アリジゴクは幼虫です!生態と巣の場所!飼育法も解説

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アリジゴクは英語で、アントライオン。

 

アリにとって、

ライオンのような危険な相手であり、

出会ったら地獄ってこと。

 

どちらも、アリ主観なのが面白いですね。

 

 

そのせいか、アリジゴクがアリの天敵なのはよく知られているのに、

それ以外は、さっぱりわからない昆虫ではないでしょうか?

 

見たことないな~って人も多いはず。

 

アリジゴクはなんなの?

 

 

その答えは「ウスバカゲロウの幼虫」です。

 

あの、はかない弱っちいカゲロウとは違うので、注意してください。

 

 

いわゆる、

極楽とんぼと呼ばれるのがウスバカゲロウ。

 

病弱なイトトンボみたいな昆虫で、日本全国どこででも見られます。

 

ウスバカゲロウがよくいるのだから、アリジゴクもよくいるはずなんですが。

 

何故か、身近なようで、正体不明の昆虫の代表。

 

 

今回は、アリジゴクの生態や、見つけ方捕まえ方とともに、

本当にアリにとって地獄なのかも考えますよ。

 

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アリジゴクの生態

 

アリジゴクについては、イメージが定着していますよね。

 

柔らかい砂や土に作る、すり鉢状の巣がとにかく有名。

 

本体はその底で、獲物を待ち構えています。

 

実は、巣を作らないアリジゴクもいるんですが、

この記事では、一般的な巣を作るアリジゴクで書きます。

 

 

さて、アリジゴクってどんな虫なんでしょう?

 

ほじくりだしてみると、ちょっとガッカリ。

 

丸い胴体に、小さな頭、クワガタみたいな大顎が目立つ、

大きさは1cmくらいの、なんともつまらない虫。

 

 

僕が初めてアリジゴクを捕まえたとき、

「でっかいダニみたいだな~」

と思ったものです。

 

その姿で2~3年過ごし、成虫のウスバカゲロウになるわけです。

 

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アリジゴクの捕食

 

アリジゴクは巣……

というか罠が生命線。

 

最初は、後ろ向きに円を描きながら、

徐々に掘り進め、深さ数cmの巣を掘ります。

 

アリジゴクって、後ろ向きにしか進めないんですよ。

 

 

そして底に隠れ、獲物を待つ。

 

やがてアリが、その落とし穴にはまるんです。

 

 

巣に落ちたアリは、斜面に足をとられ逃げられません。

 

巣は絶妙な角度で作られていて、もがけばもがくほど崩れてしまうのです。

 

 

さらに、アリジゴクも下から砂や小石をせっせと投げて、妨害に精を出す。

 

コロンと落ちてしまえばこっちのもの。

 

大顎で捕らえ、体液を吸うのです。

 

 

アリジゴクはフグの130倍という、

対昆虫用の猛毒を持っています。

 

人間には通用しませんが、アリなんかひとたまりもありません。

 

毒で抵抗もできず、体液を吸われてミイラのようにされ、

その後は、巣外にゴミのように捨てられてしまう。

 

まさにアリにとって、地獄への片道切符ですね。

 

 

そうした生態から、

アリジゴクと命名され、アリの天敵と呼ばれ、

対アリに特化した、プロフェッショナルみたいに思えるアリジゴク。

 

「ヘビに睨まれたカエル」

みたいな構図に見える。

 

そこまで、アリとアリジゴクって因縁の敵なのでしょうか?

 

 

アリジゴクはアリの天敵なのか?

 

アリジゴクは、アリ以外も捕食します。

 

1cmくらいの生き物ならなんでもいいのです。

 

アリ専門でもない。

 

地面を歩く虫で、数の多いアリが罠に引っかかりやすいというだけ。

 

 

僕も子供の頃、アリジゴクの巣を見つけたら、

アリを捕まえてきて落とす、

「誰でもやるでしょ」

って遊びをしたものです。

 

でも、逃げ切るアリもけっこういました。

 

こんな感じに。

 

巣にはまったら、一巻の終わりってこともないらしい。

 

 

そもそも考えてみてください。

 

アリジゴクや、クモのような待ち伏せタイプは、

僕らが見ると、のんびり生計を立てているように見えるけれど、

獲物は運任せです。

 

あんな分かりやすい落とし穴に、そうそうはまる虫も多くないでしょう。

 

 

アリを呼び寄せる蜜を出すとか、営業活動もしていません。

 

アリジゴクも、そうした事情から、

一ヶ月程度の絶食でも耐えられるようになっています。

 

むしろ、巣の補修とか管理に忙しく、稼ぎは少なそうに見える。

 

 

アリにとって、アリジゴクより怖ろしい敵はいくらでもいます。

 

アリジゴクにとっても、

アリは素早く攻撃的で、あまりお得意さんとはいえません。

 

ダンゴムシの方が、ずっと楽な相手ですよ。

 

 

例えば、軍隊アリとかが巣の上を通過したとする。

 

入れ食いになるどころか、巣を踏み荒らされて、

「まいったな~」が落ちです。

 

 

アリジゴクは名前ほど、アリの天敵じゃないと思えます。

 

生態も凶暴に見えて、穴の底でボーっと待っているだけのおとなしい虫。

 

飛んで逃げることもありません。

 

 

おとなしくて、逃げない……

 

あれ?

アリジゴクって普通に飼育とかしやすいんでは?

 

 

その通り!

アリジゴクは飼育が楽!

 

夏休みの自由研究にも超おススメ。

 

捕まえるなら、

まずはアリジゴクのいる場所を探さないとなりません。

 

 

アリジゴクの捕まえ方と育て方

 

アリジゴクを探すなら、

砂地、目の細かい土で、雨のあたりにくい場所が狙い目です。

 

 

草木の葉などが、傘になっている根元。

 

街中なら、神社やお寺の軒下、旧家の縁側の下などですね。

 

畑や砂浜の近くで見られることもあります。

 

 

アリジゴクは、けっこう密集していますので、

いるエリアさえ見つければ、何匹も捕まえられるでしょう。

 

 

アリジゴクの捕まえ方もさまざまです。

・巣の底に指を突っ込んで本体を捕まえる。

・スプーンやシャベルで土ごとすくう。

・水をかけて、出てきたアリジゴクを捕まえる。

・糸にダンゴムシなどを結び、巣に垂らして釣り上げる。

などなど。

 

 

②が一番いいと思います。

 

丁度いい動画が、ユーチューブにありました。

 

アリジゴクをスコップで捕えるにはこんな感じ。

 

 

飼育する場合、生息していた場所の土だと良いですね。

 

巣を作ってくれやすいですよ。

 

他の方法の捕まえ方でも、

飼育するならその場所の土を、

飼育容器に10cm敷けるくらい採取しておきましょう。

 

 

アリジゴクの飼育

 

土が気に入れば、アリジゴクはすぐ新しい巣を作ります。

 

飼育容器は、日陰の静かな場所に設置してください。

 

 

餌は週に1、2回で十分。

 

アリやダンゴムシやワラジムシを巣に落としてあげます。

 

 

冬場、餌が手に入れにくい場合は、釣り餌でもいい。

 

小さなイモムシなんかは、栄養満点でしばらく餌がいらないくらいです。

 

様子を見ながら与えること。

 

 

食べられて干からびた虫は、取り除いてください。

 

干からびたと言うのは、

体液を吸われてという意味ですからね。

 

 

もし、餌を食べなくなったら、サナギになっているかもしれません。

 

砂をはらって、確認してみましょう。

 

サナギになっていたら、

近くに10cmくらいの棒、割りばしなどを立てて刺しておきます。

 

羽化した時のために、容器に蓋も忘れずに。

 

 

ひと月ほどすると、夕方から夜の時間に羽化します。

 

 

それに、

アリジゴクみたいなマイナーな昆虫は、

あまり研究されてなかったりします。

 

小学生の自由研究の観察が、

虫業界の大発見になっちゃうことだってあるんですよ。

 

そんなことが、近年あったんです。

 

 

小学生の大発見

 

アリジゴクは、糞をしないといわれていました。

(過去形ですね)

 

羽化した時に、まとめて出すんです。

 

飼育して、羽化に成功すれば見れますよ。

 

そんな一気出しは、見たくないかもですが。

 

 

この「アリジゴクは排泄しない」

という生態ですが、

近年に間違っていたことが判明しました。

 

アリジゴクの肛門は閉じているので、

排泄しないが定説だったのです。

 

ところが2010年に、お尻から黄色い液体を出すことがわかった。

 

 

その行動を発見したのは、

千葉県の小学4年生。

 

自由研究の観察で、

世界中の学者が見つけられなかった、

新発見をしちゃったのです!

 

この発見は「アリジゴク業界?」

の世界的ニュースとなり、

今では学者も認めるところとなりました。

 

 

実は、アリジゴクはあまり研究されていません。

 

つまり、飼育中にすごい発見ができるかも。

 

あなたもアリジゴクを飼って、

生物史に名を刻んでみてはどうでしょう?

 

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アリジゴクの生態と捕獲と飼育法~まとめ~

 

名前は誰でも知っているし、

生態もよく知られ、

身近に棲んでもいるアリジゴクは、

ウスバカゲロウの子供。

 

アリジゴクっていう種類の、昆虫だと思っていませんでしたか?

 

 

地面に巣を作り、その痕跡が分かりやすい昆虫でもありますね。

 

しかし最近は、

アスファルト舗装された場所も増え、

見つけるのは苦労するかもしれません。

 

もし見つけたら、ご紹介した捕まえ方を試してみてください。

 

 

そして一度、手の平に乗せて、

その姿を見てほしい。

 

なかなか、ヤンチャそうな虫ですから。

 

 

人間に害はありません。

 

餌は、庭で調達できてリーズナブル。

 

飼うのも面白そうですね。

 

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