コモドドラゴンの毒性は遅効性!細菌70種を持つ最強トカゲ

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コモドオオトカゲを見て、恐竜を夢想している人、案外多いんじゃないでしょうか。

 

彼らは、5万年前頃までオーストラリアにいた、

巨大トカゲ「メガラニア」の近縁だとか、子孫だとか言われています。

 

 

体長6mで450kgあったメガラニアの子孫なら、

悲しいほど小さいですけど、それでも体長3mで70㎏。

 

世界一大きいトカゲです。

 

マンイーターの異名を持ち、襲われたら100%終わりな気がします。

 

 

でもね。

 

必ずしも、そんなことないんですよ。

 

餌食になってしまった方もいますが、生還した方も多いんです。

 

 

もちろん、大きい個体は危険がいっぱいですけど、小さいからって安心はできません。

 

だって、コモドドラゴンは毒トカゲですから!

 

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コモドドラゴンの毒性と細菌

 

「毒」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、

コブラですよね。

 

ひと噛みで毒が体中に回り、

呼吸困難になって息絶える….。

 

 

コモドドラゴンの前で麻痺して動けなくなったりしたら、生還は絶対無理じゃない?

 

おっしゃるとおり。

 

動けなくなったら終わりです。

 

 

ただ、コモドドラゴンの毒は出血毒と呼ばれるタイプ。

 

コブラの神経毒と、経過が少し違います。

 

 

まず、噛まれると傷口の血が止まらなくなる。

 

次に、毒が周辺の血管細胞を破壊して、ますます出血させる。

 

 

そして、失血死。

 

少しタイムラグがあるんです。

 

 

待ち伏せハンターのコモドドラゴンが大きな獲物を狙う時は、

脚に1回噛みつき、相手が弱るまで何日でもつきまとって、倒れたところで食べるのだとか。

 

「行ける!」と思えば、もちろんその場で食べますよ。

 

でも、大きな獲物に暴れられても困るので、しばらく様子を見るんです。

 

 

ヘビと違って口のなかに毒管がたくさんあり、

どう噛んでも毒が相手の身体に注入されますから、ひと噛みすればそれでいい。

 

 

それに、

コモドドラゴンの棲むインドネシアは、

熱帯雨林でとにかく暑い!

 

雨季ならともかく、

乾季の暑さは変温動物のトカゲにとってもたまりません。

 

そこで、軽く1回噛んどいて、後でゆっくり追いかけて、という作戦なのでしょう。

(実際には、骨も砕けそうなほどがっぷり噛みますけどね。)

 

 

もし噛み方が甘ければ、

お口に棲んでいるバクテリアがお手伝い。

 

腐肉を食べるせいで、

口の中に有毒なものも含め70種類も細菌がいて、噛まれれば敗血症になるそうです。

 

 

でも、これにも少し時間がかかります。

 

なので、少なくとも噛まれてすぐに毒で死んでしまうことはないんです。

 

 

実際、リンチャ島やコモド島には、

昔噛まれたという人が何人もいます。

 

カギは、噛まれた時、周りに人がいるかどうかです。

 

 

大きな個体にふくらはぎを噛まれると、

痛みと失血のショックで、

そう長くかからずにブラックアウトしてしまいます。

 

倒れてしまえば終わりですからね。

 

 

噛んだヤツを撃退して、集まってくる別の個体群から遠ざけ、いち早く止血。

 

これができれば、

入院すること1~2ヶ月(!?)で済むんです。

 

 

コモドドラゴンの犠牲になった方は、たいてい森の中で単独行動をしています。

 

特に子どもは身体が小さいので、

すぐに救助に駆けつけても間に合わないことがあるそうです。

 

痛ましいですね。

 

 

リンチャ島には、島民よりコモドドラゴンの方が数が多く、

危険で大変な生活を強いられています。

 

それでも村人はこう言うのです。

 

「コモドドラゴンはきょうだいなんだよ」と。

 

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天敵はいるの?

 

今現在、コモドドラゴンの1番の天敵は、人間です。

 

開発で生息地を奪い、国立公園を作って、やっと数を保っている状態ですから。

 

 

でも、リンチャ島の伝説では、コモドドラゴンは元は人間だったそうです。

 

 

「ある兄弟がいて、ひとりがとても乱暴だったので、村から追放された。」

 

「その子は森に入り、やがてコモドドラゴンになった。」

 

 

「昔、私が森で噛まれた時、私はコモドドラゴンにこう頼んだ。」

 

「私たちはきょうだいでしょう?」

 

「情けがあるなら助けてちょうだい!」

 

 

それを聞いて、コモドドラゴンは去って行った。

 

「私たちは親戚同士なのだから。」

そう言いながら、痛々しい足の傷跡を見せてくれたおばあさんは、

少なくとも彼らの天敵ではないようです。

 

 

リンチャ島はコモド国立公園の中にありますし、

絶滅危惧種というタブーもあります。

 

村では大切な子供の命を奪われても、家畜の山羊を捕られても、

柵で囲うしか村を守る手段がありません。

 

でも、不思議なことに、リンチャ村の歴史の中で

「あいつらは危険だ!殺してしまえ!」と考える文化は生まれなかったようです。

 

 

なら、他の天敵は?

 

もちろん棲息地で1番の捕食者ですから、大人のコモドドラゴンに天敵はいません。

 

 

ただ、彼らは共食いで有名ですね。

 

だから、強いて天敵と言うなら、

「隣で一緒に肉をかじっているこいつ」でしょうか。

 

 

ケンカで血が流れれば急に食欲がわき、お腹が減れば、

目の前を横切るあいつの太もも美味しそう!

になるようです。

 

だって、島は狭く、体長3m体重70㎏になるような巨体を、

満足させるような獲物はとても少ない。

(※家畜は除く!)

 

礼儀正しく上品にしている場合ではないんです。

 

 

ただし、当然のことながら、子どもにはたくさん天敵がいます。

 

コモドドラゴンと言えど、

小さければあらゆる捕食者の食卓に上がります。

 

トビなどの猛禽類や、ヘビ、マカクなどのサル、

また、共食い上等な年上の親戚はもちろん、近縁のミズオオトカゲも子どもを狙います。

 

 

コモドドラゴンが立派に成長する確率は、

1%~4%

 

他の生き物の生存率とあんまり変わらないですね。

 

 

でも、小さくったってちゃんと武装はしているんですよ。

 

毒と細菌、鋭い歯と鞭のようなしっぽ、

そして分厚いうろこです。

 

 

コモドドラゴンは最強か?

 

毒と細菌、そして鋭い歯は、攻撃用の武器です。

 

細菌は、腐肉を食べるようになるまではナシですが、それも1~2年の話です。

 

 

一方、しっぽとうろこは、守りの武器です。

 

コモドドラゴンは、襲われるとしっぽを振り回して相手を撃退します。

 

大人なら、一撃で人間の足を折るくらい、

強烈なパワーのしっぽです。

 

 

また、うろこは厚く、中には小さな骨片が組み込まれていて、とても硬いんです。

 

このトカゲ版くさび帷子は、

1メートルくらいの子どもでも、イヌの歯を通さないくらい頑丈なんですよ。

 

でも、チビっこいうちはあんまり通用しないので、とにかく木に登って葉っぱの影に隠れています。

 

 

では大人は?

 

コモドドラゴンは、この子ども時代の武器を持ったまま、

しかもブラッシュアップしながら大きくなります。

 

ひとえに、同じ種族のライバルに勝つために。

 

 

6月の繁殖期に、強いオス同士が二本足で立ち上がって戦うコンバットダンスは、

ちょっとした見ものです。

 

迫力満点のバトルですが、ただ、相撲の立ち会いにそっくり。

 

身体の大きさと、力と技があれば良いだけなのに、そこまで武装する必要があったのかと、

かなり疑問を感じます。

 

 

では、ここで思考実験してみましょう。

 

もし、大人のコモドドラゴンが新天地を目指し、

少し先のカリマンタン島(ボルネオ島)に渡ってしまったらどうなるでしょう。

 

カリマンタン島には、陸上で最大の捕食者と最大の生き物、トラとゾウがいます。

 

 

う~ん、そうだなぁ。

 

ちょっと考えただけで、

コモドドラゴンが自分が噛んだ、トラやゾウが弱るのを横で待っている絵が浮かびます。

 

 

やっぱり、

でっかいくせに毒を持っているのはズルすぎる!

 

どんなに大きなトラやゾウだって、1回噛まれたら終わりです。

 

 

毒だけで十分。

 

コモドドラゴンは、無敵で最強な生物だ!

 

そうなっちゃいますね。

 

 

ただし、暑さと寒さはきらいです。

 

だって変温動物ですもん!

 

 

そんな最強生物、日本で見たくないですか?

 

 

動物園で見れる?

 

惜しいです。

 

現在、日本にコモドドラゴンはいません。

 

 

一時期、札幌市円山動物園にいたんですよ。

 

その様子は、11分近い動画で見ることができます。

 

 

獰猛なはずのコモドドラゴンが、飼育員さんの周りにたむろっている様子は、

ちょっと以外で可愛いくらいです。

 

あの動画を見て、実物を見たかったなぁ、

と思う方は、たくさんいるのではないでしょうか。

 

 

しかし!

 

そんな方に朗報です。

 

今年は日本とインドシアの国交60年ということで、

体感型動物園iZooへ、コモドドラゴンのペアがやって来ることになりました!

 

 

政府間のペーパーワークが難航して、来園が予定より遅くなっているようですが、

来ますよ、日本へ、コモドドラゴンが!

 

わくわくしますね。

 

 

静岡県賀茂郡河津町にある体感型動物園iZooは、は虫類・両生類専門の動物園です。

 

ニュースをチェックしつつ、到着を待ちましょう!

 

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コモドドラゴンの毒は強力~まとめ~

 

コモドドラゴンは毒も持ってるし、歯も鋭いし、しっぽもうろこも頑丈で、

これ以上ないくらい強い生き物です。

 

ただし、それは無事に大きくなれたらの話。

 

コモドドラゴンも、必死に生きようとしている種のひとつにすぎません。

 

 

他の動物と同じように、棲むところを追われていて、今は5000匹くらいしかいないそうです。

 

種としては少ないのでしょうが、

その辺にたくさんいるのもコワイという気がしないでもないですが….。

 

 

でも、みんなが憧れるドラゴンですから!

 

恐竜時代に連れて行ってくれる、目に見えない翼を持った最強のドラゴンですから!

 

ペーパーワーク、早く終わってほしいですね。

 

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