マンモスはご存知のように、昔いたけれど、
絶滅してしまったゾウの仲間。
最大級の意味を持つ言葉に『マンモス』があります。
誰もが、その今は見られない生物を、
ビッグでヘビーな最強動物だと思い描いているのではないでしょうか?
そんなマンモスはどうして滅んでしまったのでしょう?
実は近年の研究で、新たな絶滅理由が追加されたんです。
今のゾウと何が違い、本当に恐ろしい獣だったのか興味が尽きません。
しかも、最新のクローン技術を駆使して、
「マンモスを復活させる」なんて計画まで存在しています。
この記事では、マンモスの実像と復元の可能性に迫ってみましょう。
追加された絶滅理由とは!氷河期との関係
マンモスといえば、
山のような巨躯、毛むくじゃら、
長い牙で、雪原をのし歩くイメージですよね。
実はマンモスにもいくつか種類があり、
僕らがイメージするのは、北半球に広く生息し、
日本にもいたケナガマンモスのことです。
肩までの高さが3mほどで、体毛が長く、巨大な牙を持っていました。
見るからに北国仕様ではありませんか!
このケナガマンモスは、1万年程前から数を減らしはじめ、
4000年前までは、シベリアの局地で細々と生き永らえていたと記録されていますが、
残念ながら絶滅してしまいました。
絶滅は、どうやら氷河期が終わったことに原因があるようです。
1万年前に氷河期が終わり、
寒冷地を好むケナガマンモスが生き辛くなったのです。
世界が温暖湿潤になるにつれ、生息地がどんどん減ってゆき、
最後はシベリアくらいでしか生きてゆけなくなった。
さらに、その気候の変動は、
マンモスがエサとしていた植物まで減らしてしまったとも言われています。
この氷河期終焉説が、マンモスの絶滅に繋がったと分かったのは、
結構近年の発見なんですよ。
2014年に、デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが発表しました。
動画やニュース記事でも、多く紹介されいて注目を浴びてるようですね。
詳しく解説されてる動画をご紹介しておきます。
こちらです。
著作権の関係でご紹介できませんが、
ユーチューブで「マンモス絶滅理由」で検索してみて下さい。
日本語に翻訳されている、
海外で放送されたニュースが見れますよ。
その内、削除される可能性もあるのでお早目に。
加えて、以前から分かっていた絶滅理由もあります。
温暖化により、人間も農耕や牧畜などを始めるようになり、社会性が増すことで、
マンモスら大型動物が狩猟されやすくなったこと。
この2つを合わせたものが、
今分かっている絶滅理由です。
こうしてみると、
マンモスは日本でも、縄文時代までは普通に見られたことになります。
けっこう最近までいたんですよね~。
もうちょっと頑張ってくれれば、僕たち現代人もマンモスに会えたのに……
と思っていたら、
マンモスを復元するプロジェクトが計画されているそうです。
ジュラシック・パークならぬマンモス・パークは実現するのか?
クローンなどで復元可能?
絶滅種を蘇らせるという夢は、現代のDNA研究の発展で実現できるかもしれません。
シベリアでは、
状態の良い氷漬けのマンモスが数体見つかっており、
細胞の入手も、恐竜などに比べればマンモスは難しくない。
そこで、マンモスを復元させる方法があるとすれば――
① マンモスの細胞からクローンを造る。
② マンモスの細胞核をゾウの卵子に移植して、ゾウにマンモスを産ませる。
③ ゾウにマンモスのDNAを移植してマンモス化させる。
――こんなところでしょう。
このうちの①は難しいと思います。
クローンのヒツジなどが造られているのだから、
細胞さえあれば、すぐにできそうな気がするのですが、
今いる動物の複製を造るのとは訳が違うんですね。
正常な細胞ならともかく、
古くなり破損しているマンモスの細胞からクローンを造っても、
まともな生物になるとは考えられません。
そこで②と③でなんとかならないかな~という所です。
それでも、問題は山積みなんですけどね。
これから説明していくんで読み進めていって下さい。
難しいことではありますが、
DNA技術は日進月歩ですし、
新たな生物学の幕開けにもなる。
マンモスの再生プロジェクトについては、
近畿大学やロシアが発表しています。
その内容と復活のさせ方。
さらに、海外はこのニュースにどんな反応を示しているのか?
一部始終をよく解説されてる動画がありました。
ちょっと長い動画なんですけど、是非見て貰いたいです。
復元方法を見ると、現在のゾウに頼る部分が多いようなのですが、
ゾウとマンモスってそんなに近いのでしょうか?
近ければ復元もしやすいだろうし、気になります。
現代の象とは近縁ではない
まず、マンモスは絶滅した古代種で、
現存するアフリカゾウと、アジア(インド)ゾウの祖先みたいに思われがちですが、
そうじゃありません。
約400万年前、ゴンフォテリウムという動物から、
アフリカゾウとアジアゾウが枝分かれし、
アジアゾウからマンモスが派生したのです。
なんと、
現存ゾウよりマンモスの方がニューモデル!
マンモスとアジアゾウが兄弟で、
マンモスとアフリカゾウが従兄弟って感じでしょうか。
なので復元にも、より近いアジアゾウが使われそうなんですよ。
でも、これも難問山積みです。
進化で見れば、マンモスとアジアゾウは近いけれど、
人間とチンパンジーでも距離感は同程度。
近いようで、案外遠い種でもあるんです。
それに、アジアゾウ自体も絶滅危惧種に認定されています。
保護の観点から見ると、
アジアゾウを実験に使うこと自体に、反対の意見が出てきそうな感じもする。
それに、復活に成功したところで、その後はどうするの?
今の気候はマンモスには合わないはず。
気候の問題をクリアしたとしたって、生態系にも少なからず影響を及す。
こういった話しを真面目にしてしまうと、夢物語に聞こえてきますよね・・・
絶滅理由と復活プロジェクトについてはここまで。
「アジアゾウから派生したのがマンモスだ」というところまで話しを戻しましょう。
マンモスはその後、いくつかの種類に分かれ、
世界中に分布を広げてゆきます。
マンモスの種類はさまざまで、肩までの高さが1.5m弱のものから、
4m超えの巨大マンモスもいました。
日本にいたケナガマンモスも体高は3mあり、
アフリカゾウとほぼ同じ。
2.7mほどのアジアゾウよりは大きい。
冒頭で話した通り、ビッグでヘビーの代名詞となったこともうなずけます。
それだけの巨体の持ち主は、かなり強かったはず。
マンモスは強かったのか?
恐竜と違い、
マンモスは人間とも共存していた巨獣です。
皮の腰巻きをつけた原始人が、石オノを振り回して、
マンモスを追う構図は太古のお馴染風景。
しかし、人間VSマンモスは、そこまでたくさん繰り広げられたマッチなのでしょうか?
マンモスについては不明な部分も多いのですが、現在のゾウから推測する限り、
当時としても最強クラスの動物だったと思います。
でも、凶暴ではなかったでしょう。
「やるときはやる」ってタイプですね。
(所詮草食ですし)
普段は温和だけど、本気を出せば超強い。
これは今のゾウも同じ。
ライオン風情じゃ本気のゾウの相手になりません。
自然界で「デカくてパワフル」は、
単純にして絶対的なアドバンテージなのです。
この時代には、マンモス以外にも大型の哺乳類が存在していました。
マンモスを襲える肉食獣もいましたが、積極的に狙ったとは考えられません。
僕は、人間もそれほどマンモスハンティングはしなかったと思います。
もっと小型の獲物も十分いたでしょうし、リスクの高い狩りをする必要はありません。
わざわざ相撲力士にバトルを仕掛けるアホはいないもんね。
だいたい、ゾウの肉が美味だったら、ゾウはとっくに滅んでましたよ。
マンモス狩りは、勇気を示したいとか、強い生贄を神に捧げたいとか、
儀式的な、特殊時に狩るという大イベントだったのではないでしょうか。
そう考えると、
マンモスには神聖な動物という印象もあったかもしれません。
そんな太古の人間の記憶が、マンモスを枕詞みたいに使いがちな理由だったりして。
絶滅理由の追加と復活計画の進展~まとめ~
動物園でゾウを実際に見ると「でっかいな~」
と胸が打たれます。
マンモスも同じ大きさで、牙はもっと長い。
そんな巨大な動物がかつて日本にいて、闊歩していたなんて信じられますか?
氷河期が終わってマンモスは消えてしまいましたが、今も日本では化石が見つかり、
シベリアでは、保存状態の良い冷凍マンモスがまだまだ眠っているでしょう。
倫理的な話も無視はできませんが、単純な興味としては、復元に期待せずにはいられません。
復活したマンモスを見て、
「マンモスうれピー!」と叫ぶのが僕の夢なんだけど。
(古いか……)。
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