ジャイアントペンギン2種類を紹介!絶滅原因と進化の過程

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ペンギンのお散歩。

動物園などの人気イベントです。

 

ヨチヨチ歩きする愛らしいペンギンの姿に、

「かわいぃ~」

と萌えた人もいるでしょうね。

 

 

でも、ちょっと想像してみてください。

ペンギンがもし大きかったら。

 

人の腰くらいの高さなら、まだ可愛い。

 

そのペンギンが、僕らと同じ身長だったらどうでしょう?

 

もう、お散歩というより行軍ですよ。

 

 

そんな巨大ペンギンが昔いました。

 

ジャイアントペンギンです。

 

 

一言で説明すれば、

「人間と同サイズのペンギン」。

 

これは可愛くない……

いや、むしろ怖い。

 

お散歩してたら、子供が泣く光景だと思う。

 

 

だけど、大ペンギン時代というのが本当にあったんです。

 

今回は、大迫力の巨大ペンギンの世界を楽しんでいただきましょう。

 

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ジャイアントペンギンとは?

 

最初に、ジャイアントペンギンについて解説します。

 

これが、ちょっとややこしいんです。

 

 

ニュージーランドの南部地方で、化石の断片は19世紀から見つかっていました。

 

20世紀になり組み立ててみると、

それが古代のペンギン。

 

生息時期は3500万年ほど前、

大きさは140~160cm、体重約80kgとわかりました。

 

 

現代の最大種コウテイペンギンが120~130cmですから、一回り大きい。

 

「ジャイアントペンギンだ!」

そのまんまな、名前がつけられたのです。

 

学名は、パキディプテス・ポンデロサス。

 

一般的に、

「ジャイアントペンギン」

というのは、このポンデロサスです。

 

 

ところが、

南極でも別な巨大ペンギンの化石が発見。

 

そのペンギンの身長は150~170cm、体重は100kg。

 

ポンデロサスよりデカい!

 

 

170cmなら、日本男子の平均身長とほぼ一緒。

 

どうやら化石のペンギンは、4000万年前頃にいたらしい。

 

「アンスロポルニス」――「人のような鳥」

と学名がつきます。

 

後姿だったら、人と間違って声をかけちゃいそうですもんね。

 

 

さらに、古代ペンギンの化石が50種くらい見つかるのですが、

そのうち6種が、150cmサイズのペンギン。

 

「ジャイアントペンギン」

それらの総称でもあるのです。

 

つまり、ジャイアントペンギンはポンデロサスであり、

それ以外の大ペンギンの意もある。

 

これは一応頭に入れておいてください。

 

 

ここでは、代表的なポンデロサスと、

アンスロポルニスを紹介します。

 

この2種は、ペンギンの進化を知るうえでも重要なんです。

 

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ポンデロサスとアンスロポルニス

 

本家ジャイアントペンギンのポンデロサス。

 

いったいどんな姿だったのか?

と思ったら、形は普通のペンギンと変わりません。

 

サイズが巨大なだけ。

 

生態も今のペンギンと変わらなかったでしょう。

 

 

特徴的な部位やカラーリングはあったかもしれませんが、

さすがに化石からはわからない。

 

なので、皆さんが思い浮かぶ、

ノーマルペンギンのビッグサイズと思えばいい。

 

 

もうひとつのアンスロポルニスは少し違います。

 

首やくちばしが長いのです。

 

ペンギンといえば、

寸胴に頭が乗ったようなプロポーション。

 

「ずんぐりしている」

のがペンギンですよね。

 

 

アンスロポルニスの形は、ペンギンより鵜に近いのです。

 

長良川名物の鵜飼いの鵜です。

鵜の首は長く、顔も尖ってるでしょ。

 

ペンギンとは、やや趣が違うんです。

 

 

イメージ的には、想像図ですけど、こんな感じでしょうか。

 

 

もしくは、ペンギン目ですらなく、カモメに近いんだけどウミガラスとか?

 

なんとなく分かりますよね?

 

誰も本物なんか見たことないんで、なんとなくでいいんですよ。

 

 

 

次に、両者の生息時期を見てください。

 

アンスロポルニスが、約4000万年前。

(4500万~3800万年前)。

 

ポンデロサスはちょっと遅れて、3500万年前。

(3600万~3450万年前)。

 

 

生息時期にズレがありますよね。

 

ここから、ペンギンの進化を推測してみましょう。

 

 

ジャイアントペンギンの進化

 

恐竜絶滅があった6500万年前。

 

ペンギンの祖先となった、鵜のような鳥がいました。

 

魚を捕まえやすい長い口と、よく動く細長い首の鳥。

 

巨大生物時代ですから、この鳥もそこそこ大きかったでしょう。

 

 

それが南極で生き残り、餌を求めて海へ。

 

飛ぶことを捨て、得意の潜水能力を上げてゆく。

 

アンスロポルニスは、この頃に誕生しました。

 

 

まだ鵜の形態を残しつつ、ペンギン型に近づいていた。

 

もう飛べなくはなっていましたが、

羽には、過去に飛べた痕跡が見つかっています。

 

 

それから1000万年ほど経ち――

まったく翼の退化した、ポンデロサスが登場。

 

現在のペンギンとほぼ同じ姿に。

 

サイズは、今より大きいものが多かった。

 

 

そこから数千万年かけて小型化し、

可愛いペンギンのできあがり。

 

鵜からジャイアントペンギン→ミニペンギンとなったんですね。

 

 

大きいままだったら、

人気者になれたかどうか……。

 

怖いけれど、ジャイアントペンギンも、ちょっと見てみたい気がします。

 

しかし絶滅。

絶滅理由はなんだったのでしょうか?

 

 

ジャイアントペンギンの絶滅理由

 

ジャイアントペンギンの絶滅理由は、よくわかっていません。

 

寒冷地では、体が大きいほうがいい。

 

脂肪を蓄えられるし、

体の表面積もそれほど増えず、体温も逃がさないようにできます。

 

飛ばないペンギンは、重くてもいいですしね。

小さくなる理由はありません。

 

 

絶滅理由について、現在考えられているのは、

哺乳類の海への進出です。

 

ジャイアントペンギンは、海ではオラついていたはずです。

 

なぜって?

 

 

クジラやアザラシがまだいなかった。

 

3000万年前、海中を餌場にしていたのは、

魚類を除けばジャイアントペンギンだけです。

 

餌場の独占も、巨大化の理由のひとつでしょう。

 

 

でも、クジラ、アザラシ、アシカ、トドのような哺乳類が現れだした。

 

ジャイアントペンギンより大きく、強いライバルです。

 

 

知能が高い哺乳類に、鳥頭は敵いません。

 

それどころか、ジャイアントペンギンを餌にする奴もいたでしょう。

 

潜水の先駆者ペンギンの時代が、後発組の哺乳類に取って代わられたわけです。

 

 

ジャイアントペンギンは、じゅうぶんな餌が獲れなくなる。

 

巨大ペンギンはどんどん数が減り、絶滅したようです。

 

残ったのは、低燃料の小さいペンギン。

 

こうして、ジャイアントペンギンは消えました。

 

 

絶滅種と聞くと、

「生き残りはいないのか?」

と考えてしまう。

 

どこかでひっそりとジャイアントペンギンが生きているとしたら……

 

 

案の定、近年の目撃事例がありましたよ。

 

人間サイズのペンギン……

 

いいえ、そのペンギンはちょっと大きすぎるんですが。

 

 

巨大ペンギンの生き残りはいるか?

 

1948年。

アメリカフロリダのビーチに、ペンギンの足跡が残されていました。

 

三又のチューリップ型の足跡です。

 

サイズはなんと90cm!

 

そこから、

足跡の主は4.5mの怪獣ペンギンと推測。

 

 

「フロリダジャイアントペンギン現る」

新聞も大々的に報じたのです。

 

ジャイアントというよりモンスターですけど……。

 

翌年にかけて、現地では超巨大ペンギンの目撃が続出。

 

中には「6mはあった」という驚きの証言も。

 

 

2階建ての家に匹敵するペンギンですよ。

 

古代のジャイアントペンギンが生き残り、怪物に進化したのか!

 

それとも、

放射能を浴びて巨大化したゴジラペンギンか!

 

 

いやぁ……4.5m?6m?

 

そんな、大魔神みないなペンギンはいないでしょう。

 

それにペンギンは、寒い場所の動物。

 

なんで、常夏のフロリダにいるんですか?

 

 

お気づきとは思いますが、この話はインチキ。

 

鉄の足型を使って、ある人物がビーチに足跡をつけたイタズラだったのです。

 

この人物は最近、

「俺がやった」

と白状しています。

 

 

ところが、当時は本気の大騒動。

 

UMA大好き学者が「本物」と断定しちゃうし、

目撃者も思い込みがあったんでしょう。

 

現在では、完全なフェイクと認定されています。

 

 

人間サイズのジャイアントペンギン目撃は、残念ながらないようです。

 

 

UMA好きの僕は、

子供の頃に、フロリダジャイアントペンギンの話を聞いたことがあります。

 

だから逆に、

本物のジャイアントペンギン170cmと聞いても、

「そんなに小さいの」

と思っちゃいました。

 

比較対象が6mですからね。

大きさって相対的だな~という逸話。

 

 

ポンデロサスもアンスロポルニスも、

巨大ペンギンはすべて絶滅したんでしょう。

 

ジャイアントペンギンはもういません。

 

 

でも、

コウテイペンギンの1.3mもかなりの迫力。

 

小学3~4年生くらいもある。

 

日本では、名古屋港水族館と、

和歌山県のアドベンチャーワールドで見られるのだとか。

 

古代のジャイアントペンギンの面影を感じられると思いますよ。

 

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昔のペンギンはデカかった!絶滅理由は海の哺乳類~まとめ~

 

手頃な大きさが人気のペンギン。

 

小型犬、中型犬が立って歩くサイズの印象が強いんじゃないでしょうか?

 

 

しかし、数千万年前のジャイアントペンギンは、大人と同じ大きさ。

 

ポンデロサスは、小柄な女性ほどもある。

 

アンスロポルニスは、大人の男並み。

 

 

恐竜時代に巨大化し、

哺乳類時代にジャイアントペンギンは絶滅。

 

小さいペンギンだけが残ったのが、現在なのです。

 

ミニペンギンの群れを従えるジャイアントペンギンなんて光景も見たかったですね~。

 

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