もしや鳥の種類?なんて思ってしまう名前を持つ「キンカジュー」。
実は、アライグマ科キンカジュー属に分類される雑食動物なんです。
名前からは、とても想像できませんよね。
しかもその姿は「サル」と見間違えるほど。
キンカジューは、中央アメリカなどに生息し、
体はイエネコくらいの大きさで、樹上で生活をしています。
そんなキンカジューですが、アライグマ科なら、
もしや家庭でペットとして飼育できたりするのでしょうか?
まず最初に販売店と値段、
その後に、飼育する際の注意点をお伝えしていきます。
目次
キンカジューの販売店と値段
ミステリアスな珍獣であるキンカジューは、
大雑把な分類では、ネコ目アライグマ科なんです。
つまりネコの仲間!
そんなキンカジューのズバリのお値段は、
約20万円~40万円くらいします。
まだまだペットとしての飼育の歴史も少なく、
情報量もほとんどない状態ですし、何よりペットショップで、
まず見つけることは不可能です。
では、どこに行くと出会えるのでしょう?
よく言われていることは、キンカジューも取り扱ったことのある、
エキゾチックアニマルの専門店を探すしか方法はないようです。
常に扱っているわけではありませんが、今のところ扱ったことのある販売店として、
「小動物専門店マリン」さんが知られています。
気になる方は、一度ショップにお問い合わせしてみると良いかもしれません。
そんなキンカジューですが、ペットとしてお迎えして、
はたして懐いてくれたり、はたまた一緒に遊べたりするのでしょうか?
どんな動物?なつくの?一緒に遊べる?
キンカジューは先ほども書いたように、
見た目は「サル」、分類は「ネコ」です。
夜行性で、日中は樹の上で休んでいます。
まるでコアラみたいですね。
そして驚くことに、キンカジューの手は、
まるで私たち人間のような形をしているばかりではなく、指紋もちゃんとあるんですよ!
思い出しました!
あの世界的セレブのパリス・ヒルトンも飼っていたペットということで、
一時期有名になりましたね。
キンカジューの体長は、約40~70cmくらいあり、
尻尾はとても長く、約40~50cmあります。
体重は約1.5~4.5㎏くらいです。
丸みを帯びた体型に、まん丸お目め、短い鼻に、丸い耳。
愛らしい事この上ないですよね!
手足は人間のようで、ちゃんと5本指ですが、
爪は長く鋭く、樹木に上りやすくなっています。
そして、体長と同じくらいある尻尾は、これまた樹木に巻き付けて上りやすいように、
長くなっているんですよ。
寿命は約20年と自然界でも長生きですが、
飼育下ではさらに長生きをすると言われています。
なんと最長で41年生きた個体も、
ホノルル動物園にいたと記録されています。
こんなキンカジューを飼育するには、いくつかの注意点があります。
サルのような生態
キンカジューは、
猫やアライグマの仲間だとお伝えしてきましたね。
だけど、キンカジューの自然下での生態は、
群れは作るし、気の上でも寝るんです。
まるでサルみたいにね。
つまり、
「サル」特有の警戒心の強さ、好奇心の旺盛さ、
という性格を持ち合わせていると思った方がいい。
どのペットでもそうですが、
人慣れし、とてもフレンドリーになってくれる子もいれば、そうでない子もいます。
特にキンカジューの場合、ペットとして飼育されるために生れてきたわけではないので、
あくまで、野生のサルと一緒に生活している感が、満載になる可能性が高く、
これはエキゾチックアニマル全般でいえることですが、
シツケで苦労することが多いです。
でもそれを耐え、忍耐強く関わっていくうちに、キンカジューも心を開き、
飼い主さんの手からエサを食べてくれるなんていう、
感動的な瞬間に出会えるかもしれません。
寒さに弱い
冬の寒さにとても弱いキンカジュー。
キンカジューが程よいと感じる温度は、
27~30℃で、この温度に保ってあげる必要があります。
ペットヒーターや保温電球などを上手に使い、
冷えないようにし、快適な空間で体調管理をしっかりしてください。
縄張り意識が強い
普段は小さな群れで集団生活をしていますが、
お食事の時は単独行動をし、エサを捕まえて食べています。
顎やのど、お腹の部分に分泌腺を持ち、
これで縄張りなどを示す役割をしています。
キンカジューの縄張りの広さは、
100~500m四方ほどといわれています。
そんなキンカジューですが、ペットとして飼育するためには、毎日のお食事が必要です。
どんなお食事をあげると良いかを知るには、
キンカジューの、野生下での食生活を知っておく必要が出てきます。
エサは何を与えるの?
先ほども触れたように、エサは雑食です。
キンカジューは、
通称でなんと呼ばれてるかご存知でしょうか?
通称を「ハニーベア」とも言い、
果物や花の蜜、ハチミツなどや昆虫や小鳥、
そして鳥の卵も大好物でよく食べます。
飼育下では、主食に果物(グァバ、バナナ、
リンゴ、マンゴー、アボカドなど)を与え、
副食にコオロギやミルワーム、卵などを食べさせてあげると良いです。
気を付けることは、いろいろな種類の果物と、
栄養価の高い昆虫をバランスよく与えることです。
飼い主さんの中には、昆虫を食べさせるのに気が引ける……
という方もおられるかもしれませんが、
昆虫は食べさせないというのは止めてくださいね。
昆虫はキンカジューにとって、
とても大切な栄養源なのです。
この他に、木の実をあげても喜びますよ。
キンカジューのお食事場所は樹木の上で、
長い舌を上手に使って花の蜜をなめるついでに、
周辺にいる蟻や昆虫を舐めて一緒に食べています。
ハチミツは大好物でよく食べますが、与えすぎもキンカジューにはよくないので、
ほどほどにしておいてくださいね。
この他、
お手軽だからとキャットフードやドッグフードなど、人口のペットフードは厳禁です。
これらのペットフードの中には、
キンカジューの健康を脅かす、好ましくない成分が多く含まれているので、
絶対に与えてはいけません。
また、水も常に新鮮なものを飲ませてあげてくださいね。
それはそうと、
キンカジューを家でペットとして飼育するには、ちょっと大変そう……と思った人には、
是非、動物園に行って、
かわいらしいキンカジューと会うことをオススメします。
飼育している動物園
キンカジューは、全国各地の動物園で飼育されています。
・のいち動物公園(高知県)
・伊豆高原 ふれあい動物園(静岡県)
・王子動物園(兵庫県神戸市)
・天王寺動物園(大阪府大阪市)
・平川動物園(鹿児島県)
・東山動物園(愛知県名古屋市)
・日本平動物園(静岡県)
・八木山動物公園(宮城県仙台市)
国内で初めてキンカジューの繁殖に成功した動物園は「日本平動物園」で、
今から40年以上も前のことです。
日本平動物園は1969年に開園し、
それ以来、様々な動物の国内初の繁殖に成功し、私たちを楽しませてくれています。
キンカジューの値段や飼育する際の注意点~まとめ~
キンカジューについてご紹介してきましたが、
実はとても悲しい歴史もあります。
キンカジューは、その黄金色の美しい毛皮のために、乱獲されたという歴史があります。
現在、キンカジューは、
ワシントン条約の「サイテス3」に属し、
採取、または捕獲を防止、および制限するための規制を、
国内で行う必要があると判断した国があるという動物です。
野生のキンカジューを捕獲するのは違反ですが、
外国のブリーダーが繁殖させた個体なら、
ワシントン条約の違反にはなりません。
ですが、珍しい動物を飼育したいという思いが、
ワシントン条約に違反し、密輸入を行おうとする人々を生み出している……
という現実もあることを、心に留めておく必要があります。