陸上最強の生物と言えばなんでしょう?
と聞かれて・・・
筆頭に挙がるのは、やはりアフリカゾウですよね。
誰もがそう答えると思います。
現存する陸上動物のうちでは、最大の動物として有名ですから。
ですが、実際のところ、どうなんでしょうね?
やはり最強なんでしょうか?
もしくは、天敵がいたりするんですかね~?
他にも、別の種類のゾウと比較してみたりなんかしても、
面白いんじゃないでしょうか。
ゾウと一言で言っても、
細かく分けると色んな種類がいるんですよ。
簡単に、アフリカゾウの特徴から説明して行きますね。
最強かどうか?
判断材料にして下さい。
それでは、アフリカゾウの世界に行ってみましょう!
目次
1・アフリカゾウの特徴
アフリカゾウは、
サハラ砂漠より南のサバンナや、森林地帯、河川の渓谷、湿地帯などで生活しています。
アフリカゾウの身体は、灰色や灰褐色の色をしており、
皮膚を触ると以外にもゴツゴツしており、体毛もほとんど生えていません。
メスよりオスの方が大きく、
大きいオスでは、肩の高さが390cm、体重は10トンを優に超えるものもいます。
また、ゾウの特徴として、
鼻が地面につくほど長いことは誰しもが知っている事実ですが、
この長い鼻、実は上唇と鼻が一緒に伸びたもので、
その中には2本の鼻の穴が通っており、強い筋肉により自由に動かすことが出来ます。
その長い鼻の先には指上の突起があり、この突起を上手に使って、
約250㎏あるようなものでも、いとも簡単に持ち上げてしまいます。
この大きな鼻を支えるために、
ゾウの頭部は体に対し大きく、その分首は短くなっているのです。
こんなすごい奴です。
やはり、最強説は揺るがないのでしょうか?
やっぱ最強?アフリカゾウに倒されたサイやライオン
地上最大級の動物と言われているサイですが、
アフリカゾウには全く歯が立たないそうです。
アフリカゾウにかかれば、
多数のサイが相手でもへっちゃらで、かえってサイがボロボロにやられてしまい、
「ゴメンなサイ」なんて言いながら、逃げていかないといけない事態になります。
そんなアフリカゾウもさすがに、
ライオン数頭なら無理でしょうと思いますが、これもアフリカゾウの圧勝です。
では、アフリカゾウは本当に無敵なのでしょうか?
アフリカゾウが威嚇するときは、
「大きな耳」を左右にまっすぐ広げ、巨大な体をさらに大きく見せて、
敵を「ギラッ」とにらみつけます。
そして、それでも怒りが収まらないときは、
まっすぐ突進してきます。
もうこうなれば、誰も止められません。
いくら丈夫なジープでもバスでもズタボロにされてしまいます。
2トン以上ある4WDの車でも余裕でペチャンコにしてしまうのですから。。。
アフリカゾウ一頭に対し、
ライオン20頭以上いて、何とか互角に戦えるのではないかと言われているくらい、
力が飛びぬけているのです。
つまり、通常の戦い方をすれば、
地球上で最強なのは「アフリカゾウ」ということになります。
アフリカゾウが最強の動物ということはよくわかりましたが、
アフリカゾウとよく間違う種類に、アジアゾウがいます。
ではその2種類の違いについて見ていきましょう。
アフリカゾウとアジアゾウ(インドゾウ)の違いや大きさは?
同じ「ゾウ」でも、
アフリカゾウとアジアゾウの違いは、どこにあるのか知っていますか?
パッと見た感じでは違いはほとんどわからないですよね!
それでは、アフリカゾウとアジアゾウの違いについて詳しく見ていきましょう!
見た目の違い
・・耳の大きさ
アジアゾウよりアフリカゾウの方が大きく、大人のオスでは約1m以上もあります。
・・体の形や特徴
アフリカゾウ:
背中が、たわんでいるような感じでへこんでおり、
頭は平らで、顔立ちもマンモスに近い顔をしています。
また、体の大きさも地上最大で、オスは平均して6トンは優にあります。
体毛もアフリカゾウにはほとんどなく、鼻の突起は上下に存在しています。
アジアゾウ:
背中が丸く、全体的に丸っこい形をしており、
優しい顔立ちをしています。
頭の形は、てっぺんに二つの山があるのが特徴で、
体の大きさはオスで約5トンくらいです。
アフリカゾウよりはかなり小型ですね!
そして、アジアゾウの身体には、
毛が若干生えているもの(インドゾウ)や、
生えていないもの(スリランカゾウ)など、
様々な種類が存在します。
鼻の先端の突起は、アジアゾウの場合は上のみについています。
・・キバの違い
アフリカゾウ:
オスメス共に、弧を描くくらいの長い牙がついています。
アジアゾウ:
オスには、1m~1.5mのキバがある個体と、
短い牙しかついていない個体がいます。
メスのキバは、外から見えないため、生えていないという認識が一般的です。
性格の違い
一般的には、
アジアゾウの方が穏やかで、アフリカゾウの方が気性が激しいと言われていますが、
実はアフリカゾウも18世紀以前は人間とともに戦いに参加していました。
ですから、まったく人との関りが無いというわけではありませんが、
アジアゾウに比べれば「ない」といえます。
アジアゾウは、インドやタイで、常に人間に使われる動物(使役動物)として、
人間とともに暮らしてきました。
使役動物として、みなさんが良く知っている動物は、
牛や馬、そして犬ですね。
牛は、人間の農耕生活を支えてくれ、
馬は、戦いの時に人間を乗せて走ってくれました。
犬は大昔から、人間とともに暮らし、
牧羊犬としてや、番犬として役に立ってくれています。
つまりアジアゾウは、アフリカゾウに比べ、
人間とともに暮らしてきた歴史が長いため、お互いに付き合い方を知り尽くしており、
アジアゾウの方が大人しい、と感じる面があるのだと考えられています。
そんなアフリカゾウですが、最強のゾウに天敵などいるのでしょうか?
アフリカゾウに天敵はいるの?
アフリカゾウは一対一では誰にも負けませんが、
一対大多数になれば、ゾウすら負かしてしまうであろう生き物がいます。
それは「軍隊アリ」です。
軍隊アリとは、普通のアリとは違い、
巣をつくらずに、軍隊のように隊列を組んで前進し、
目についた獲物には、集団で襲い掛かる、獰猛な習性を持つアリのことを指します。
軍隊アリの狩りの対象は、行軍途中に発見した獲物です。
病気で動けないような場合は、
牛や馬などの、大型の動物ですら食い殺すこともあるのです。
その意味では、ゾウもやられてしまう事もあり得ますね。
そんな、世界でも類まれな力と、巨大な体を持つゾウ。
ゾウにはどんな種類があるのでしょう?
そもそも世界中のゾウの種類と体重は?
一言で「ゾウ」といっても、
世界には様々な「ゾウ」が存在しています。
それでは具体的に「ゾウ」の名前を挙げてみたいと思います。
・サバンナゾウ
・マルミミゾウ
・インドゾウ
・セイロンゾウ
・スマトラゾウ
・マレーゾウ
・ピグミーゾウ
それでは各ゾウについて詳しく見ていきましょう!
サバンナゾウ
アフリカゾウの亜種で、
通常アフリカゾウと呼ばれているのが、
このサバンナゾウです。
体長6m~7.5mで、
体重はオスで5トン~7トンあり、
メスで2.5トン~3.5トンです。
アフリカのサバンナの各地に生息しています。
基本的に、メスたちと子供のゾウで群れを形成し、
1000頭ほどもなる大群を結成することもあります。
一方雄は、生後12~16年で群れを離れ、
単独、もしくは若いオスのみの、
ザックリした群れを作って生活します。
水浴びや泥浴びが大好きで、
泥浴びをした後、岩や木に体を擦りつけて、駆虫を行います。
そして、なんと素晴らしいことに、アフリカゾウの嗅覚を感じる遺伝子の数は2000個あり、
(犬は800個、人は400個)
その優れた嗅覚で、
ゾウを狩る民族と、狩らない民族を嗅ぎ分けているそうです。
マルミミゾウ
アフリカ大陸西部~中部にかけて生息しています。
以前はアフリカゾウの亜種とされていましたが、
近年研究が進み、DNAの分析により、
アフリカゾウとは別の種類とする説が有力になっています。
外見はアフリカゾウと、とてもよく似ていますが、
大きさは体長は4m~6m、体重2.7トン~6トンで、サバンナゾウより少し小さいです。
熱帯雨林に生息し、普段は最年長のメスを中心に、
最大でも10頭前後の、小規模の群れをつくって生活しています。
アフリカゾウに比べ、ある程度は人にも慣れるため、
北アフリカでは、
戦いに使われた時代もあり、
その後、象牙を目的にした乱獲により、生息数は大幅に激減してしまいました。
現在では象牙の輸出は規制され、
保護の対象になっていますが、密猟は後を絶っていません。
インドゾウ
アジアゾウの代表的亜種で、
通常アジアゾウと呼ばれているのが、
こちらのインドゾウです。
ユーラシア大陸南部やインドネシア、スリランカに生息し、
大きさは体長5m~6.4m、
体重はオスが平均4トン~5トン、メスは2トン~3トンあります。
主に森林に生息し、
メスと子供からなる群れを形成し、生活していますが、
群れに発情したメスが要る場合は、
この集団にオスも加わります。
神話に登場したり、
現在でも地域により白色個体が神聖化されたり、
宗教的儀式に使われたりしています。
また中国では、骨灰が漢方薬になると信じられ、乱獲などで数は激減しています。
インドの観光として、人を背中にを乗せてくれたり、
サーカスなどで活躍し、私たちを楽しませてくれるのは、こちらのゾウです。
セイロンゾウ
アジアゾウの亜種で、スリランカに生息しています。
インドゾウよりも桃色の斑点があることが多いです。
体長はオスで3mほど、メスで2.2m~2.5mで、体重はオスが4トンで、メスが3トン程です。
特徴は、長い鼻とオスだけにあるキバです。
ところが、
セイロンゾウのオスでは、ほんの一割にしかキバが生えてくることがなく、
オスメスの区別をつけるのが少し大変なのです。
通常10頭前後のメスからなる母系集団を作り、
リーダーになるのは長老のメスで、
オスは10歳前後で群れを離れ、
単独か小さなオスのみの群れをつくって暮らします。
スマトラゾウ
アジアゾウの亜種で、
体長(頭から尻尾までの横の長さ)は、
5m~6.4mで、
体高(地面から頭までの高さ)が、
2m~3mです。
体重は、オスで平均4トン~5トンで、
メスで2トン~3トンです。
インドネシアのスマトラ島に生息しているゾウです。
ゾウの中でも一番絶滅の危機に瀕しているゾウで、
現在の推定個体数は、2400~2800頭しかいません。
なぜ、このようにスマトラゾウが数を減らしているかというと、
今も続く、島の熱帯林の消失と、人間の身勝手な毒殺です。
世界自然保護連合(IUCN)は、
絶滅が心配される、世界の野生生物のリストである「レッドリスト」の中で、
このスマトラゾウの危機ランクを、
最高の近絶滅亜種(CR)へ引き上げ、
申告度合いを警告しています。
生息環境の森の保全が急がれています。
マレーゾウ
アジアゾウの亜種で、マレーシアに生息しています。
スマトラゾウとともに、耳が四角いのが特徴で、
とても長生きで、頭の良いゾウです。
そのため、観光でゾウのライディングが出来たり、
ゾウ使いさんが、言うことを聞かせたりできるのです。
ピグミーゾウ(ボルネオゾウ)
アジアゾウの亜種で、
ボルネオ島に生息し、肩の高さは約1.5mほどの小型のゾウです。
2003年に、コロンビア大学のDNA鑑定で、
初めてアジアゾウの亜種であることが分かりました。
ところが最近、大量の虐殺でもニュースになったり、、、
その結果、現在生息している数はわずか1200頭とか。。。
なんでも、
プランテーションを荒らすから害獣扱いされて、毒殺されたりしているそうで、
ゾウを一時的に収容できる、レスキューセンターを作る計画を立てているそうです。
ボルネオの幻の世界最小のゾウ
と呼ばれるこのピグミーゾウを、
何とかこれ以上数を減らさないよう、守ってもらいたいものですね。
このように、ゾウといえども、各ゾウの種類により様々な現実があるのです。
最強説の検証と種類の違い~まとめ~
アフリカゾウについて、アレコレ見てきましたが、いかがでしたか?
・アフリカゾウは世界で最強のゾウ!
・アフリカゾウとアジアゾウの違いは、見た目の違いと性格の違いに分けられる。
・アフリカゾウには、基本的に1対1では天敵はいないが、
1対大群だと「軍隊アリ」が天敵となる可能性がある。
・アフリカゾウを含め、世界には7種類のゾウが存在する。
動物園でもなじみの深いアフリカゾウ。
アフリカゾウのみならず、様々なゾウに起きている現実を受け止め、
これ以上絶滅危惧種にならないよう、
森の保全に、個々が努力していく必要があるのではないでしょうか?
ゾウの体重について、非常に多くの箇所で単位を間違えておられます。
重は、オスで平均4㎏~5㎏で、
メスで2㎏~3㎏です。
通りすがりの方、ご指摘頂きありがとうございます。
マルミミゾウの辺りから、tが㎏に変わっていましたね。
修正しました。