みなさんが想像するウグイスの鳴き声は、
「ホーホケキョ」だと思います。
では、「ケッキョケッキョ」と鳴いているのは、
練習中のウグイスなのでしょうか?
はたまたウグイスは春に鳴くと思っていたのに、
今どきは7月になっても鳴いているというのは、
環境の変化のせいなのでしょうか?
今回は、ウグイスの鳴き声の種類や時期を中心に、
様々な点について解説したいと思います。
目次
鳴き声の種類と時期
ウグイスの鳴き声は、
私たちが知っているあの有名な鳴き方だけではありません。
様々な鳴き方をすることにより、仲間やライバルへのメッセージを発しており、
その鳴き方一つ一つにちゃんと意味が込められているのです。
ウグイスの鳴き声の種類と伝えたいこと
では、それぞれの鳴き方を詳しく説明します。
1・ホーホケキョ
一般的によく聞く声で、声のトーンによって意味合いが違ってきます。
そして、この鳴き方はオスのウグイスしかしません。
低い声:縄張りにライバルが入ってきたことに対し、
警戒するための声で、仲間に危険が迫ってることを知らせるためのサインです。
高い声:メスに、危険はないから大丈夫だよ~と教えてあげている声で、
求愛の意味も込められています。
そのため、オスは綺麗な声で鳴けるように、一生懸命練習するのです。
2・ケキョケキョ
侵入者に対する威嚇の合図で発せられる声で、
若いウグイスの場合は、さえずりの練習段階の声です。
3・チャチャチャ
ウグイスの地声で、さえずり期間が過ぎた、秋から冬に聞くことが多いです。
地鳴きと呼ばれます。
地鳴きはオスのみならず、メスも鳴き、
ウグイス同士の連絡手段に使われています。
ウグイスの鳴く時期
ウグイスはもともとさえずり(ホーホケキョ)が上手なわけではなく、
しかも冬は声帯が発達していないため、どの個体も上手に鳴くことが出来ません。
練習に練習を重ね、
ちょうど上手になるのが繁殖期となる春で、
メスにアピールするために必死で鳴いています。
そう、私たちは完璧に練習し終わった声を聴いているのです。
何と贅沢なことでしょう!
しかもこのさえずり、
喉の筋肉がとても必要で、声を出すだけで至難の業なんです。
また、春だけホーホケキョと聞こえてくるのは、
日照時間の関係が大いにあると言われています。
日が長くなると、
オスの身体にある特定の物質ができ、
その物質が脳を刺激することで、
喉の筋肉を発達しやすくするからと考えられています。
喉の筋肉が発達することで、
ホーホケキョという難しいさえずりが練習により可能になり、
美しく鳴くことが出来るようになると言われているんですよ。
そして、繁殖期が過ぎ、
日照時間が短くなるにつれて、発達した喉の筋肉も沈静化され、
再び暖かい春が訪れるまで、低い地鳴きの声に戻ります。
では、どうして最近は6~7月になってもさえずりが聞こえてくるのでしょう?
それは、本来ウグイスは、
夏の終わり頃まで鳴き続ける野鳥だからです。
春に鳴き始めると、
大多数のウグイスは、標高の高い山に移動していたので、
春のみしか里山では聞けませんでした。
しかし最近では、
移動しない個体が増え、
夏になってもさえずりが聞けるようになっているのです。
先ほどウグイスは、練習をしてさえずりが上手になると先ほど書きましたが、
たまにいくら練習しても、
上手く鳴けていないウグイスもチラホラいるのはどうしてでしょう?
鳴き声の練習をする?鳴き声が下手なのもいる?
ウグイスのオスにとって鳴き声は、
自分の子孫を残せるかどうかの決め手になります。
そのため、
生まれてまだ日も浅いオスは、一生懸命練習して、繁殖時期に備えるのです。
ウグイスの鳴き声の練習方法!
ウグイスは残念ながら、
生れてすぐに、親と同じように上手に鳴ける訳ではません。
親の鳴き声をお手本に、
幼いころから練習に励み、やっと美しく鳴けるようになるのです。
練習段階の若いウグイスは、とてもウグイスとは思えないほどの鳴き声ですが、
練習を重ねることにより、繁殖期には美しい声が出るようになるんですね。
ところが、いつまでたっても上手に鳴けないウグイスもいるんですよ。
これは、親のお手本が上手でなく、
練習環境が悪かったことが原因ではないかと言われています。
鳴き声が下手なウグイス
鳴き声が下手なウグイスが出来てしまう原因には、
以下のものが考えられます。
● まだ幼く、一生懸命さえずりの練習をしている
● 自分にはセンスがなかっただけ
● 自分にセンスはあったが、
お手本が悪く、綺麗なさえずりを知らないまま終わってしまった
それでは各項目について、詳しく見ていきましょう!
● まだ幼く、一生懸命さえずりの練習をしている
ウグイスは生まれてすぐ、親と同じようにきれいな声で鳴けません。
ですから、まだまだ練習段階の若いウグイスが、
一生懸命練習していたと考えられます。
この場合は、練習を積み重ねるうちに上手に鳴けるようになるので、安心できますね。
● 自分にはセンスがなかっただけ
ウグイスは、生れた時から鳴き声を習得しているわけではなく、
成長過程において後天的に鳴き声を習得しています。
そして、人間にも歌うのが苦手な人がいるように、
ウグイスにも鳴くことが苦手な個体ももちろんいます。
もしかしたら、
生まれつき発生しにくい声帯になっているのかもしれません。
それか、聞き取りはできても、
それを自分で再現する能力が劣っているのかもしれません。
自然界では、美しい鳴き声を発することが出来なければ、
パートナーを獲得することは難しくなってしまいます。
● 自分にセンスはあったが、
お手本が悪く、綺麗なさえずりを知らないまま終わってしまった
幼いウグイスの鳴き声の先生は、親です。
先生であるはずの親の鳴き声がおかしければ、
子供の鳴き声も自然にズレてしまいます。
このように、
本人の努力とは違い、練習環境が要因になってしまう場合も多々あります。
ウグイス鳴き声には訳がある~まとめ~
いかがでしたか?
今回はウグイスの鳴き声と時期、
どうしてウグイスは、鳴き方が下手なのもいるのか?
について書いてきました。
・ウグイスの鳴き声には3種類ある。
・ウグイスのさえずりは日照時間が関係している。
・ウグイスは夏の終わりころまでさえずる鳥である。
・ウグイスが春だけ鳴くと思っていたのは、
春に里で鳴いて、その後山に移動していたから。
・ウグイスの鳴き声の先生は、親だった。
・鳴き声が下手なウグイスの原因は3パターン考えられる。
ウグイスが上手に鳴けないというのは、死活問題です。
そして、鳴くことが苦手なウグイスは、
子育てをする機会に恵まれない可能性が高く、
自分の子孫を残すことが出来ないと言えます。
自然の摂理は本当に厳しいですね!
今度ウグイスの声を聴いたときは、
そんな厳しい現実に打ち勝ったウグイスなのだ!
ということを思い出しながら、綺麗な声に耳を澄ませたいものですね!
最後に、ウグイスをメジロと勘違いしてそうな人は、
下にあるメジロの記事も見てほしいです。
無理もない気もするけど、間違えてる人結構いるみたいですね。
関連記事
今、我が家の庭で鶯が鳴いています。
今年が初めてです。珍しくて嬉しい✨です。毎日鳴いています。
いいことあるとよいけれどね。
鶯よ!ありがとう。生きて来て良かったなあ!と思います。
山口重久さん、コメントありがとうございます。
実は、このサイト初めてのコメントなんで、凄い嬉しいです。
何気なく聴いたウグイスの鳴き声はスルーしてしまうけど、
ウグイスだと意識して聴いてると、とてもラッキーな幸せな気分になりますよね。
実は、僕の家の近所でも、朝ウグイス鳴いてるんですよ。(東京なんですけど)
鳴き声は、ホ~ホケキョというより、ホホケキョみたいに早口なんですけどね。
私が住んでいるのは北海道の北広島市です。
ただ今、近所のウグイス絶好調で、一日中鳴いています。
春先には、ちょっと頼りなかったですが、今ではきれいな通る声になって、ほんとに「生きてきてよかった!」。
ちなみに「ホケキヨ(ョでなくて、妙にしっかり終わる)」やら「ホケチョ」やら。方言かな。
日曜出勤の今朝 今年初のウグイスが鳴きました。
駅までの道でキレイにないてました。
ウグイスを良く知りたくて検索したらこちらにたどり着きました。
勉強になりました‼️
ありがとうございます。
ポーさん、コメントありがとうございます。
僕の家の近所(東京の団地)でも、ウグイスが鳴いてましたよ。
4月に入ってから1週間ほど鳴いてましたね。
今はもう聞かないんで、どっか行っちゃったのかな?
ポーさんが、ウグイスの鳴き声を聞いたのも朝でしたか。
僕が今年聞いたのも通勤中で、しかも朝でした。
ウチは川崎市の北部なんですが、裏山でウグイスが鳴いています!
『ほー、ポケビデオ!』『ほー、ホケキョ、ピユ』……
何羽かいるようです……!
たかしゃんさん、コメントありがとうございます。
裏山だといっぱいいそうですね。
ウグイスに限らず。
僕の住まいは東京で、しかも東側なんで、自然に馴染みがないのが残念!
いい年して未だに、海や山にいくとテンションが上がりますよ。