私たちが住んでいる日本は、
季節により、色々な顔を見せてくれますよね。
そんな日本が私は大好きで、住みやすいと思うのですが、それは渡り鳥も同じです。
キレンジャクとヒレンジャクも渡り鳥ですよ。
キレンジャクとヒレンジャクの特徴と見分け方。
出会うコツなんかもお伝えしていきます。
「あれはキレンジャクだ!」
「ヒレンジャクもいるね!」
と分かれば嬉しいし、ちょっとした自慢になるかも。
そして、迷子の野鳥を保護することがあっても、
名前がわかれば対策をとることも可能かもしれません。
目次
キレンジャクとヒレンジャクを見れるのは珍しい事なの?
まず、キレンジャクとヒレンジャクは、
野鳥で渡り鳥になります。
この渡り鳥というのは、
より良い食料や、環境や繁殖などの理由で、
定期的に長い距離を移動して生活をする鳥のことです。
世界各国に渡り鳥はいて、日本にも有名なところで、
ツバメや白鳥などがその渡り鳥と言われています。
ヒレンジャクとキレンジャクはこの渡り鳥になります。
外見は、全体が赤みを帯びた灰褐色で、
羽先やしっぽなどに黄色や赤色、黒色がさし色のように入っています。
目の周りや、くちばしの下は黒色になっていて、
頭部には冠羽(かんう)があります。
この冠羽というのは、
わかりやすい例では、
オカメインコの頭のちょろっとした毛と同じようなものです。
北半球の寒いところを主な生活圏として生息していますが、
日本には冬ごろに見られることが多いです。
なので、住んでいる地域にもよりますが、
12~4月あたりに地元で観察できるかもしれません。
ですが毎年必ず日本に飛来する、ということはないようです。
この、観察ができるとラッキーなキレンジャクとヒレンジャクですが、
名前がとても似ていますよね。
カタカナで見るから特にわかりにくい感じがしますが、違いはもちろんあります。
ヒントは漢字にすると分かり易いかも?
キレンジャクとヒレンジャクって何が違うの?
キレンジャクとヒレンジャクは、それぞれ、
キレンジャク(黄連雀)
ヒレンジャク(緋連雀)と書きます。
日本語のいいところですよね。
想像ができやすくなりました。
わかりやすく色の漢字が入ってますが、
それぞれベースの体の色はほぼ同じです。
違いは、アクセントになる色が、
黄色と緋色(赤)になっている所です。
キレンジャクは、若干羽に緋色が入りますが、
本当に少しなので、主な色の差で違いが分かり易い野鳥なんですよ。
細かいところで、
キレンジャクの方は、風切羽(翼の羽)の先端に、
赤い蝋状(ろうじょう)の突起物がありますが、
ヒレンジャクにはありません。
また、もっと細かく違いを書くと、ヒレンジャクは冠羽の部分に、
黒く長い模様(過眼線)が入っています。
過眼線はキレンジャクにもありますが、
ヒレンジャクの方が長く入っているんですね。
これがヒレンジャク。
頭の後ろまで、黒い線が入ってますよね~。
photo credit: coniferconifer I’m full via photopin (license)
次にキレンジャク。
ヒレンジャクに比べて、顔の黒い線が短いのが分かりますか?
photo credit: ressaure Silly Waxwing via photopin (license)
他には、キレンジャクは腹部も全体と同じ色に対して、
ヒレンジャクは腹部の真ん中あたりが、
すこし黄色がかっていたりします。
そんな、違いのあるキレンジャクとヒレンジャクですが、
この二種類ともに共通点があります。
なんと、同じ食べ物が好物なのです。
しかし、私はこの植物はなんだか少し、怖いイメージがあります。
たぶん、生活圏とかお国によってイメージは違うと思いますが。
ヤドリギの実が好物
ヒレンジャク、キレンジャクの好物、
それはヤドリギの実です。
ヤドリギ(寄生木、宿り木)
とまた漢字にすると少し怖いイメージになりませんか?
この寄生木ですが、
ヨーロッパ、アジアなどが原産で、
ほかの植物の樹木の枝の上に育つ、
半寄生の植物です。
寄生植物ですが、日本でもよく見かけることがあります。
山などを歩いていたら、木の枝あたりに、
大きな緑の塊の、もじゃっとしている球状の物を見たことがありませんか?
木は枯れているように見えるのに、
その丸い緑の植物だけは青々と茂っているなぁ、と。
たぶん、それがヤドリギです。
半寄生なので、
自分で光合成をおこなって炭水化物を合成することができます。
このヤドリギは、30~100cm程度の分岐した枝を持ち、
花はあまり目立ちませんが、黄緑色の花を咲かせ、
白色~黄色の汁気の多い果実を実らします。
私は食べたことはありませんが、
ねばねばとしていて少し甘いそうです。
ヒレンジャクとキレンジャクも、このすこし甘い果実が好物のようで、
よくヤドリギの実を食べに、たくさんの群れとなって集まってきています。
そして、日本にたくさんのキレンジャク、ヒレンジャクが飛来して、
日本を満喫してくれることはとてもうれしいことですが、
時々悲しいことも起こることがあります。
予期せぬ出会いがあるかも。
どんな動物でもそうですが、
どうしても生活をするにあたって、困ったことも起きてしまうことがあります。
病気や、ケガです。
この、予期せぬ事態に陥ってしまい、どうすることも出来なくなることもあります。
キレンジャク、ヒレンジャクは野鳥です。
基本的に法律で野鳥を捕まえたり、飼ったりすることは法律で禁じられています。
しかし、落ちている鳥をほおっておくのは可哀そうな感じがします。
まず見つけても、
周りが車などの直接的な危険がない場合は様子を見てください。
鳥はとても繊細です。
びっくりすると、そのことが直接的な原因として、
亡くなる可能性があります。
また、状態によりますが、
様子を見ている間に、状態が良くなることもありますので、
慌てず騒がず観察してください。
明らかにケガをしている、意識がない状態の場合は保護をしてあげましょう。
まず野鳥は、なんの病気や虫が付いていてもおかしくはありません。
必ず、手袋を装着して触るようにしてください。
素手で触った場合は、
必ず触った後は、流水と石鹸できれいに手を洗うようにしましょう。
そして、保護の方法です。
まず、通気口の穴が空いた箱に、優しく入れてあげて下さい。
出来れば紙箱が良いですね。
そして鳥は、体温が高いので、
触る時は最小限にとどめてください。
体温を奪ってしまいます。
また、飛来するときは寒い時期が多いと思われます。
使い捨てのカイロなどで、
25~30度程度に箱内を調節出来れば良いともいますが、
直接鳥に熱源をあてたり、箱内に入れることは、
カイロの場合は酸欠になる可能性がありますので注意してください。
そして不用意な刺激を避けて、暗くして落ち着かせてあげてください。
水や餌は、
体の汚れになる場合がありますので与えなくて良いそうです。
そして、できれば早めに、
必ず各都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡してください。
各県に担当の部署があります。
このような状態の、予期せぬことに出会ってしまっても、
正しい方法で最善を尽くしてあげて下さいね。
キレンジャクとヒレンジャクは魅力ある渡り鳥~まとめ~
キレンジャクとヒレンジャクは同じような外見ですが、
細かいところで違うことも多く、
その違いを見つけるたびに楽しい気持ちになります。
また、その好物であるヤドリギの実も、
怖いイメージだけでなく、寒い時期の貴重な食料として好んで食べられているようです。
この時などに、
連なっていっぱい群れている雀のような鳥だから(連雀)とつくのでしょうか?
そう考えるのも楽しいです。
予期せぬ出会いがあっても、
慌てず最善を対処して、また日本に来てもらいたいですよね。
毎年会える野鳥ではありませんが、もし会えたら
「キレンジャク?ヒレンジャクだ!」
っと観察しながら眺めたいです。