狼と犬の違いはハッキリしている!しかし進化は謎のまま!

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「狼と犬は似ている」

これは誰でもわかりますよね。

 

では「狼と犬の違いは?」

この質問にきちんと答えられるでしょうか?

 

 

「狼と犬は似ていても違う」

のはわかる。

 

区別もつく。

 

でも、どこがどう違うのかはっきりしない。

 

 

「違うような、違わないような……」

って感じじゃありませんか?

 

動物界のゲシュタルト崩壊ですよ。

 

 

狼と犬。

改めて考えると、

その境界線はとてもあやふや。

 

わかっているようで、上手に答えられない。

 

ここでなんとか白黒つけちゃおうじゃありませんか!

 

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狼は犬の祖先なのか?

 

多くの人はこう思っているはずです。

 

「野生の狼を人間が飼い慣らし、改良したものが犬」

 

これは半分正解です。

 

 

僕たちが知っている犬のほとんどは、

人間が飼いやすいように、

利用しやすいように、

あるいは可愛いように、作ってきたもの。

 

犬は人工的な動物なのです。

 

 

しかし、狼を飼い慣らしたわけではありません。

 

身近な犬ですが、その出自は生物学の大きな謎なんです。

 

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狼と犬の複雑な関係

 

まず、

「狼が犬の直系の祖先」

なのかはわかっていません。

 

可能性は高いでしょう。

 

実際、

「犬の特徴が強い狼」

の化石も見つかっています。

 

 

このことから、

・最初に狼がいた。

・狼の中から、犬らしい狼が派生した。

・人に飼われて、完全な犬となった。

というストーリーが成り立ちます。

 

 

狼から分かれた「犬っぽい狼」がいた。

 

とりあえず「狼´(オオカミダッシュ)ってことにします。

 

その「狼´」が飼いやすかったので、家畜化したらしいのです。

 

 

では「狼´」とは何者だったのか?

 

これがわからない。

 

 

イメージが近いのは、

オーストラリアのディンゴでしょう。

でも、ディンゴは犬とも狼とも違います。

 

もちろん、

ジャッカル、コヨーテ、ドールも近いけれど、独立した種です。

 

どれも似ているようで違う。

狼´は今も不明です。

 

 

だから、狼´がどれほど本家狼と近かったのかも謎。

 

かなり違っていたら、犬と狼は別流派になってしまうんです。

 

これが、犬の祖先をわかりにくくしている。

 

根本的なことなんだけど重要で、

それによっては話が変わってきちゃう2択ですよね。

 

 

イヌ科の進化と、

イエイヌと人類との関わり・・・

これって、

人類の起源と同じくらい歴史が深く、

解明しきれていない領域なのです。

 

 

 

狼族は明らかに近い種なのに、どこがどう繋がっているのか判断がつかない。

 

おそらく交雑の結果でしょう。

犬と狼も交配が可能ですから。

 

いろいろミックスされて「狼´」が生まれたのかもしれません。

 

 

狼族家の一族は、家系図が複雑。

 

つまり、

狼の血を、犬が受け継いでいるのは間違いないとしても、

血の濃さがはっきりしません。

 

狼は「犬の祖先」だけれど、

「犬の直系」とは言い切れないんですよ。

 

 

 

一応、2022年時点での研究では、

タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)が、

祖先として有力らしい。

 

犬と一番近いかもしれない?

つまり、姉妹関係にあるようなのが、

タイリクオオカミの亜種である、

ニホンオオカミらしいです。

 

犬の進化については、ダーウィンも白旗をあげています。

それ程に謎なのです。

 

 

謎だらけ!犬の進化

 

犬には、狼に似ても似つかないやつもいますよね。

 

小型犬など、とても狼の血を引いているとは思えません。

 

 

犬はたしかに多様な動物です。

 

大きさもまちまち。

 

フサフサもいれば、ほとんど毛がないのもいる。

 

垂れ耳に立ち耳、長い顔に丸めの顔、毛色もさまざま……。

 

 

狼なんか、

どこの狼でもパッと見違いもわからないのに。

 

 

犬の改良には、人間の手が加わっています。

 

人為的なら、多種多様でも理解はできる。

 

でも、狼みたいな動物をこねくりまわしたとして、あんなに違う見た目に変えられるんでしょうか?

 

 

姿の変化は長い時間をかけておこる。

 

これはダーウィン進化論の原則です。

 

数百万、数千万という年月が必要。

 

 

それなのに、現在のところ、

「犬が現れたのは数万年前」

とされている。

 

事実、見つかっている最古の犬の化石は3万5千年前。

 

ネアンデルタール人が、

住んでいたとされる洞窟で見つかった、

イヌ科の化石です。

 

狼らしさを少し残している化石で、初期の犬と考えられるので、

犬歴史も、たぶん5万年より古くないと思います。

 

 

倍の10万年にしても、これほど形が変わるのは進化論で説明がつかない。

 

ダーウィンも、

「犬の進化なんか永遠にわからんわ!」

と匙を投げちゃった。

 

このように、存在が謎の犬。

 

ですが、狼とはきっちり線引きされている。

 

 

次項では、犬と狼の違いはどこなのか見ていきましょう。

 

 

狼と犬はここが違う!

 

犬と狼の決定的な違い。

それは、人間との距離といえるでしょう。

 

犬は飼い犬であれ、野良犬であれ、人間への依存度が高い。

 

狼に比べれば、

犬なんて温室育ちに過ぎません。

 

 

こうした暮らしの違いが、生態や性格の差になっています。

 

 

性格

 

犬は人懐こく、狼は人を嫌う。

これは皆さん共通のイメージだと思います。

 

実際に、狼は完全に飼い慣らせないといわれます。

 

 

生後すぐに人に飼われた狼は、多少穏やかな性格になりますが、

犬の従順には敵いません。

 

犬のDNAには、

「人間にゃ従っておけ」

と刻まれているのかも。

 

人の近くで進化してきた犬ならあり得ます。

 

 

狼は人を嫌うのではなく、

無関心なようです。

 

目も合せないし、

吠えることもほとんどない。

 

 

人間ありきの犬。

人間に興味のない狼。

 

そう分けていいでしょう。

 

 

骨格

 

野生で揉まれている狼は、がっしりした体型です。

 

頭部が大きく、首も太め。

全体的にドッシリした印象です。

 

 

ただ、足は犬より長く、

関節の可動域が広い。

つまり歩幅が大きい。

 

走ることに関しては狼が上です。

 

この差は、食性の違いが原因でしょう。

 

 

食性

 

犬は人から餌を与えられる。

野良犬でも、人間社会にいればゴミを漁ればいいことです。

 

狼は狩りをしないとなりません。

獲物を長い距離追うこともあります。

 

 

走り続ける強い骨と筋肉は不可欠。

骨太にしっかり肉がついているので逞しい。

 

なんでも食べる雑食性も、犬に勝る。

 

 

さらに狼は足のサイズも大きく、雪原でも沈みにくい。

 

街暮らしの犬には必要のない足です。

 

大きな足は長距離走にも適しているんです。

 

 

また、獲物に咬みつく牙も立派。

 

大きく強い牙と、強靭な顎。

 

小さな頭じゃ収まりませんよね。

 

柔らかい餌を食べている犬じゃないと、小顔にはなれないんです。

 

 

鳴き方

 

なぜか救急車の音に遠吠えするワンコ。

 

そんなとき、

「やっぱり祖先は狼なんだな~」

と思いませんか?

 

 

でも、普通犬は「ワン」です。

 

遠吠えとワンは、伝える相手との距離の違いでしょう。

 

野生の狼はまばらにいる。

遠くの相手には「お~い」と高音で呼びかけなくちゃなりません。

 

カーリングの「そだね~」と同じです。

 

 

じゃあ、

狼も近くの相手には「ワン」なのか?

 

 

それがほとんど鳴かない。

 

どうやら、

アイコンタクトみたいに意思の疎通ができるみたい。

 

「ムダ口は狩りの邪魔だぜ」

この辺もハンターの血なんでしょうか。

 

 

繁殖

 

愛犬家はご存知でしょうが、

犬の発情期は年2回。

 

子だくさんなのも、よく知られています。

20匹以上産むこともあるらしいですよ。

 

まあ、平均すると、

6~10匹じゃないでしょうか。

 

 

この多産は、人間の助けも理由のようです。

 

野生動物は、

育てられる数だけ産むのが基本。

たくさん産んだって、野生では生存率低いですから。

 

でも犬は少しぐらい多くても、人が世話してくれる。

 

多産の遺伝子も生き残りやすく、

出産数も増えたんでしょう。

 

 

狼は年に一度の繁殖で、出産数は4~6程度。

 

厳しい自然に生きる狼は、ぽんぽん子供を産む余裕がない。

 

人間という、

ベビーシッターはいませんもんね。

 

やはり、犬は環境に恵まれている。

 

 

飼育

 

狼は飼育に向かない動物です。

イメージしやすい、犬との違いですね。

 

ただ、まったく人に懐かないわけでもありません。

 

人間と主従関係が築かれれば、

良い「飼い狼」になれるのです。

 

まあ、その関係作りが大変なんですが。

 

 

狼の遺伝子にもっとも近い犬は、

人気の柴犬だそう。

 

狼と犬のハーフ、

ウルフドッグというのもいる。

 

どちらも飼育犬となっていますよね。

 

 

犬にも大なり小なり、狼の遺伝子は残っています。

 

狼にも人に懐きたい気分があるのかもしれません。

 

 

こうしてみると、狼と犬の違いは、

「野生に残った狼と、人の保護下で多様化した犬」

という回答になりそうです。

 

 

人生厳しいけれど自由な狼。

人の機嫌を取って、安逸に暮らす犬。

 

どちらの生き方がいいのか……。

 

狼と犬、あなたならどっちに生まれ変わりたいですか?

 

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違いはハッキリしている!だけど進化の歴史は謎のまま~まとめ~

 

狼と犬の違い、なんとなくおわかりいただけましたか?

 

犬の祖先は狼だけど、直系かどうかはわかりません。

 

性質も似た部分があり、まったく違う部分もある。

 

犬の進化がわかりにくいわけです。

 

 

ただ、人間が関わるという環境はかなり特殊でしょう。

 

自然とまるっきり違う環境が、

犬の進化を、他で見られないものにしたのは確かです。

 

その結果、犬は他の狼族とだいぶ違ってしまった。

 

たまにする遠吠えは、

「俺だって狼なんだぞ」

という確認作業だったりして。

 

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