 

マングースはネコの仲間です。

 

ただ、

ネコの仲間とはいっても、ライオンなどの、

いわゆる「ネコ科動物」とは遠い親戚。

 

むしろハイエナの方に近くて、彼らとは姉妹関係にあたります。

 

 

フォッサは、マダガスカルのマングースなので、

正確には「マダガスカルマングース」

 

マダガスカル島の固有種にして、

唯一の肉食哺乳類のグループです。

 

 

これを言い換えると・・・

 

「マダガスカル島には、ネコの仲間もイヌの仲間もいませんよ。」

「肉食の哺乳類はマングースだけ。」

「つまりマングースの王国なんですよ。」

 

という意味になります。

 

 

マングースの王国だなんて、

そんなところは世界広しといえどここだけ!

 

凄いところなんですよ。

マダガスカル島って。

 

 

さて。

 

そのマダガスカル島が、

マングースの王国なったのには、深い理由がありました。

 

 

実は、マダガスカル島は1億年前、つまり哺乳類がこの世に生まれるずっと前に、

アフリカ大陸から分かれた島なんです。

 

なので、島にはずーっと、

昆虫や両生類、爬虫類や恐竜類しかいませんでした。

 

 

その後、

約6500万年前頃になると、恐竜が絶滅。

 

 

しばらくすると、アフリカ大陸からキツネザルの先祖が流木に乗ってやって来ました。

 

木の幹の中で仮眠を取りつつ、数週間も波に揺られながらね。

 

 

さらにもうしばらくすると、同じような方法で、

マングースの先祖が島に流れ着きました。

 

ただ、ネコやイヌのご先祖様たちは、

長旅を生き延びる術を持っていなかったんでしょうか。

 

残念ながら、島にたどり着くことができませんでした。

 

 

そのおかげで、マングースは、

普通ならヒョウやオオカミが占めるはずの場所を、全部独り占めできたんです。

 

そして、様々な環境に適応し、

マングースとは思えない姿にまで変身したあげく、

ハイエナだけでなく、マングースとまで姉妹関係だといわれるほど、

独立した種となりました。

 

 

そのマダガスカルマングースは、現在9種類。

 

フォッサは、その中で1番大きい種類です。

 

つまり、島で1番大きな肉食動物。

キング・オブ・マダガスカルというわけです。

 

 

では、マダガスカル島の王様って、

どんな生き物で、普段どうやって暮らしているんでしょう?

 

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フォッサってどんな生き物?

 

マダガスカル島の別名は、

キツネザルの島。

 

フォッサの主な獲物は、

マダガスカル島に100種以上いるといわれる、

キツネザルです。

 

流れ着いたたった1種類から、

霊長類最小のネズミキツネザルから、

1番大きなキツネザルのインドリまで、

あらゆる環境に進出して行きました。

 

 

そこへ、マングースがやって来たんです。

 

 

森の中を自在に飛び回るキツネザルを捕まえるために、

マングースたち、特にフォッサは、

同じような身体能力を進化させました。

 

ネコのように正確な距離感を測れる目と、イヌのように鋭い嗅覚。

 

高さ30mの高い木でも、

楽々よじ登れる太い筋肉と、

サルのように、枝から枝へ飛び移るためのしなやかな身体。

 

 

もちろん、元気なキツネザルのスピードにはかないませんよ。

 

彼らは、アニメの忍者のように、

ビョーン・ビョーン・ビョーン・ビョーンと、

休むことなく、木々の間を飛び跳ねて行きますから。

 

 

でも、フォッサも恐ろしい勢いで枝を走り、かなりすばしっこく、

遠くの木へビョーンと飛び移ることができるんですよ。

 

そして、それを可能にしているのが、

長~いしっぽ。

 

フォッサの体長は約75cmですが、しっぽもそれと同じくらい長いんです。

 

 

これは、木から木へ跳び移る時、バランスを取るために絶対必要なもの。

 

インドリ以外のキツネザルも、

移動のために、体長程もあるしっぽでバランスを取っています。

 

フォッサが彼らに負けない動きをするためには、

同じように長いしっぽが必要だったんでしょうね。

 

 

それに加えて、フォッサはリスのように木の幹に抱きつき、

頭を下にして、木を下りることができます。

 

これは、ネコたちには到底マネできない、特殊な能力なのです。

 

<フォッサの身体能力>

 

 

さらに、フォッサは昼夜を問わず狩りをします。

 

夜行性のアイアイにとっても、

夜は樹上で眠る、大型のキツネザルたちにとっても、

フォッサは常に安心させてもらえない、悪夢のような存在なんです。

 

 

とはいえ、フォッサの行動は、

他の肉食動物と基本的には何も変わりません。

 

ただ、ちょっと違うのが繁殖行動です。

 

 

メイティングシーズンの行動が変わってる

 

フォッサで面白いのが、メイティングシーズン。

つまり交尾期の行動です。

 

フォッサは単独行動をする動物なので、

普段はバラバラな場所で過ごしています。

 

でも、結婚シーズンとなると、

やっぱり相手を探さなければなりませんよね。

 

 

相手を探す方法といえば、どんな方法を思いつきますか?

 

①-探し回る

 

②-あちこちに印を付けて待つ

 

③-待ち合わせ場所を決めておく

 

さあ、どれでしょう?

 

 

 

同じように、単独行動をするヒョウだと、

オスが①、メスが②といった感じです。

 

でも、フォッサは③。

 

待ち合わせ場所を決めて、集まって来るんです。

 

 

フォッサの場合、メスがお気に入りの木を選び、

そこがお見合い会場になります。

 

でも、そこで自由に結婚相手を探すのかと思えば、それがそうではありません。

 

お見合ができるのは、メス1匹かせいぜい2匹。

 

 

まず、結婚準備の整ったメスが、木のてっぺんに登って相手を待ちます。

 

次に、その近くで、強いオス同士が順位を争い、

勝ったもの順に、メスに近づけるという決まりです。

 

 

お見合いの木には、

メスたちの心を奪う、何か特別な魅力があるんでしょうか。

 

いつも大体、同じ木が選ばれます。

 

 

そして、メスの発情期は約1週間なので、

1週間ごとに、入れ替わり立ち替わりメスがやって来ては、

またオスの順位争いが始まるんです。

 

彼らの結婚シーズンは、南半球の春に当たる、

9月~10月の約2ヶ月ほど。

 

その間、フォッサたちは、

鳥のようなギャーギャーという声で鳴き交わし、

お見合い会場は、昼夜を問わず、かなり賑やかな状態が続きます。

 

 

そうやって2ヶ月が過ぎ、お見合い会場が、ただの普通の木に戻ってから数週間後。

 

今度は、フォッサの子どもが生まれ始めます。

 

 

メスは2匹~4匹の子どもを産み、単独で子育てをします。

 

そして、4~6年経った春になると、

その子どもたちもまた両親と同じように、

お見合い会場へ、いそいそと向かい始めるのです。

 

 

いかがでした?

面白い動物だったでしょう。

 

イヌでもないネコでもない珍獣、

フォッサをご紹介してきました。

 

 

それでは、次にいきましょう。

 

実物を見たいと思いませんか?

 

フォッサのいる動物園を紹介します。

 

 

実は、マダガスカル島の固有種なので、

日本では、なかなかお目にかかれません。

 

しかも、マダガスカル島の森林地帯が、

10分の1に減ったことで、

キツネザルと共に、その数が激減してしまっています。

 

レッドデータにも載っていますし、

ワシントン条約の附属書IIで、島外への持ち出しが厳しく制限されています。

 

 

日本で見れるフォッサは、この1頭だけです。

 

 

日本にただ1匹!上野恩賜動物園のベザくん

 

日本で、唯一お目にかかれるフォッサ。

 

それが上野恩賜動物園のベザくんです。

 

2017年5月までは、アンバーちゃんという彼女がいたんですが、

残念ながら、がんで永眠。

 

 

現在は、ベザくんだけが、

上野動物園の西園、

不忍池そばの「アイアイのすむ森」に、

アイアイやワオキツネザルと、隣り合って暮らしています。

 

子宝にこそ恵まれませんでしたが、

とても仲良しなふたりで、動画や写真がいくつもネットに上がっています。

 

 

 

クリッとした可愛い目に、

パーに開いた、ちょっと内股気味の手脚。

 

歩く姿が、何とも可愛い!

 

 

でも、ちょっと違和感も感じます。

 

ネコの目そっくりな、縦スリットの目の持ち主ですが、

ネコのような、しなやかさからは程遠い。

 

 

顔立ちはイヌに似ていますが、イヌとも違う。

 

身体付きは、ちょっとゴツくて筋肉隆々。

でも、クマとも違う。

 

木の上では機敏に動きますが、でもリスのようでもない。

 

 

「○○に似ている」と、なかなか言いがたい生き物なんです。

 

 

なので、これはもう自分の中に、

「これがフォッサだ」というカテゴリーを作るしかない!

 

是非、上野動物園に出向いていただき、

ジャンル拡大を目指してほしいものです。

 

 

あともう1つ、トライしていただきたいことがあります。

 

それは、もし上野動物園でベザくんに出会ったら、その可愛さだけでなく、

是非、その手のひら、足の裏にも注目してみてください。

 

 

フォッサは、手のひら、足の裏を全部地面に付けて歩きます。

 

 

なので、手足の裏が、イヌネコのような肉球ではなく、

どちらかというと人間に似た形。

 

そして、それがなかなか可愛い。

 

動物の足の裏を見るなんて、なかなか難しいとは思いますが、

行った際には、是非チャレンジしてみてください。

 

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フォッサはマングース!身体能力も抜群~まとめ~

 

そもそも、マングースという生き物は、それほど珍しい動物ではありません。

 

でもそれが、マダガスカル島に渡ると七変化し、

一部が、フォッサというユニークな生き物になりました。

 

 

マダガスカルは、

「キツネザルの島」とも「カメレオンの島」とも呼ばれ、

そこにいる、動植物の7割近くが固有種だといわれるほど、

独特の進化を遂げた島。

 

そして、その頂点に君臨しているのがフォッサです。

 

 

残念ながら、映画「マダガスカル」では悪者扱いですが、

実際のフォッサは珍しいだけでなく、

とってもチャーミング。

 

なかなか、お目にかかれる生き物ではありませんが、

有り難いことに、日本では上野動物園にいるんです。

 

会えばきっと、

その可愛さと、強い目力に心奪われるはず!

 

 

機会があったら上野動物園へ。

 

そして、是非ベザくんのもとへ。

 

上野動物園だからって、パンダを見るだけではもったいないですよ!

 

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