大都会の夜景を見下ろす高層マンションの一室。
高価なバハマ葉巻をくゆらし、ブランデーを楽しむ暗黒街の実力者。
こんなシーンに絶対欠かせないのが、
何故かアロワナです。
薄暗い部屋の一角には、
ライトアップされたアロワナの水槽があり、
その飼い主は、生餌を丸飲みする、
その古代肉食魚を眺めながら、薄笑いを浮かべるのです。
これが、カラカラ車を回しているハムスターでは締まりがありません。
……と、アロワナはベンツとともに、
ギャング感をアピールする小道具みたいな位置づけの魚です。
僕も熱帯魚が趣味なのですが、アロワナにはまだ手を出した経験がありません。
今後も飼うことはないと思います。
僕が堅気の人間だからではなく、
実際にアロワナが高級魚で、飼育も面倒臭いからです。
もちろん、誰でもアロワナは飼えます。
家が平屋でも、嫌煙家でも、下戸でも、ギャングじゃなくても大丈夫。
でも、冒頭のシーンのようなことをしたいがために、ホイホイと飼える魚でもない。
今回はアロワナの種類と値段、飼育方法、維持費などを書いていきますよ。
アロワナの種類!値段と特徴
恐竜の時代から今の姿で生きていたという古代魚アロワナ。
いかつい顔、上向いた口、鎧のようなウロコ。
僕のような木っ端の熱帯魚ファンなど、土下座したくなるような堂々たるアロワナ様は、
名門貴族に対するのに似た憧れでもある。
でもアロワナは高級魚ではありますが、手軽に手に入る熱帯魚でもあります。
僕がよく行く、一般のペットショップにも売っています。
ただ、アロワナを購入するのであれば、
アロワナ専門店がおススメです。
一般のショップのアロワナは、客寄せの展示物みたいなところがあり、
あまり種類もありません。
専門店で飼育法を店員さんによく聞き、
覚悟と責任を持って飼ってください。
金食いで大きなアロワナは、
後で「育てられない」と泣くことが多いのです。
心の準備ができたら、初めて購入を考えましょう。
まずは代表的な3種類のアロワナの、値段と特徴を比べてみます。
代表的なアロワナ3種
●シルバーアロワナ
アロワナの中では比較的安価で、飼育もしやすいです。
大きさは1mにもなります。
10年ほど生き、成長が早いので育て甲斐があるでしょう。
やや細身のアロワナで、ペットショップでもよく売られています。
文字通りシルバーですが、赤や緑がかった個体もいます。
値段は稚魚で1,000~2,000円。
少し大きいもので5,000~10,000円くらい。
●ブラックアロワナ
こちらは、渋く落ち着いた色黒のアロワナ。
稚魚の頃は、黒に黄色のストライプですが、
成長すると、
黒のメタリック感が出てカッコいいですよ。
飼育下で、大きさは60cmほどになります。
(自然では1m近くなることも)
寿命は10~15年で、おとなしく育てやすいと思います。
稚魚で、一匹5,000円前後でしょう。
成体で、色の良いものなら数万から数十万円になりますね。
シルバーアロワナとブラックアロワナに、餌やりをしている動画を貼っておきます。
種類や、個体の値段の話もしているので参考にどうぞ。
●アジアアロワナ
見た目、値段、飼育難易度から、
アロワナの帝王と言っていいでしょう。
過背金龍(マレーシア・ゴールデン)、
紅尾金龍(スマトラ・ゴールデン)、
血紅龍(スーパーレッド)、
青龍(グリーン)など、中国マフィアみたいな名前が多いのも、
無頼漢の魂をくすぐるのかも。
アジアアロワナに限り、登録申請が必要とのことです。
<登録申請のお話は3:40~>
アジアアロワナは種類、大きさ、色によって、価格変動が大きいのも特徴。
稚魚なら3,000円位からでも買えますが、
いい成体だと10万超は覚悟です。
さらに、色の風味が良いものなら余裕で100万持っていかれます。
アジアアロワナ全体が数を減らしており、値段にも反映されているのです。
大きさは60cmくらい。
性格は強気なので、飼育も難しくなります。
どうですか?
僕が手を出せない理由がお分かり頂けたことでしょう。
アロワナは上に挙げた3種類を覚えておけば十分です。
他には、ノーザンバラムンディという新参のアロワナがいて、
最近飼育者も増えているようです。
ノーザンバラムンディは飼いにくく、初心者には向きません。
さて、購入価格はなんとなく分ったところで、
安心しちゃいけませんよ。
問題は飼育出来るかどうか。
次は、飼育費用と手間を見ていきましょう。
飼育にかかる費用
アロワナを飼うのに準備するのは以下のものです。
・水槽(蓋つき)
・ろ過機(アロワナは水を汚します)
・ヒーター(アロワナは高温を好む)
絶対に必要なのはこの3つ。
他にもライトなどがあればお洒落ですが、まずは3つが必需です。
「そんなもんでいいのか」
と思ったあなたは甘い!
アロワナはこの3つまでが高い。
特に重要なのは水槽。
アロワナは50cm~1mもある巨大魚なので、
水槽も大きくないとなりません。
普通よく見る水槽で、大きいのは90cm幅です。
稚魚や若いアロワナなら、90cmで間に合いますが、成魚なら120cm以上。
できれば150cm、180cmを用意したい。
というのは、
アロワナ(特にアジアアロワナ)は体が固く、体長と同じ位の奥行がないと、
方向転換できないからです。
奥行60cmで、アジアアロワナのサイズですよね。
その奥行になると、150cm以上の水槽になる。
1mのシルバーアロワナは少し柔軟性があるので、このサイズで大丈夫です。
180cmなら、
アクリル水槽でも20万円前後、
ガラス水槽なら40~50万円かな。
むろん、そのサイズが置けるスペースと、
水を入れて、1t近くの重量を支える床があるのが条件。
さらに大水槽には、強力なろ過機と、ヒーターを使います。
僕が普段使っている、2千円程の安物なんか使えません。
どちらも最低2万円はするでしょうか。
(安いのもありますが)
まあ、ざっくり言えば、
水槽を立ち上げてアロワナを飼う前準備に、
20万~100万見ておけばってところですね。
稚魚を、90cm水槽で飼い始めるのなら、
5万円位からも始められます。
ただ、アロワナは育てるのが難しく、成長したものを飼うほうが失敗はないでしょう。
これに飼育費用として、毎日の餌代がアロワナの寿命分かかるわけです。
餌代の方はそこまで気にしなくてもいいと思います。
人工飼料と生餌(コオロギやワーム、金魚、カエルなど)をバランスよく与えればいい。
飼育費用は「犬を飼うくらい」という話を聞いたことがあります。
餌の与え方次第で、
アロワナの大きさもコントロールできますし、
安いアロワナも色が良くなり、高級にも出来るのです。
あとは水槽が大きいんで、掃除や水換えも一仕事です。
水を汚すアロワナなので、まめに行う必要があり、これも飼い主の負担になります。
アロワナ飼育には経済力と、世話を怠らない努力が要ると分かりましたか?
とにかく大変な魚です。
とはいえ、アロワナは人気があり、一般家庭で飼っている人も少なくはありません。
この美しい古代魚と暮らすのは、なにものにも勝る魅力ということなのでしょうね。
専門的で買いましょう!飼育費用も解説~まとめ~
アロワナも高額、水槽も高額、世話は面倒。
ネガティブなことばかりで、ションボリになっちゃったですかね。
僕も自分が飼えない腹いせってわけでもないんですが、
少々脅すように書いてしまいました。
それぐらいの覚悟で飼って貰いたいと思うからです。
安易に始めても、アロワナは絶対に失敗します。
捨てられたアロワナが、日本の川や池でも確認されており、問題になっているのです。
つまりは、途中で飼育を投げ出す人もいるってこと。
それこそ金をドブに捨てるようなものでしょう。
飼育するならきちんと吟味し、無責任な飼い主にならないようお願いします。