人魚伝説は日本にも世界各国にも!数々の記録と実在を検証

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人魚といえば「上はきれいなお姉さん。下は魚」が定番。

 

けっこうな化物なのに、

悪い印象がない珍しいモンスターですよね。

 

アンデルセン童話の影響で、美しくロマンチックな存在、

泡と消える悲恋の象徴になっています。

 

 

ところが、世界中の人魚伝説を調べてみると、

ロマンの欠片もない!

 

醜く、時には人に害をなす怪物です。

 

といっても、人魚なんていないんだから問題ない。

 

 

……本当にそうでしょうか?

 

伝説には、なにがしかベースとなる事実があるはずです。

 

 

もしかしたら人魚は実在していた……

いや、今もいるのかもしれません。

 

昔の人たちは人魚、あるいは人魚のような何かを見たのではないか。

 

世界中に残る人魚の痕跡を紐解いてゆけば、

リトルマーメイドならぬリアルマーメイドの姿に迫れると思うのです。

 

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世界の人魚伝説!人魚って何?

 

人魚は文字通り半人半魚の異質同体(キメラ)生物

 

一般的には『人魚姫』のマーメイドが知られていますが、

広義では男の人魚マーマン、半魚人、水の精といったものも人魚に含まれます。

 

その特徴は、人間と魚や爬虫類のハイブリッド。

 

 

マーメイドのような、

上は人間で、下は魚のツートンもいれば、混ざり合った醜悪な魚人間もいる。

 

それらの伝説は世界各地に存在しています。

 

 

ヨーロッパで、

船乗りを惑わすセイレーンやローレライ。

 

命の終わりを予言する、

水の妖精ウォーターシェリー。

 

 

中東に文明を伝えたという半魚人ダゴン。

 

アフリカの人魚マミ・ワタ。

 

東シナ海にいたという中国の人魚・海人魚。

 

 

南米の水神イアーラ。

 

……と、妖しい美女だったり、信仰の対象だったり、

あるいは海に棲む奇怪な生物だったり、

伝えられ方もさまざま。

 

 

なかなか実態がつかみにくい。

 

ということで、

世界中に散らばる人魚伝説のあれこれについては、下に動画を貼っておきました。

オススメですよ。

 

いっぱい紹介されてるし、

歴史的な話も、科学的な話も、

ボイス付きで分かり易く紹介されています。

 

 

 

次は、日本の人魚伝説について。

 

日本でも聖徳太子が、琵琶湖で殺生の罰で人魚に変えられた男と出会った話や、

捕獲された人魚を記録にとどめた古書・瓦版などがあります。

 

中でも有名なのは、

八百比丘尼(やおびくに)の伝承ではないでしょうか。

 

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日本の人魚伝説!八百比丘尼とは?

 

7世紀半ばのこと――

 

ある家に夕食に呼ばれた男が調理場を覗くと、

腕のある魚のような生き物が捌かれている。

 

男は気味が悪いので、その肉を食べずに家に持ち帰ったところ、

何も知らない16歳の娘がそれを食べてしまった。

 

 

それは、実は人魚の肉で、

娘はその効力で不老不死になってしまう。

 

何度結婚しても夫に先立たれ、知り合いもどんどん鬼籍に入って、

悲しみに打ちひしがれた娘は、尼となって人々に信仰を説く旅に出た。

 

 

全国を巡り巡って800年。

 

だから八百比丘尼。

 

 

若いままの娘は、

福井県若狭の地で入定(にゅうじょう)したというお話。

 

入定は洞窟などに籠り、即身仏になることですが、

不老不死だからまだ存命かもしれないですね。

 

 

最期は若狭(若さ?)というのも、ちょっとできすぎな気もするけど。

 

羨ましいような、悲しい物語です。

 

ヨーロッパの不老不死貴族、サンジェルマン伯爵の日本版ってところですか。

 

 

八百比丘尼の伝承は中部地方を中心に、

日本各地に存在し、その所縁の名所も多いのです。

 

そのため、本当にいた感が強い。

 

真相はわかりませんが、

日本中に八百比丘尼を騙った尼さんがいて、

そのネームバリューを布教に利用したと考えるのが合理的でしょうか。

 

 

入定に飽きて、

今頃渋谷辺りで、ギャルの格好して歩いていると想像するのも楽しいんですがね。

 

 

それと、日本限定でも、人魚の伝説っていっぱいあるみたいですね。

 

日本限定の人魚伝説の動画も、下に貼っておくので良かったら見て下さい。

こちらも、

ボイス解説付きで分かり易くてオススメします。

 

なにより、情報発信の仕方というか、

伝え方がとても上手だと思います。

 

 

いやぁ~、人魚伝説関連の動画って、

良いのいっぱいあるな~。

 

それではどうぞ。

 

 

話がややそれましたが、どうして人魚伝説はこんなに分布が広いのか?

 

人魚がそれぞれの地域で生まれた空想で、

偶然一致したのでしょうか?

 

 

各地に人魚(と思われるもの)がいた可能性も否定できません。

 

それは何だったのか、次は人魚の正体を探ってみましょう。

 

 

正体を探る

 

人魚の存在については3つのことが考えられます。

 空想――まったく架空の生物

 誤認――既存の生物を見間違った

 新種――人魚という未知生物がいる

 

このうち誤認と空想の合わせ技で、

魚伝説は生まれたというのが定説です。

 

 

人魚の正体候補で有力なのはジュゴン

 

人魚とは似つかないブサイクな海棲哺乳類ですが、

子供を腕に抱えるなど、仕草に人間臭いところがあって

これを海に住む魚人間と見間違ったというものです。

 

 

ジュゴン以外の候補では、同じカイギュウ類のマナティ

 

アシカやアザラシなどの鰭脚類

 

 

シロイルカのベルーガ。

 

冠状の長いひれが女性の髪のようにも見える、

深海魚リュウグウノツカイ

 

 

これらが人間と魚のハーフを空想させ、船乗りの噂から都市伝説的に広まり、

肉が不老不死の薬みたいな尾ひれが加わり、

(人魚だけに)

各地でまとめられた結果が人魚伝説ということ。

 

無理のない解釈だと思います。

 

 

たしかに人魚は作り物の感覚が強い。

 

でも、新種の可能性はないのでしょうか。

 

上に挙げた既存の動物ではなく、

もっと人魚らしい未知動物がいて、それがモデルになった可能性です。

 

 

僕が昔読んだ本に『オラン・イカン』というのが載っていました。

 

インドネシアの海に棲息する人魚だというのですが……

 

 

目撃談や記録

 

まだ太平洋戦争の頃。

 

日本の統治下にあった、

インドネシア・カイ諸島で駐屯していた軍曹が見たという話です。

 

 

奇妙な生物が捕らえられたということで、

軍曹が行ってみると、そこには奇怪な生物の死体が!

体長は120cmほど。

顔は人間に近く、頭髪がある。

広い額、低い鼻、小さい耳、コイのような口、エラがある。

体はピンク、または緑でヌルヌルしている。

四肢があり、手足に水かきがある。

これが現地で言うオラン・イカン(人・魚の意)。

 

カイ諸島ではこの生物がたまに見られ、件の軍曹も別に2度見ていたのだそうです。

 

 

なんともイメージしにくいですが、河童に近い気がしませんか?

 

少なくとも、アザラシやジュゴンやイルカではないでしょう。

 

 

近隣のニューギニアには、

『リィ』と呼ばれる生物の噂があり、

こちらは下半身がひれだそうで、オラン・イカンよりもずっと人魚に近い。

 

オラン・イカンに似た生物が、イギリスやイスラエルの浜にも打ち上げられた記録もあります。

 

 

しかし、1m以上もあり、広く分布しているらしい動物が、

21世紀まで見つかっていないのもおかしな話です。

 

こんな未知生物がいることは考えられるのでしょうか?

 

 

水生人間は可能なのか?

 

2013年、イギリスで製作されたTV番組、

『人魚伝説-失われた真実-』では、

水中で進化したヒューマノイドがいたと示唆されていました。

 

この番組はドキュメンタリー風のフィクションで、番組で使われたフェイク映像

――潜水艇のガラスを水かきのある手が叩くというもの――

が世界的に報じられたので、知っているかもしれませんね。

 

僕もこの番組を見ましたが、メチャクチャ面白かったですよ。

 

 

人魚が実在するとすれば、

それは番組にある水中に適応した類人猿・人間であろうと思います。

 

しかし、それは無理な話でしょう。

 

人間の形は水中生活にどう見ても不向き。

 

 

陸にいるのだから当然です。

 

水中に適応した生物は、それが哺乳類であろうと魚であろうと、

人間とは違う形になるしかないのです。

 

 

半人半魚のマーメイドどころか、オラン・イカンのような半魚人系も難しい。

 

X-men的ミュータントとか、海底に隠れているエイリアンでもなければありえません。

 

 

Youtubeには人魚を撮影したという動画がたくさんあります。

 

どれも出来がよく、ワクワクしちゃうんですが、人魚はやはり空想のものでしょう。

 

 

ただ、なにかの病気によって顔や半身が奇形し、

たまたま人間に似た海棲哺乳類はあるかもしれません。

 

少々都合のいい説ですが、

わずかでも人魚実在の夢を繋げたい気持ちも僕はあったりします。

 

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世界各地に散らばる人魚伝説の正体~まとめ~

 

世界中の人魚伝説は、枚挙にいとまがありません。

 

お友達になりたいようなお姉さんから、不気味な半魚人まで、幅が広いのも面白い。

 

しかし、その正体はファンタジーの空想や、

変わった動物の見間違いがほとんどのようです。

 

 

洋の東西を問わず、その姿が似通っていることから、

人魚は母なる海を懐古する、人類の普遍的な理想なのかもしれませんね。

 

僕などもカナヅチなので、

人魚のように大海原を自由に泳げたら気分いいだろうな~と思います。

 

 

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