ミミズクとフクロウの違いは羽角じゃ曖昧!和名の歴史に迫る

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フクロウとミミズクの違いは、

一般的に、羽角(うかく)の有り無しと言われています。

 

調べれば、真っ先に出てきますよね。

 

 

だけど、これだと少し大雑把なんですよね。

 

厳密に言うと、ちょっと違うんですよ。

 

フクロウとミミズクって和名で、

大昔に出来た、日本ならではの名前じゃないじゃないですか?

 

実は、今となっては、

結構いい加減で、意味のない分け方だったりしてます。

 

 

その証明の解説と、じゃあ起源は何処なのか?

 

それらの疑問を深掘りしていきます。

 

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見た目の違い!羽角の有り無し

 

まず、耳のように見える羽角があるフクロウを、

「ミミズク」と呼び、

それ以外は全部「フクロウ」と呼んでも、

大きな間違いはないかと。

 

 

他には、コノハズクと名の付く種類もいますよね。

 

コノハズクにも立派な角羽があります。

 

ミミズクとの違いはなんなのか?

 

 

コノハズクと名が付くものには小型な種が多く、

ミミズクと名が付くものには大型の種が多いらしいです。

 

厳密に言うとですが、

分類上は、ミミズクもコノハズクも、フクロウに含まれますよ。

 

フクロウは総称で、ミミズクとコノハズクは、

その特徴から、呼び名を細分化しただけということになります。

 

 

どうですか?

 

理解が早い人、勘が良い人はもうお気付きでしょう?

 

「ズク」って羽角のことを指してるんじゃない?

って思ってますよね?

 

 

これから解説していきますが、先に答えだけいってしまうと、

半分正解で、半分間違ってます。

 

だって、そしたらミミズクって名前が、

同じ意味の、耳を指している繰り返しになっておかしいですよね。

 

じゃあ「ミミ」って何?

ってなります。

 

 

今すぐ、簡単に説明するのは難しいんですけど「ズク」の由来のせいです。

 

フクロウもミミズクもコノハズクも、どれも和名ですよね。

 

その由来が原因?

というか、現在の認識とは違ってしまっているんで、ゴチャゴチャしてるんです。

 

 

羽角とはそもそも何なのか?

 

羽角の有り無しについてから、詳しく見ていきましょう。

 

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耳じゃない!羽角の正体

 

実は、羽角は耳のように見えるだけであって、

耳ではありません。

 

本当の耳は、目の横にあります。

 

しかも、右耳の方が少し下にあって、高さが左右でずれているんです。

 

 

これには理由があって、音を立体的に捉えるためと言われています。

 

ネズミが地面の下を移動する、微かな音すら聞き漏らさないのです。

 

だから、暗闇でも居場所を特定し、捕らえる事ができるのでしょう。

 

 

次に、羽角は何のためにあるのでしょうか?

 

メスへのアピールをする時に使う?

敵を威嚇する?

 

 

実は、正確な答えはまだ解明されていません。

 

近い将来、ミミズクの羽角の謎が明らかになることを祈りましょう。

 

 

羽角のあるのがミミズク、他はフクロウ・・・

 

ざっくりと区別するならそれでもOKなのですが、

この法則に当てはまらない種類もいます。

 

 

え~っ!

なんて言わないで下さい。

 

この例外を押さえておけば、

きっとあなたの鳥知識の幅が広がりますよ。

 

 

何種類か例を挙げてご紹介しましょう。

 

 

羽角の有り無し!例外もある

 

はじめは、

北海道の森の奥に棲むシマフクロウです。

 

フクロウと名が付いていますが、立派な羽角があります。

 

<シマフクロウ>


YOKO.Mさんによる写真ACからの写真

 

因みに、シマとは北海道のことを指し、

横じま縦じまのシマではありません。

 

 

羽を広げると、

2mにもなる世界最大級のフクロウ。

 

古代の人々から、

神として大事にされてきたフクロウで、

予備知識がなくても、その姿は堂々たる風格がりますね。

 

 

 

次はコミミズクを見てみましょう。

 

体長33cm~40cmの大きさで、

世界中に広く生息している、ポピュラーなミミズクです。

 

 

ん!?

40cmもあったらそんなに小さくないよね?

 

何故コミミズクなのだ?

と不思議に思われた方・・・

 

実は私も、最初にこの記述を読んだ時、同じ事を感じました。

 

 

よく読んで見ると、小さいのは体型ではなく、

羽角の事だったのです。

 

<コミミズク>


toraemonさんによる写真ACからの写真

 

一見したところ、羽角はありませんよね。

 

でも、よーく探すと、実は小~っさい羽角らしきものがあるのだそうです。

 

 

「小耳ミミズク」というのが本当なのですが、

全部カタカナにすると「ミ」が4つになって、

語呂も良くないし、言いにくい・・・

 

という事でコミミズクに落ち着いたそうです。

 

 

和名をつけるという事にも、こんなドラマ(笑)があったのですね。

 

 

ちなみに、

英語名はShort-eared Owlで、

和名をつける事にご尽力された方々には、

大変申し訳ないのですが、英語名の方がわかりやすいです。

 

例外はあっても、羽角の有る無しで呼び名を分けているのは、

どうやら日本だけのようですよ。

 

 

羽角ついて、有り無しと、名前との関係性について見てきました。

 

ちょっと、羽角説が崩壊しかけてきましたね。

 

次は、羽角以外にも、

フクロウとミミズクには違いはあるのか見ていきましょう。

 

 

ミミズクとフクロウ!値段や寿命に違いはある?

 

まずは、値段に違いはあるのか検証してみます。

 

最近は、フクロウカフェなども出来て、

空前のブームになってますよね。

 

買おうとしたら、

フクロウとミミズクで、値段に違いは出てくるのか見てみましょう。

 

 

値段の違い

 

まずは、フクロウから見ていきます。

 

 

お店によっても違いがあると思いますが、

小型のヨーロッパコノハズク(15㎝~20㎝)で、15~25万円くらい。

 

中型のアフリカワシミミズク(35㎝~45㎝)30万円くらい。

 

ハリーポッターで人気者になった、

大型のシロフクロウ(50㎝~65㎝)は、

30~60万円くらい。

 

もっと大型の、

シベリアワシミミズク(58㎝~75㎝)だと、

100万円もするらしいです。

 

 

フクロウにしろ、ミミズクにしろ、コノハズクにしろ、

大きい種類になると、値段も高くなって行くようですね。

 

次に、寿命に違いはあるのか見てみましょう。

 

 

寿命の違い

 

種類や大きさによって違ってきますが、

野生のフクロウは、

小型種で8年、大型種で20年くらいだそう。

 

フクロウにしろ、ミミズクにしろ、

大型の種は長生きするようです。

 

飼育されている個体だと、

50年以上長生きしてくれる可能性もあるらしいですよ。

 

 

健康でいてくれるのは嬉しい事ですけどね~。

 

ただ50年となると、

フクロウよりも先に、飼い主が病気になったり、亡くなってしまうという時の事も、

考えておかなくてはならないでしょう。

 

 

さらに、飼うとしたらの補足ですが、フクロウは猛禽類です。

 

野生では、自分より大きなワシやタカを襲って、

食べるフクロウだっている程。

 

犬や猫、一般的なコンパニオンバードのような、

専用のフードはないんだそう。

 

 

お肉屋さんで売っているお肉だけでは、

補えない栄養が、生き餌にはあるようで、

フクロウを飼っている愛好者さんは、

猛禽類の生き餌を扱っている業者さんから、

ネズミ、ウズラ、ヒヨコ、昆虫などを、エサ用に買って与えているそうです。

 

初めて飼う方には、相応の覚悟と準備が必要そうですね。

 

 

フクロウ、ミミズク、コノハズクの違いついて、

ここまで読んでみてどうでしょう?

 

羽角の有り無し、大きさの違いくらいしかありませんでしたね。

 

しかも、それも区別を付けるのに決定的なものではない。

 

 

肝心な、名前の違いも解決されてませんしね。

 

そろそろ真相に迫っていきましょうか。

 

 

分類的には同じ!名前の違いは何処から?

 

ミミズクとフクロウ、

前述の通り、羽角の有無で、分類的には区別されていません。

 

シマフクロウとコミミズクの時に説明しましたね。

 

日本だけ、呼び方が違っているというだけで、

世界共通の学名には反映されていません。

 

 

ミミズクもフクロウも、獲物にするのは、

主にネズミなどの小動物や昆虫。

 

その生き物たちが生息する、森の生態系の頂点にいるのが、

フクロウなどを含む猛禽類です。

 

食べ物がほぼ同じなら、生息している地域も似かよってくるはずです。

 

 

別の見方をすれば、

ミミズクとフクロウを、同じ鳥として一つの名前にしなかったのは、

日本独自の文化なのかもしれません。

 

昔々の日本に視点を移して、ミミズクとフクロウを考えてみましょう。

 

 

名前の由来

 

実は、日本の古い文献には、まだ区別していなかった頃の記述があり、

両方とも「ズク」と呼んでいたそうです。

 

今で言う、総称のフクロウが「ズク」になっていたんですね。

 

羽角のある種類を、耳のあるズクで、

ミミズクということだったのです。

本来は!

 

 

しかし、べつの記述を読むと、その意味を時代を経てすっかり忘れて、

羽角の事をズクと呼んでいたともあります。

 

ズクも耳を意味して、ミミも耳を意味してる?

 

なんか変だけど、

こっちの方で広まってるというか、一般的なのはしょうがないですね。

 

 

また、別の説では、古代中国の伝説でスク、又はツクという鳥は、

父親、母親を食い殺す習性があり、

不吉であり忌み嫌われたんだとか。

 

 

今は情報社会で、

ネットで何でも調べることが出来、

小学生からプログラミングまでやる時代ですが、

当時は、読み書きが出来る人も限られていました。

 

夜になれば月と星だけが光る闇の中、

低い声で「ホーホー」と鳴かれると、

小さい子供たちは、声の主の正体が分からないから、

尚のこと恐ろしく感じた事でしょう。

 

 

とんでもない濡れ衣を着せられたフクロウも、

気の毒ですが、

時代が進み、フクロウの不吉な伝説も忘れられて、

様々な漢字が当てられるようになって行きました。

 

不苦労、福来、富久朗、

など語呂合わせによって、少しずつフクロウ人気は高まり、

情報を早く得られるという事に結び付けて、

ミミズクも好まれるようになったのです。

 

 

なぁ~んだ、ダジャレじゃん。

と思った方!

 

まだまだお若いですね!!

 

日本には言霊(ことだま)という考え方があり、

平安時代の文学作品も現代のラップもそう。

 

どの時代の人々も、

言葉や歌詞、呼び名などにラッキーワードを当てはめて、

希望が現実になる明るい未来へと、言葉を紡いでいくのだと私は思いますよ。

 

 

最後に、

日本には、世界中に218種生息しているフクロウの仲間のうち、

11種が住んでいます。

 

短い解説を挟みながらご紹介していきましょう。

 

 

日本に生息している11種

 

1・シマフクロウ


Toshi 1957さんによる写真ACからの写真

 

前述で紹介した、北海道の知床の奥地に生息しているフクロウです。

 

絶滅危惧種で、フクロウと名が付きますが、大きな羽角の持ち主です。

 

 

2・シロフクロウ


Volker GlätschによるPixabayからの画像

 

ハリーポッターの親友として登場する、真っ白なフクロウです。

 

全身白くなるのは、現実の世界ではオスだけなのですが、

映画では、メスのフクロウという設定になっています。

 

フクロウの仲間のほとんどが夜行性ですが、

雪深い所に暮らすこの種は、昼間でも狩りをおこないます。

 

 

こんな神秘的なフクロウが、日本にもいるなんて、ちょっと感激ですね。

 

 

3・ワシミミズク


旅先の写真家さんによる写真ACからの写真

 

大型のフクロウ。

 

睨まれたら、かなり怖い迫力ある風貌です。

 

 

4・トラフズク


Gabriela FinkによるPixabayからの画像

 

40cmくらいの大きさで、

長めのカッコイイ羽角の持ち主です。

 

 

5・コミミズク

 

これも紹介したやつですね。

 

ミミズクと名が付きますが、羽角は殆ど何処にあるか分かりません。

 

小耳のミミズクだから、コミミズクですよ。

 

 

6・コノハズク

 

敵が来たら擬態で隠れます。

 

体の模様が、木の肌のような小さなミミズクで、

「木の葉に隠れられるかも」

というのが名前の由来だそうです。

 

 

近年まで、ブッポウソウと鳴いているのが、

コノハズクだと分からなかったとか。

 

ブッポウソウという名前の、別の鳥がいるということですからね。

 

これが、ブッポウソウです。


toraemonさんによる写真ACからの写真

 

今は、ブッポウソウは姿のブッポウソウ、

コノハズクは声のブッポウソウとして、広く知られるようになってきました。

 

 

7・リュウキュウコノハズク

 

夜、九州の島の森に「コホッコホッ」

という鳴き声がしたら、

これが、リュウキュウコノハズクのオスの声だそうです。

 

分布は、日本だと九州と沖縄、

海外だとフィリピンと台湾にもいるされています。

 

数が減ってきていて心配です。

 

 

8・オオコノハズク

 

コノハズクの種類を見分けるのは、難しいとされています。

 

だけど、オオコノハズクは見分けるポイントがあるんだそう。

 

 

それは、だそうですよ。

 

オオコノハズクだけは、

瞳の外側の色(光彩)が、鮮やかなオレンジ色をしているので、

他のコノハズクの黄色い光彩との違いで、見分けられるそうです。

 

コノハズクの動画と見比べてみて下さい。

 

 

丸い、大きな目も特徴的です。

 

微妙な大きさの差は、離れていると分かりにくいですが、

色の違いならイケそうですよね。

 

 

9・キンメフクロウ


Vilve RoosioksによるPixabayからの画像

 

小さなフクロウで、

光彩の色が金色だからキンメ(金目)

 

大型のフクロウが通れないような、

狭い隙間を飛び、棲み分けているそうです。

 

 

10・アオバズク


n**********************pさんによる写真ACからの写真

 

体長は30㎝位で、

アオバズクも羽角がないミミズクです。

 

日本が、青々とした新緑に包まれる頃に渡ってきます。

 

 

フクロウの狩りが見事なのは、優れた視覚と聴覚をフル活用しているからです。

 

だけどアオバズクは、獲物を目で確認する事に、重点を置いているんだそうです。

 

そのため、他のフクロウたちよりも、

若干、顔が平たくないのだとか。

 

 

進化って本当に面白いですね。

 

 

11・フクロウ(ウラルフクロウ)


ジョーナカさんによる写真ACからの写真

 

日本で一般的に見られる、ごく普通のフクロウで、

英語名がウラルフクロウで、和名はフクロウ。

 

ただ単に「フクロウ」と言ったら、

このウラルフクロウを指すそうです。

 

とてもシンプルで、穏やかな表情をしています。

 

 

日本全土に広く分布していて、

北に棲んでいる個体の方が、体の色が白っぽくなるんだそうです。

 

雪がある場合は、

白い方が保護色になって、獲物に気付かれにくくなるからですかね?

 

気の遠くなるような長い年月をかけて、

地域に適した、白い羽の遺伝子が受け継がれてきのでしょう。

 

 

改めて、大自然の凄さを感じました。

 

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フクロウとミミズク!和名の真相~まとめ~

 

結局のところ、和名に限った話ですが、

羽角の有無で呼び方を変えたという事以外は、

大きな違いは無かったですね。

 

しかも、それも大雑把な印象でした。

 

フクロウなのに羽角があったり、ミミズクなのに羽角が目立たなかったり。

 

 

「羽角は何のためにあるのか?」

という疑問も残ったままです。

 

この謎は、心のどこかにしまっておくしかないでしょう。

 

50年前は謎だった事が、

50年後には誰もが知っているというケースはたくさんあります。

 

驚くような疑問の答えを、みんなで共有できる日が訪れると良いですね。

 

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