シンリンオオカミの特徴は?今も語られるキナコの悲劇 

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シンリンオオカミってどんなオオカミ?

 

名前からすると、森林に棲んでそうですよね。

 

実際は、どんな所に住んでいるのでしょう?

 

 

国内で一般的に「オオカミ」といえば、

「ハイイロオオカミ」を指します。

 

シンリンオオカミは、ハイイロオオカミより体が小さく、

ハイイロオオカミとは全くの別種ですが、往々にしてよく混同されがちです。

 

 

シンリンオオカミは、

今のところは、まだ絶滅危惧種には指定されていませんが、

近年の森林の開発などにより、生息地もかつての3%程度になり、

さらに減少が心配され、

カナダでは「特別懸念動物」に指定されています。

 

 

それでは、そんなシンリンオオカミについて、

順にご紹介していきましょう!

 

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シンリンオオカミの特徴

 

生息地

 

シンリンオオカミは、

アメリカ合衆国のミネソタ州から五大湖の周辺

カナダのケベック州南部からセントロレンス湾にかけての、

五大湖地域の北東部に主に住んでいます。

 

 

見た目

 

シンリンオオカミは、オオカミの中でも、とても丈夫な体をしており、

体長は約100~150cm、体重は約25~45㎏、

しっぽの長さは約40cmほどあります。

 

一般的なシンリンオオカミの毛の色は、

灰色がかった茶色に若干シナモン色が混じっているような色合いです。

 

一番の特徴は、

背中に真っ直ぐ通った黒い毛が生え、お腹は白っぽい色をしている所です。

 

 

生態

 

シンリンオオカミは夜行性ですが、日中もよく活動し、

通常は父母をはじめとした「パック」と呼ばれる、

7頭~13頭くらいの群れで生活しています。

 

また、時として自分たちの家族以外の者を受け入れることもあり、

優しい一面も持っています。

 

シンリンオオカミが一頭で生活している場合、

それは、群れの中の順位争いに敗れた場合や、

独立してまだ間もない若いオスという場合が大半のようです。

 

 

獲物

 

シンリンオオカミの食事は、

オジロジカやビーバー、ウサギ、魚などで、

ハイイロオオカミが狙う獲物よりは、小型の動物を主に捕えています。

 

獲物の少ない冬場は、

15頭~30頭くらいの大集団になり、

アカシカやヘラジカなど、普段シンリンオオカミが捕まえないような大型の動物も、

その持久力を生かし、捕まえることも可能です。

 

 

コミュニケーション能力

 

オオカミの「遠吠え」は、

なんと10キロメートル先まで届くと言われ、

このよく通る声を利用して、

群れの中でコミュニケーションをとる際にも、

役立っていると言われています。

 

 

シンリンオオカミの妊娠期間は約2カ月で、一度に4~6頭の子供を産めます。

 

また子育ては、オスや他のメンバーも参加し、

みんなで協力して行うのも特徴的です。

 

photo credit: Chitaro(sohachi) _MG_3021.jpg via photopin (license)

 

次に、シンリンオオカミが飼育されてる動物園と、

円山動物園で起きてしまった、悲しい事件について見ていきましょう。

 

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オオカミの上下関係の厳しさ

 

シンリンオオカミに限らず、

オオカミは、とても上下関係に厳しく、子供にすら順位があります。

 

そんなシンリンオオカミは、国内の動物園でも見ることが出来ますよ。

 

• 多摩動物公園(東京都多摩市)

• 円山動物園(北海道札幌市)

• 旭山動物園(北海道旭川市)

• 東山動植物園(名古屋市千種区)

 

そんな厳しい上下関係の掟の陰で、

北海道の円山動物園では、とても悲しい出来事が起こりました。

 

とても有名な事件なので、

みなさんも、すでにご存知かもしれませんね。。。

 

 

円山動物園で起きてしまったキナコの事件

 

円山動物園では、

シンリンオオカミのジェイとキナコが、それは仲良く暮らしていました。

 

ジェイとキナコには、全部で3頭の子供たちがいました。

 

 

ところが、3頭いる息子のうちの一頭のユウキが、

7月に行われた健康診断をきっかけに、

父親であるジェイに争いを挑むようになったのです。

 

それまで、ジェイが親子関係の一番トップでしたが、

最後に健康診断を受けたジェイを、群れに戻す時に、

ユウキが突然ジェイに襲い掛かり、ジェイが負傷するという事故が起こりました。

 

 

このように、一時的に隔離するという状況が影響し、

個体間の関係性が崩れるという例は、特別なことではありませんし、

関係性が崩れない場合も、もちろんあります。

 

特にジェイとユウキの場合は、隔離したという理由だけではなく、

他の理由も関係していると言われています。

 

 

それは、父親としてのジェイの息子3頭に対する接し方の違い。。。

 

2011年に生まれたユウキとショウは、巣穴から姿を見せ始めた時点から、

性格やタイプが、かなり違っていました。

 

2頭が成長した2013年頃から、ジェイがどういうわけか、

ユウキにはきつく、ショウには甘い態度を取ることが、見ていて明らかになってきました。

 

 

もしかして、

その頃の父親の、自分に対する態度を、ユウキは根に持っていたのかもしれません。

(人間なら、よくあり得ることです…)

 

しかし、幼いころのユウキは、

明らかにジェイに執拗に抑え込まれたり、キバを向かれたりしているにもかかわらず、

全く逆らわずに、上手く交わしていました。

 

そしてジェイは、

後から生まれたルークに対しても、ユウキとは、また違った顔を見せていました。

 

 

しかし、2014年夏頃から状況は変わってきます。

 

それまで全くジェイの干渉に対しても、何の反応も見せていなかったユウキが、

ジェイに対し、キバを向いたり、うなったりするようになりました。

 

ジェイとユウキの闘争は、給餌時や夜間に良く起こっていたため、

飼育員さんたちは、さまざまな対応を取られていたようです。

 

 

ところが、2015年1月8日、とうとう事件は起こってしまいます。

 

 

サブ飼育場で隔離飼育をされていたキナコですが、

雪に背中を擦りつけて遊んでいたところ、

足がフェンスから、隣のジェイたちのいる舎に出たところを、

ジェイに咬みちぎられ、出血多量で死んでしまいました。

 

それまで仲の良かった2頭ですが、2014年頃からこの2頭はケンカが絶えず、

キナコはジェイに耳や首を噛まれ、かなりの怪我をしていました。

 

そのため、隔離飼育をされていたのです。

 

 

そんな妻に対し、

ジェイは、堪忍袋の緒が切れてしまったのかもしれません。

 

人間でいえば、

「お前の教育が悪いから、息子が自分に歯向かってくる!」

と、父親が母親に八つ当たりしているようなものでしょうか?

 

 

とにかく、キナコは悲惨な死に方をしてしまいました。

 

現在では、キナコの事件を鑑み、

ケージの目を細かくしたり、様々な工夫がされています。

 

 

とても優しいまなざしを、息子たちに向けていたキナコはもういません。

 

ですが、

今でもなお、キナコは伝説として受け継がれているのです。

 

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シンリンオオカミの特徴と起きてしまった事件~まとめ~

 

今回は、シンリンオオカミについて書いてきましたが、いかがでしたか?

 

自然界での、シンリンオオカミの上下関係はとても厳しく、

子供の世界ですら、上下関係があるくらいです。

 

飼育下のシンリンオオカミも、上下関係は本能的に持ち合わせているので、

ちょっとした力加減や、ちょっとした怪我や事故で、その関係性が崩れ、

何もかもが、変わってしまうことも多々あります。

 

 

痛ましいキナコの事件をご紹介しましたが、

このような悲しい出来事が起こらないよう、

動物園関係者の皆様が日々努力されています。

 

是非、私たちも動物園に行った際に、何か気づいたことがあれば、

積極的に関係者の方にお知らせするという取り組みを、

個々が行うべきではないでしょうか?

 

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