いやぁ~、グンカンドリって人気が高いんですね。
調べてみたらギャップがあって、とても魅力のある鳥でした。
こんな海鳥なんですけど・・・
飛行速度は、動物界でもトップクラス!
気流を捉え、翼を羽ばたかせない事で、滑空するように飛行する優雅な姿。
長くて独特な形状のクチバシ。
大きくて、まっ赤なのど袋。
確かに、一見すると人気者になれそうな特徴ばかりですよね。
でも、その代償のような、残念な所があるのをご存知ですか?
グンカンドリってどんな鳥でしょう。
まずは大雑把に、グンカンドリ属の特徴から見ていきましょう。
グンカンドリってどんな鳥?
海上の空で、大きな翼を悠々と広げて、
何日も長い距離を飛ぶ、大型の海鳥です。
外洋に暮らしている為、日本では 残念ながら姿を見る事はごく稀で、
あまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか?
体長は約1m、羽を広げると幅は約2mで、鳥類の中でもかなり大型ですね。
羽は黒くつやがあり、
オスは喉から胸にかけて、真っ赤な大きな袋を持っています。
メスへの求愛の時なんかは、
その真っ赤な袋をパンパンにてアピールするんですよ。
私達、人間から見ても、とても印象的ですよね。
鳥に詳しくない人でも、
この真っ赤な袋が脳裏に焼き付いて、姿形だけなら知っている人も多いでしょう。
メスの胸は、白い羽でおおわれており、喉袋はありません。
クチバシは長めで、先端は下に曲がっていて、
捕まえた獲物をしっかり咥えられるようになっています。
尾はツバメのように両端は長く、中央が短い形をしており、
飛行術に長けた鳥だな・・・
という事が伺えます。
種類と生息地
グンカンドリの仲間は、主に5種類います。
●アメリカグンカンドリ
●オオグンカンドリ
●コグンカンドリ
●シロハラグンカンドリ
●メスグログンカンドリ
寿命は平均25年位で、
全世界の熱帯、亜熱帯の海に広く生息しています。
特に太平洋、インド洋あたりに、広く生息しているようですね。
南米や大西洋にも生息していますが、一部の限られた地域になるようです。
この中で、コグンカンドリはやや小さめですが、
あとの種は、ほぼ大きさは同じです。
次は、その5種類の中から、代表格の2種類について見ていきましょう。
オオグンカンドリ
グンカンドリ属の中では一番広く分布していて、
生息数も1番多い、グンカンドリの代表格のような種です。
ガラパゴス諸島より、ユーラシア大陸側、太平洋側に広く分布しています。
日本にも迷鳥として、訪れることもあるようですよ。
アメリカグンカンドリ
ガラパゴス諸島よりアメリカ大陸側、大西洋側に生息しています。
オオグンカンドリとは逆方向ですね。
他のグンカンドリより、さらに沿岸部に棲んでいるのも特徴の1つです。
ちなみに、アメリカグンカンドリも迷鳥として、国々を訪れますが、
日本で見かけたという情報はありません。
生息域に近い、大西洋に面した国々の、スペインやイングランドなどで、
迷鳥として見かける事があるようです。
ところで、オオグンカンドリとアメリカグンカンドリは、
生息域が被らないように感じました?
まあ、確かにほとんど被らないんですけども、
若干は被るんですよ。
さっきから引き合いに出していた、
ガラパゴス諸島なんかがそうです。
実は、ガラパゴス諸島に生息するグンカンドリも、
この2種類だけなんですよ。
生息しているというか、
グンカンドリって、繫殖期は島で過ごすんですね。
その時期に、ガラパゴス諸島あたりが被るという事です。
ちなみに、ガラパゴス諸島の場所ってどこかと言うと、
北米と南米を繋ぐ、細い部分がありますよね。
その近海の諸島で、太平洋に位置してますよ。
では、話をグンカンドリに戻しましょう。
そんなグンカンドリですが、やはり関心が高いのは、
飛行速度と、羽ばたかずに滑空する優雅な姿ではないでしょうか。
次は、グンカンドリの飛行について見ていきましょう。
飛行速度
グンカンドリは、飛行速度もさることながら、
他の鳥と比べると、かなり高い所を飛んでいるんですよ。
それは何故かというと、気流を捉えるためにですね。
一度気流にのることが出来れば、羽ばたかないで済みます。
それによって、体力の温存ができ、
長い距離を飛行することが出来るようになっているのです。
飛行速度に関しても、鳥類の中では群を抜くほどです。
鳥類最速決定戦に興味がある人なら、
常にエントリーされているのでご存知でしょう。
鳥類の飛行速度の計測の仕方は難しいらしく、
尾ひれがついてしまっている情報も多いらしいですね。
調べてみても、どう難しいのかは分からなかったですけど。
ゴリラの握力みたいに予測みたいなことなのか?
分からないんで、詳しい方にコメント貰えると嬉しいです。
それでグンカンドリの飛行速度ですが、諸説ありますけど、
急旋回や急降下をする時は、
時速400kmにもなると言われています。
(調べた中では最速なので、尾ひれがついた方の情報だと思いますが)
500系の新しいタイプの新幹線は、時速300kmだそうなので、
黒くて大きなグンカンドリに、このスピードで追いかけられた鳥は、
ケガしないうちに、飲み込んだ魚をさっさと吐き出して逃れたいと思うでしょう。
と言うかですね・・・
グンカンドリは実際のところ、
そのずば抜けたスピードで追いつき、他の鳥から獲物を吐き出させたりします。
(人間でいったら、喝上げになりますね。)
最速クラスの飛行速度、気流を捉えて優雅に滑空する姿には、
当然そうなった理由があるのです。
弱点やリスクが存在するんですね。
ちょっと残念なところ
グンカンドリは、海鳥と言われていますが、
実は羽には防水性がありません。
さらには、大きな体の割りに足が小さいんです。
なので、陸上を歩くのも得意ではないんですね。
要するに、海鳥なんだけど、
水に浮かぶ事も、潜って獲物をさがす事もできないのです。
波に捕らわれてしまったら、
溺死してしまうケースが大半なのだとか。
でも一応、水搔きは持っているんですよ。
(泳げなくても海鳥ですから)
見ても、よく見ないとわからない程度なんですけどね・・・
おそらく、進化の過程で必要なくなったのかも知れませんね。
泳げない上に、歩くのも下手。
海洋に生息する海鳥にとって、致命的なように感じます。
ペンギンも海鳥なので、
その逆進化と考えれば、そうでもないのかも知れないけど・・・
ただ、これらの弱点は、海鳥である以上、
ペンギンよりも致命的だと、僕は感じてしまいます。
海との相性が悪いからと言って、餌を取らないと生きていけませんから。
そこで役に立つのが、グンカンドリの大きな体と、高い飛行能力という訳なんですね。
波打ち際や、水面近くにいる魚や、
イカなどを自力でとる場合もありますが、
漁が上手な、他の鳥から奪い取るという方法が、
グンカンドリの食料調達の手段なのです。
それと、繫殖能力も優秀とは言えないんですね。
繁殖期になると、島に集団で巣を作ります。
メスは、体の割には大きめの卵を1個産み、
生まれたヒナが繁殖できるようになるまで、
約7年もかかるそうです。
この効率の悪さは、
1個体が簡単には死ねない要因になっているかもしれません。
「他の鳥を襲ってでも食べて生きる」
という、強い意志の要因のような気がします。
人間の道徳観から見てしまうと、
「それ ちょっとどうなの?」
と思われるかもしれませんね。
ですが、野生生物の世界では、餌が取れなければ即生死に関わります。
現在のグンカンドリのライフスタイルが このように受け継がれているのは、
そうしなければ、
生きて子孫を残していく事が難しかったのでしょう。
グンカンドリの長所と短所~まとめ~
日本ではあまり親しみがないグンカンドリについて、特徴などをご紹介しました。
日本の外洋でも、稀にグンカンドリが観測される事があるそうです。
大抵は、まだ飛ぶ事が未熟な若鳥が、
台風などで、強い風に流されて、
迷い鳥として観測されるようですよ。
大きくて強くて早いのに、泳げない潜れない・・・
と、ちょっとアンバランスな特徴をもったグンカンドリに、
少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。