フィリピンに「マナナンガル」
という吸血鬼がいるそうです。
フィリピンに吸血鬼?
ちょっとピンと来ない。
吸血鬼って、
陰気な夜の街をうろつくイメージだよね。
フィリピンって、
太陽ギンギラギンの南国でしょ。
料理ではニンニクもよく使うらしいし。
吸血鬼的に居住環境悪すぎません?
おっと、吸血鬼の心配をしてられません。
マナナンガルは怖い存在。
夜更けに飛び回り、人を襲う。
フィリピンでは広く信じられているのです。
マナナンガルは従来の吸血鬼の印象とも違います。
僕らが思うのはヨーロッパの吸血鬼。
バンパイア、ドラキュラ伯爵ですよね。
マナナンガルはそれらと変わっています。
魔女や妖怪の雰囲気なのです。
アジア版吸血鬼マナナンガル。
その正体に迫ってみましょう。
目次
マナナンガルとは?
マナナンガルは、
女性の吸血鬼のようです。
調べると
「男女のマナナンガルがいる」
とか、
「女がマナナンガルで、男はアスワングまたはアスワンと呼ばれる」
とか、
「マナナンガルとアスワングは別物」
とか、様々な話があります。
記事では女吸血鬼として説明しますね。
マナナンガルの特徴
マナナンガルは、
人間のように暮らしています。
見た目も普通の女性。
昼間は人々に紛れているんです。
本性を現すのは夜。
まず、上半身と下半身が分離します。
上半身にコウモリのような羽が生える。
そして、人を襲いに飛んで行くのです。
このとき下半身は置き去り。
ガンダムのジオングみたい。
だけど、絵面はかなりシュールだ。
下半身残して、上だけどっか行っちゃうんですよ。
下半身はなぜか立った状態で、
上半身の帰りを待っているらしい。
道端で胴体の帰りをじっと待つ足。
そんな忘れ物は嫌だ!
羽ばたきの音は、
「ワクワク」
と聞こえるそう。
また「ワクワク」と呼ばれる怪鳥が、
マナナンガルに付き従っている、
という話もあるようです。
上半身は飛び回り、獲物を物色します。
好物は「妊婦の血」だそう。
他にも新婚さん、恋人同士、新生児が狙われやすい。
リア充が嫌いなご様子。
直接襲うパターン。
狙いをつけた人間の家の屋根にとまり、
長い舌を寝ている相手の口へ突っ込んで、
血や生気を吸い取るといったパターン。
栄養摂取のやり方もいろいろ違う。
夜明け前、
仕事?を終えた上半身が戻ってきて、
再び下半身と合体。
また人間に紛れて暮らす……
という話。
マナナンガル撃退法
根っから妖怪の場合と、
人がマナナンガルと化し、自身もそれに気づいていない場合があるらしい。
やはり日光とニンニクが弱点。
吸血鬼ですもんね。
「残された下半身を隠してしまい、朝までに合体できなくさせる」
「足だけのときにニンニクをすりこんでおく」
などの方法で、退治できるといわれます。
「エイの尾」が苦手というオリジナル要素もある。
エイの尾には毒があるので、
みんな苦手だと思うんだけど。
以上がマナナンガルの情報。
分離しちゃうのがグロくて怖い。
でも、上下分かれちゃうって、
悪いけど、怖いより笑ってしまう。
なんだか間が抜けてるんですよね~。
しかし、
近年でも目撃があるのです。
今も目撃が相次ぐ!
2023年1月。
南部の都市、ダバオ市の沖にある島に、
マナナンガルが現れました。
その姿を多くの人が目撃しています。
翌2月。
今度は中部のセブ島タリサイ。
人家の屋根にいるマナナンガルを、
二人の少女が目撃。
二人は泣き叫び、動けなくなったそうです。
2009年には、
写真が撮影されました。
その画像はネットに出回っています。
これですね。
空を飛ぶマナナンガルの姿。
と言っても、
ただのコウモリに見えるんですが。
見ようによっては、
胴体部が、
人の上半身に見えなくもないというか。
UMA写真にありがちな、はっきりしない画像です。
ただ、フィリピンではマナナンガルはかなりリアルな存在。
近年の目撃も、
信じる人が多いからでしょう。
「羽音が小さく聞こえるときは、マナナンガルが音を消して、近くにいるときだ」
そんな言い伝えもあるほど。
しかし、
分離・合体する生物がいるとは思えない。
ロボットアニメじゃないんだから。
やはり、伝承の妖怪と考えられます。
マナナンガルは実在する?
東南アジアには、
他にも分離型の妖怪がいます。
マレー半島の「ペナンガラン」。
タイの「ピーガスー」などです。
どちらも、
同じタイプの吸血鬼。
頭部が飛んでゆきます。
その頭部の下に、
内臓がぶら下がっているのが特徴。
首から食道、肺、心臓、腸がブランブラン。
そこをリアルにしちゃダメー(汗)!
そんな怪物が出る、
古いホラー映画を観た記憶があります。
(筆者ホラー好きなんです)
「あ~これだったのか~」
と思い出しました。
マナナンガルが生まれた理由
これら、
セパレートタイプの化物は、
昔からいたようです。
日本には宣教師が伝えたとのこと。
500年ほど前には、
既にあった話なのでしょう。
マナナンガルの伝承が、日本で「ろくろ首」に転化したとも言われます。
首が伸びてゆく妖怪ですね。
首で繋がっていますが、分離型に入りそう。
なぜ東南アジアに分離型妖怪が多いのか?
理由はわかりません。
首狩りの文化があったからかもしれません。
肉体を切り離す「死」への恐怖。
それでも生き、人を襲うのが、
分離型妖怪なのでしょう。
その後、
東南アジアは長く西洋に支配されます。
キリスト教も入ってくる。
吸血鬼の概念も広まったでしょう。
そうした文化、歴史が混ざり合う。
分離型のマナナンガルやペナンガランが完成する。
そんな流れとも考えられる。
そして、
フィリピンがオオコウモリの生息地であることも、
無縁とは思えません。
正体はオオコウモリか?
オオコウモリは文字通り、
「大型のコウモリ」
熱帯地方に分布し、
日本でも沖縄や小笠原などにいます。
日本のは体長30㎝ほど。
しかし、
フィリピンには体長1m、
翼長2mという、
お化けコウモリがいるんです。
「空飛ぶキツネ」
と呼ばれるほどの巨体。
<フィリピンオオコウモリの動画>
マナナンガルは上半身に翼の怪物。
人間の半分くらいの体長とすれば……。
シルエット、大きさはほぼ同じじゃありませんか!
マナナンガルは、
オオコウモリの誤認で説明がつきます。
コウモリは吸血鬼の仮の姿。
人の胴体ほどのコウモリが飛んでいたら、
マナナンガルに見えます。
逆にオオコウモリが、
マナナンガルを生んだのかもしれません。
オオコウモリは足(後肢)も長い。
それが垂れ下がった人の腕のようにも見えるのです。
人家の屋根にいるマナナンガル。
これもコウモリで説明がつきます。
コウモリといえば、
逆さにぶら下がる休憩スタイル。
でも、
平たい場所なら四つん這いで動きます。
オオコウモリが屋根にとまり、
四つん這いになったら。
まるで家の住人を上から監視し、
襲っているように見えます。
それがキツネのような顔なんですよ。
怪物に思っても不思議はないでしょう。
オオコウモリから、
「上半身に翼のある怪物」
が、空想された可能性が大と思うのです。
マナナンガルは、
オオコウモリの誤認でしょう。
他に「妊婦が好物」
にも注目したい。
妊婦さんは気をつけることがいっぱいある。
「無事に出産してほしい」
と周囲は願います。
そこでマナナンガル。
「怖いマナナンガルがいるから注意しなさい」
実は暗に、
「体を大事に」
「夜遊びはだめよ」
と警告している気もするのです。
「お化けが出るよ」
と子供を諭すのと同じ。
マナナンガルは、
元気な赤ちゃんを産んでほしい願いから、
語り継がれているのでは。
僕はそんな気もするのです。
正体はオオコウモリ説が濃厚!西洋と東南アジアのハイブリッドUMA~まとめ~
マナナンガルは変わった吸血鬼でした。
最大の特徴は、上半身が分かれること。
足を残して、人を襲いに行く妖怪。
恐ろしいながら、コミカルでもある。
その足を隠しちゃえば倒せるというのも、
油断が過ぎてカワイイかも。
「足持ってかないでよ~」
とかアセアセしてそう。
昔のAAの「海苔返せよ~」
をちょっと連想した。
その正体はオオコウモリと思われます。
1mもあるコウモリと、
吸血鬼が結びついた。
上半身で飛び回るマナナンガルが、
誕生ってわけ。
それが、妊婦に注意をする訓話に使われたのではないか。
実在してたら結構グロいので、
出会わぬことを祈ります。