ギネスにも載った世界一危険な鳥!ヒクイドリの実情!

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ニューギニアとオーストラリアに、

『ヒクイドリ』という鳥がいます。

 

 

ダチョウやエミューのような飛べない鳥。

 

いわゆる「走鳥」というやつです。

 

漢字だと「火喰(食)鳥」。

 

過激な大道芸でもしそうに思えますよね。

 

 

「火を食う鳥?」

 

いや、さすがに火は食いませんが、過激な鳥なのは事実です。

 

つけられた異名は「世界一危険な鳥」!

 

驚異のジャンプ力と、

強靭な足が繰り出す殺人キックを武器に、

人間も攻撃するヤンチャバードなのです。

 

 

ヒクイドリは本当に怖いのか?

 

旅先で、もし出会ってしまったら?

 

不安も当然ですが、大丈夫。

 

この記事を読めば、

ヒクイドリが暴力的だけの危険な鳥ではない、

とわかっていただけるでしょう。

 

 

怖いけど、優しい面もある。

 

今回は誤解されているヒクイドリを紹介してゆきますよ。

 

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被害者続出!ギネス認定の危険な鳥

 

ヒクイドリは飛べない鳥。

 

その姿はダチョウと似ています。

 

直立すれば、背の高さは130~190cm。

 

見上げる大きさですね。

 

 

体重もメスは60~80kg以上。

 

軽いオスでも40kg近くあり、ダチョウに次いで二番目に重い鳥らしい。

 

アジアでは一番大きな鳥になります。

 

それで、名前がヒクイドリと怪獣じみているのだから、

もうヤバい感じしかしませんよ。

 

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色鮮やかで危険な風貌

 

「世界一危険な鳥」

 

ヒクイドリは、そうギネスブックに載っていました。

 

 

これは2004年までで、

今は記載されていません。

 

とはいえ、ヒクイドリの危険性が減ったわけじゃない。

 

なぜ危険なのか?

 

 

ヒクイドリは見た目からすでに怖いです。

 

ヒクイドリの大きさは前述した通り。

 

 

さらに詳しくいうと、

太く、12cmの三又の鉤爪を持つ足。

 

漆黒の羽毛に覆われた胴体。

 

そこから伸びる無毛の首は、鮮やかな青。

 

 

その首から垂れ下がった、血の色をした肉垂。

 

ニワトリの肉垂の大きいのと思えばいいです。

 

「火喰」はこの真っ赤な肉垂が、

「火を喰ったよう」だから。

 

 

頭部には角質状のトサカ。

 

それが、大きめのくちばしと連なり、

鋭い眼光の目。

 

寿命も50年ほどとけっこう長い。

 

 

軽く恐竜ですよ、これ。

 

 

もちろん、外見だけで危険認定するほどギネスはユルくありません。

 

ヒクイドリには、殺人の前科がとても多いのです。

 

 

ヒクイドリ恐怖の事件簿

 

過去、

ヒクイドリに襲われたという記録は200をゆうに超えます。

 

 

例えば1926年。

 

ヒクイドリを捕らえようとした、

16歳と13歳の兄弟。

 

弟は蹴り倒され、

兄も逃げる途中で倒れ、首を爪で切られて亡くなりました。

 

 

第二次世界大戦時には、

日本軍と交戦していたオーストラリア軍が、

撤退中、ヒクイドリと遭遇し攻撃をされたといいます。

 

 

最近だと2019年4月12日。

 

アメリカフロリダで、

ヒクイドリを飼っていた75歳の男性が、

襲われて死亡しています。

 

 

 

ヒクイドリは驚異的な脚力の持ち主です。

 

 

時速50kmで走る。

追いかけられたら逃げられません。

 

パワーだって桁外れ。

2mもジャンプすることができる。

 

 

そしてナイフのような爪を振り回すキック。

 

蹴りが強いうえに、鋭い爪で相手を切り裂いてしまう。

不用意に近づくと、前蹴りをくらうでしょう。

 

こんな感じに。

 

 

 

ヒクイドリが足を出せば、それはちょうど人間の腹の高さ。

 

ヒクイドリの犠牲になった人や家畜の死因は、

①強い蹴りによる内臓破裂

②爪に切り裂かれて失血死

がほとんどなのです。

 

蹴られたら、死なないまでも無事では済まないでしょう。

 

 

「なんて気性の荒い鳥だろう」

ここまで読んで、そう思われたかもしれません。

 

しかし、ヒクイドリはむしろ内気な鳥なのです。

 

攻撃も正当防衛といえる節もあるんです。

 

 

ヒクイドリは攻撃的なのか?

 

あたり構わずケンカを吹っ掛けているように見えるヒクイドリ。

 

「世界一危険な鳥」といわれるのも仕方ない。

 

 

でも、積極的に人を攻撃する動物なんていません。

 

ある学者が、ヒクイドリが攻撃する状況を調べました。

 

 

加害ヒクイドリの7割は、人間に餌をもらっていた個体だったそうです。

 

 

つまり、人間から近づいてきての突発的な蹴り。

 

餌をもらおうとして人に近づき、もらえなかった場合の逆上。

 

このパターンが多いらしい。

 

 

攻撃の理由も分類してみると、

・危害を加える人間から身を守るため

・卵、雛を守るため

・餌場を守るため

といった、防衛のための攻撃のようです。

 

 

こういった行動は、ヒクイドリが極めて神経質であるのが原因でしょう。

 

 

神経質なぼっち鳥だった

 

ダチョウやエミューの牧場はあるけれど、

ヒクイドリ牧場は聞いたことありませんよね。

 

ヒクイドリは飼育が難しいのです。

 

 

野生では単体か、小さな家族ほどでしか集まらない。

 

「自分以外はみんな敵」のスタンスですね。

 

牧場のような群れでは、ケンカになってしまいます。

 

 

また、同じ縄張りに居続けることが多い。

 

テリトリーに入り込んだ他者は、

食料泥棒か、家族の敵。

 

追い出さねばならない侵入者なのです。

 

もちろん人間も。

 

 

神経質で他人を寄せつけない人、身近にもいるでしょ。

 

自分のエリアに人を入れたがらないってタイプ。

 

ヒクイドリも、そんな面倒臭いヤツなんですね。

 

 

ヒクイドリは家畜にもされ、動物園にもたまにいます。

 

ただ、人にはあまり馴れません。

 

 

機嫌が悪ければ、いつでも蹴りが飛んでくる危ない鳥です。

 

本能的に「蹴り癖」がある。

 

口より先に足が出るってやつ。

 

「気性が荒く、攻撃的」というより、

内気なあまり防衛本能が強すぎて、

つい蹴りが出ちゃうらしいんですね。

 

 

まあ、危険であることに変わりはない。

 

だから近づかないのが一番。

 

 

「でも、旅行に行って出会ったりしないんだろうか?」

 

日本人も多いケアンズ(豪)なども、ヒクイドリの生息地。

 

バッタリ鉢合わせして、蹴り飛ばされてはたまりませんね。

 

 

その心配はまずないでしょう。

 

ヒクイドリは数が少ない。

 

絶滅の危機に瀕しています。

 

 

生息数現象が止まらない!

 

ヒクイドリの生息地はとても狭い。

 

オーストラリアは、ケアンズ周辺のほんの一部。

 

あとはパプアニューギニア島の南部と、近くのいくつかの島だけ。

 

 

正確な数はわかっていませんが、少ないのは確か。

 

神経質なため、繁殖も難しい。

 

数が減り、人への被害もほとんどなくなったので、

ギネスブックも記載をやめたんじゃないかと勝手に思っています。

 

 

個体数の減少は生息地の縮小もありますが、

・車に轢かれる

・狩猟、駆除される

・犬に襲われる

など、人間が原因なのも多い。

 

人間も殺す鳥は、それ以上に人間に殺されてもいるのです。

 

 

現在、生息数を増やす努力が続いています。

 

というのも、ヒクイドリの減少が熱帯雨林の保護と関係しているからです。

 

 

森林保護とヒクイドリ

 

ヒクイドリは木の実、果実が好物。

(ネズミや昆虫もたまに食べます)

 

実は固いトサカも、

落ちた実から頭を守るヘルメットなのです。

 

 

彼らは実を丸飲みし、縄張りをウロウロ。

 

数kmもの移動で、途中に種入りの糞をする。

 

そうして森が育つというサイクル。

 

 

ヒクイドリが食べる実は種類が多く、結果多様な植物が森に広がるのです。

 

中にはヒクイドリの腸を通過することで、発芽率が高くなる種もある。

 

森の進化にヒクイドリは欠かせません。

 

 

危険動物と駆除されてきたヒクイドリは、

熱帯雨林の管理者でもあったのです。

 

その森が減り、人間の生活を地球規模で脅かす。

 

なんだかナウシカの話みたいですが。

 

 

僕的には、恐竜のようなヒクイドリが、森を歩き回る光景が減るのが残念かな。

 

 

保護はされていますが、事故死するヒクイドリは多い。

 

繁殖も上手くいかない。

 

ヒクイドリは本当に絶滅しそうな走鳥なのです。

 

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ヒクイドリが世界一危険な鳥とされる理由~まとめ~

 

ヒクイドリは人間さえ殺せる鳥。

 

その犠牲者は多く、昔から怖れられてきました。

 

「世界一危険な鳥」はハッタリではありません。

 

 

しかし、実はとても繊細な鳥。

 

その攻撃は「近づかないで」のサインなのです。

 

孤独に暮らし、森を豊かにするヒクイドリ。

 

絶滅は絶対に防がないといけませんね。

 

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