カンブリア爆発とは!全生物のプロトタイプが誕生した出来事

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歴史には転換期となる時代があるものです。

 

その前後で、世界が変わってしまうような、

エポックメイキングとなる分岐点ですね。

 

ローマ帝国、ルネッサンス、産業革命……

日本なら明治維新でしょうか。

 

 

そして生物の進化史でいうなら、

それはカンブリア爆発になります。

 

それまでノホホーンと、

ろくに進化もしないでいた僕たちの原始の祖先が、いきなり爆発的に多様化したのです。

 

 

カンブリア爆発がなかったら、現在の地球は、

まだ微生物かイソギンチャク程度の、

下等生物しかいないような世界だったかもしれません。

 

ターニングポイントの極みといえます。

 

 

生物界に突然起こったカンブリア爆発とは、なにが原因だったのでしょう?

 

ダーウィンの進化論では説明がつかない、

この急激すぎる謎とはいったい?

 

 

わからないことだらけのカンブリア爆発を、検証してみましょう。

 

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進化の転換期!カンブリア爆発とは?

 

カンブリア紀は今から約5億年前

 

厳密には、約5億4100万年前から約4億8830万年前の間とされ、

地質学で判断できるもっとも古い時代です。

 

それ以前の、40億年にもなる期間は、

『先カンブリア時代』と呼ばれています。

 

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先カンブリアの進化

 

地球は46億年前にできたと言われています。

 

やがて海が作られ、

海中に溶け込んでいた有機物が、なにかの拍子に上手いことくっ付いて、

生命が誕生します。

 

かなりアバウトな説明ですが、

生命誕生のドラマは、今回の主題ではないので気にしないでください。

 

 

これが40億年前くらいだと考えられています。

 

しかし、その頃のその生命体は原核生物。

 

核膜もない、むき出しの単細胞という、

バクテリアのごとき生物だったのです。

 

 

「さあ、これから時間をかけて進化するぞ!」

 

と思いきや、このバクテリア、あまりやる気はなかったようで、

チョコチョコと前進しつつも、30億年以上かけて、

やっとカイメンやクラゲ程度になっただけ。

 

 

もちろん、その間の進化もドラマチックだったのですが、

僕らの感覚で見ると、歩みの遅さにゲンナリしますよね。

 

 

そして迎えたカンブリア紀。

 

ここで遅かった進化に、テコ入れがされたのです。

 

 

爆発で多様化

 

タラタラ進化していた生物が、カンブリア紀になった途端、突然多様化を始めました。

 

それは500万年ほどの間に、

数十種だった多細胞生物が、数万種にも増えるというビッグバン。

 

 

500万というと永く感じますが、

生命40億年の歴史で考えれば、犬小屋が一週間で動物園になったみたいな衝撃ですよ。

 

これがカンブリア爆発といわれるもので、

この時に登場した生物門(生物のカテゴライズ)で、

現在の生物を全部入れることができるのです。

 

 

つまり、カンブリア爆発以降に、新しいタイプの生物が生まれていない!

 

5億年前に完成したプロトタイプから、

すべての生物が作られているわけです。

 

しかも、地球誕生の46億年前~カンブリア紀の間を、

先カンブリア時代とまとめてしまう程、とっても重要な起点!

 

 

これだけでも、カンブリア爆発が画期的出来事だったことが分かるでしょ?

 

 

でも、なぜカンブリア紀になって生命は爆発的に増えたのでしょう。

 

「今日から本気出すわ~」となったわけないですよね。

 

「本気出す」と言った奴が、本当に本気を出したの見たことありません。

 

 

カンブリア爆発を引き起こした要因があったはずです。

 

 

カンブリア爆発はどうして起こったの?原因は?

 

カンブリア爆発の原因について、はっきりしたことは分かっていません。

 

 

最初は、地球全体が寒冷地になっていた、

スノーボールアース時代が終わり、暖かい春になったら花が一斉に咲くように、

生物の多様化が起こったと考えられていました。

 

氷が融けて酸素が増え、

陸地も増大し、光合成もしやすくなり、進化しやすい環境になったからと。

 

 

しかし、

スノーボールアース時代とカンブリア爆発は、

時期がちょっとずれています。

 

謎を解くには、別の原因を探らないといけません。

 

 

注目したいのはカンブリア爆発の前後にある、

エディアカラバージェスと呼ばれる奇妙な動物群です。

 

 

エディアカラ紀の進化

 

スノーボールアースが終わった頃から、実は生物の多様化は進んでいたらしいのです。

 

 

これが、爆発前のエディアカラ紀のお話で、それまでは見られなかった、

大型のエディアカラ動物群が出現し始めます。

 

多細胞生物が主流になり、

生物がより巨大化、複雑化しました。

 

 

特に大きな変化は目」を持つ生物が現れたこと。

 

 

「見る」という行為は、必然的に知能も増える。

 

バクテリアの敵う相手ではありません。

 

この、目を持ったニュータイプが、

時代のイニシアチブを獲ったのです。

 

 

当然、他の生物も対抗策として、

逃げる、視覚・聴覚・嗅覚を得る、武装して身を守る、武器を持つなどの必要性に迫られる。

 

 

そう、生物はここに来て、大規模な変化が求められた。

 

カンブリア爆発の前の燻りとでも言いましょうか。

 

 

エディアカラ動物群は、

カンブリア紀になって絶滅するのですが、それは嵐の前の静けさ。

 

変化を始めていた生物が、エディアカラ動物の抜けた穴を埋めるべく競合し、

それぞれの生物がそれぞれのやり方で、

進化のスピードを速めたら……。

 

 

ドカーンですよね。

 

 

カンブリア爆発が起こるまでの話はここまで。

 

動画も貼っておきますね。

もっと理解が深まりますよ。

 

6億4000年前~カンブリア爆発までの、生物の進化についてです。

 

 

この流れは、

カンブリア爆発後のバージェス動物群からも推理できます。

 

 

不思議すぎるバージェス動物群

 

バージェス動物群の詳細は別記事に譲りますが、

要するに「変な生物」の時代です。

 

 

とにかく「なんじゃこれ?」という生物が多い。

 

僕には、これらが試行錯誤の成れの果てに思えてなりません。

 

 

「いろいろやってみました」ってわけです。

 

と言っても、バージェス動物群が失敗作というのではありませんよ。

 

例えば、

ピカイアというナメクジみたいな生物は、初の脊索動物と言われ、

僕ら人間が誕生する方向性を示したスゴイやつです。

 

 

生き延びるための模索の結果、いろいろなタイプの生物が登場し、

一部は現代にも繋がっている。

 

カンブリア爆発は、

どうやら、スノーボールアース後の生物の大型化に端を発し、

弱肉強食が進んだために、進化が刺激された現象だったようです。

 

 

中には、あさっての方向に進化したのもいて、

バージェス動物群にも変なやつがいるのでしょう。

 

 

でも、これが正解なのかはわかりません。

 

なぜなら、ダーウィンの進化論で説明できないからです。

 

 

ダーウィンの進化論を否定している

 

ダーウィン進化論では、

「生物はゆっくり進化する」となっています。

 

生存しやすい個体が生き残り、

その形質を子孫に伝え、さらにそれらの中で生存しやすい個体が形質を伝え……

という繰り返しで、生物はちょっとずつ変わるわけ。

 

 

いくら、カンブリア紀に多くの要因が揃っていたといっても、

ここまで爆発的に多種多様が行われるのは考えられません。

 

ダーウィンが正しいのなら、

それこそ、カンブリア爆発は「宇宙人の介在」でも持ってこなきゃ説明がつかない。

 

このは当分解かれないでしょう。

 

 

僕的には、カンブリア爆発は、

生命体が本来持っているポテンシャルが発揮されたと思いたい。

 

「やればできる子」ってやつですね。

 

生物はその気になれば、何にだってなれるんです!

 

 

時には失敗しながらも、形を変えて新しい時代を生き抜こうとした、

カンブリアの生物には敬意を表したい。

 

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カンブリア爆発が起きた原因と出来事~まとめ~

 

カンブリア爆発は、正に生命史の黎明期といえるでしょう。

 

温暖化がエディアカラ動物群の登場を呼び、目を獲得することで弱肉強食が激化し、

進化を加速させたのです。

 

 

バトルで主人公が成長する漫画も、あながち間違ってはいないのかも。

 

 

それにしても、現存する門(タイプ)のすべてが揃ったというのも驚きです。

 

ダーウィンの進化論は定説ですが、

その常識を遥かに上回る能力が、生物にはあるのでしょう。

 

僕らも、その潜在能力を受け継いでいると思うと、ちょっと元気が出ませんか?

 

 

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