知ってます?
カラスって、羽の生えた類人猿って言われているんですよ。
鳥類じゃなくて類人猿だったの?ってツッコミたくなりますよね?(笑)
当然そんなわけないんですが。
あくまで、知能の高さを表現したい、物の例えです。
でもやはり、知能はかなり高いようですね。
それは実験でも明らかになっていて、他の生物とは一線を画します。
今回は、その秘密を解き明かしていきましょう。
他の鳥獣との違いはどこにあるのか?
なんと、脳の仕組みが違うというのです。
まずは、そんな頭の良さを測る実験から見ていきましょう。
カラスの知能はどれ位
カラスの知能を測る実験の中から、まず1つ目。
カラスの好物の、クルミを使った実験からです。
私たち人間もクルミは好きですよね。
しかし問題は、あのとっても堅い殻。
あれは「くるみ割り」なるものなどを使って割らないと、
歯では到底太刀打ちができません。
頭のいいカラスはどうしていると思います?
実は、自分で割らずに、我々人間に割らせているカラスがいるのです!
何と、道路にクルミを置いて車に割らせている!!
中には、交差点の信号が赤になってから、道路にクルミを置き、
車がその上を通過して実が割れたら、中身をちゃっかり回収するカラスさえいます。
そのカラス、信号が再び赤に変わって、車が途絶えないと道に降りてこないのです。
そうすれば車にひかれる心配がない!
何と頭がいいのでしょうか。
さらに、信号の赤と青の意味も理解している!
驚きですね。
さらに、このような実験があります。
餌を取りにくいところに入れて、近くに針金を置いておく。
するとカラスは、この針金を曲げて、フック状の道具を作り、
餌を引っかけて取り出して食べたのです!
私たちは学校で
「道具をつくって、それを使うのは、我々類人猿の大きな特徴である」
なんて習いませんでしたか?
人間くらいにしかできないようなこの高レベルの行動を、何とカラスはやってのけた!!
スゴイですよね。
これら以外に、
カラスはパズルを解いたり、人の顔を認識したり、
さらには、他の動物にイタズラをしようとしたりします。
このようなスゴイ知能をもつことから、
カラスは「羽の生えた類人猿」とさえ呼ばれています。
このカラスの知能、ある研究によると、
チンパンジーと同じレベルとか。
何とゴリラよりも賢いそうです!
鳥類の中では、
抜きん出て頭がいいと言われるカラス。
それどころか、ゴリラを上回り、チンパンジー並みの知能を持つカラス。
鳥でありながら、どうしてこんなに賢いのでしょうか?
カラスの脳と賢い理由
初期の人類である猿人の脳は、約500mL。
これはゴリラと同じくらいです。
猿人より少し進化した原人では、
約1000mL。
ネアンデルタール人や、ヒトの直接の祖先である、ホモ・サピエンスでは、
約1500mL。
このように見ていくと,
「脳が大きいほど進化している」
とか「脳が大きいほど頭もいい」と断定しがちですよね。
本当にそうなのでしょうか。
バンドウイルカは、
人と同じくらいの約1.6kg。
ゾウは何と人の3倍。
マッコウクジラに至っては、人の5倍なのです!
ですから、「脳が大きいほど賢い」というのは、
動物の種が違えば、どうも当てはまりませんね。
ちなみに人類は古代より、
思考や感情のコントロールに関わる、大脳皮質の前頭前野、
という部分を発達させる進化をしてきました。
そこは、おでこの部分なので、だから人間の脳は前のめりになっています。
現在の研究によると、
知能の善し悪しは、脳の大きさよりも、
大脳のニューロンと呼ばれる神経細胞の密度や、
ニューロン間の、ネットワークの複雑性などが関わっているのではないか、
と考えられているようです。
カラスの大脳のニューロンの密度は、
霊長類の2倍であることが分かっています。
これにより、人間よりも遥かに小さな脳でも、
カラスは賢いのかもしれない。
それにもしかしたら、
進化と神経細胞の密度は、関係しているのかも知れません。
現に、医療のリハビリや、運動神経の良し悪しなんかも、
反復練習によって、神経細胞を増やすことが目的です。
人間の個々の、思考の癖なんかもそうなんですよ。
良くも悪くも、継続は力なりですね。
また、哺乳類では、大脳皮質が知能と密接に関わっていますが、
鳥類の場合、
皮質ではない層構造になっている部分が知能に関係している、
という研究データもあるらしいのです。
でもそれが、どういった研究だったのかは、調べても見つかりませんでした。
調べてみて分かった事というと・・・
鳥類は飛行するので、
運動能力に関わる小脳が発達している。
鳥類は視覚に頼るところが大きいので、
眼球運動に関わる中脳が発達している。
ということは分かったのですが・・・
鳥類の知能に関係している脳の層と言うのは、
大脳皮質の内側にある、これらの脳の発達の事を言っているのでしょうかね?
定かではありませんが、
カラスの頭がいいのは、このような脳の構造にもよるのかもしれません。
「脳の大きさと知能レベルには関係がある」
とは、異なる種においては断定できないと述べてきました。
では、種が同じ場合はどうなのでしょうか。
また、このカラスの脳は、他の鳥類と比べると、どのような違いがあるのでしょうか。
他の鳥類と比較
ハシブトガラスの脳は10.7g、アヒルは6.2g、ハトは2.3g、スズメは1.2gというように、
カラスの脳は、鳥類の中で最大の大きさをもっています。
また、大脳と脳幹
(脳のうち大脳・小脳以外の部分)の比率は、
ハシブトガラスが6.1、アヒルが2.9、
ハトが1.6、スズメが3.4というように、
脳のうち、大脳の占める割合も最も高くなっています。
ですから、
鳥類の中で最も頭の良いとされるカラスを、他の鳥類と比較すると,
種が同じなら、脳の大きさや大脳の占める割合が大きいほど、
知能も高くなるようにも思えてしまいますが…。
どうなのでしょう。
でも、これなら理解しやすいですけどね。
知能の高い人間は、大脳が発達していますから。
なお、カラスはニワトリの半分の体重しかありませんが、脳の重さは3倍です。
また、ニューロンの密度は何とニワトリの6倍もあります!
では、体の大きさに対する脳の比率はどうなのでしょう。
カレドニアガラスという、小型のカラスの脳は、
わずか7.3gほどですが、脳は体重の2.7%を占めています。
これに対し、人間の成人では1.9%です。
体重に対する脳の割合は、人間よりも大きいのですね。
でも、これに関しては、答えがあるように思えます。
その答えとは、
飛行する鳥類は、体重を減らす進化をしてきたからです。
骨密度がないんですよ。
体重を減らすために骨の中が空洞なのです。
だから簡単にポキっといっちゃう。
ある意味凄い進化です。
生物自体が空を飛ぶというのは、これ程にリスクが必要なのですね。
さらに、知能に関係している事がもう1つあります。
渡り鳥よりも留鳥の方が、知能が高いとされてるようですよ。
それで、カラスはどうなのかと言うと、留鳥なんですね。
渡り鳥ではないんです。
我々人間は、他の動物を、知能の低いものと軽んじているのではないでしょうか。
「猿の惑星」という映画のように、
戦争ばかりしていれば、他の動物に地球を支配されるようになるかもしれません。
それがサルではなく、カラスに支配されるということも、あり得るのでは!?
カラスの脳と賢い理由~まとめ~
人間の生活圏内で、共に暮らしているような身近なカラス。
数字を6まで認識できたり、水道の蛇口を開けて水を飲んだりと、
意外に賢い動物です。
脳の構造に、その理由が隠されているようですが…。
都会のゴミをあさったり、時に人間を襲ったりすることもあるカラスですが、
頭がいいので、敵に回すとやっかいな存在です。
しかし、餌を与えると近づいてきたり、
肩に乗ったり、美しい石などをプレゼントしてくれたり、
人間になつきやすい性質も持っています。
実際に、ペットとして飼ってる人もいるようで、何とか仲良く共存していきたいものですね。
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