巨大生物。
それだけで心が躍ってしまうのはなぜでしょう。
僕は、建物でも飛行機や船でも、大きいものを見ると、
ワクワクしちゃう性格(というか嗜好に近い)なのですが、
それが生物であれば、特に神々しさを覚えます。
しかし憧れの巨大生物も、
今はいないという安心感があればこそとも思うのです。
憧れはあるが、遭遇は遠慮したい。
ティタノボアなどは、特にお会いしたくない滅んだ巨大生物でしょう。
ティタノボアは、一言で言えば『大蛇』です。
有名なアナコンダ、アミメニシキヘビは、
5mをゆうに超え、8mくらいにもなる大蛇ですが、ティタノボアはもっと大きい。
人間なんか、パクリと食われる獲物にすぎません。
その大きさと強さは、とんでもないものだった。
さらに、現代に残る大蛇伝説、
そして、大蛇の目撃がティタノボアの生き残りという可能性も、検証してみたいと思います。
ティタノボアは歴史上最大の大蛇
今から約6000万年前。
恐竜が滅んで、そのニッチを埋めるために、新しい生物たちが誕生した、
暁新世(ぎょうしんせい)という時代に、
ティタノボアは登場しました。
恐竜が地球を支配していた時代が中生代で、
今、僕らが生きている時代を新生代と言います。
新生代をさらに細かく分類して、
その始まりに暁新世があります。
つまり、恐竜との入れ替わりの時期になりますね。
2009年、南米コロンビアで発見された化石が、
この大蛇がいたことを証明しました。
結構最近の発見だったんですね。
そのスケールが驚愕です。
長さは12~15m。
重さは1t以上。
太い部分は直径1mもあったと言うのです。
1mというと、立った人間の腰辺りまである高さですよ。
その太さで、15mの長さを想像してみてください!
そりゃ蛇というより、もう龍でしょう。
それまでは、4000万年程前に北アフリカに生息していた、
12mのギガントフィスが最大の蛇とされていたのですが、
ティタノボアは、それを抜いてしまいました。
「ボア」とは、アナコンダも含むヘビ科のことで、ニシキヘビにも近い。
敵に巻きついて、締め上げるタイプの蛇になります。
15mもあれば、恐竜も絞め殺せたでしょう。
いやいや、推察される15mというのも、
限界サイズだったのかも判りません。
同時代に生きていれば、
あの恐竜王ティラノサウルスとも互角だったのでは……
と、ドリームマッチを夢見ちゃうような存在なんですよ。
ティタノボア程の巨蛇になれば、
恐竜も滅んでいない時代でしたし、もしかしたら敵なしだったしれない。
そう思って、天敵はいなかったのか調べてみると、どうやらライバルもいたらしい。
巨大ワニとの生存競争
ティタノボアと同時代の地層から、南米で、
アケロンティスクス・グアヒラエンシスという、
6mのワニの化石が見つかっています。
ティタノボアの化石が発見されたのも南米でしたね。
ワニとしてはそこまで大きくはないですが、
凶暴性はティタノボアよりも上だったはずです。
ティタノボアは巨体のため、近種のアナコンダと同様に、水中にいることも多く、
このアケロンティスクス・グアヒラエンシスとは、
よくブッキングしたと考えられます。
成長途中のティタノボアの脅威だったに違いありません。
恐竜時代には、デイノスクス、サルコスクスといった10m超のワニもいました。
これらは、生存時期がティタノボアとズレていますが、
まだまだ、大爬虫類がウヨウヨしていた暁新世。
恐竜時代のアディショナルタイムというか、
最後っ屁みたいな、
巨大獣バトルがまだまだ繰り広げられていたのです。
ティタノボアでさえ、安穏としていられなかったのですね。
デイノスクス・サルコスクスと、ティタノボアはどっちが強かったかは不明です。
僕の勝手な想像ですが、咬む力と、水中の機動力はワニが上でしょう。
ティタノボアは、それほど攻撃性は高くありません。
積極的にワニを襲うとも思われない。
襲われればティタノボアも抵抗するという、売られたケンカになると思う。
10m級のワニなら、ティタノボアも分が悪いのではないでしょうか。
まあ、どちらも絶滅しているので、夢の決戦でしかありませんが。
でも、僕には気になっていることが1つあります。
世界中に残る、大蛇伝説や目撃。
それは、もしかしたらティタノボアの生き残りだったのではないのか?
ということです。
大蛇伝説はティタノボア?
南米、大蛇といえば、UMAファンの僕は、
「フォーセット大佐の大蛇遭遇」
と「ミニョコン」を思い出します。
フォーセット大佐の大蛇遭遇
パーシー・フォーセット大佐は、
インディ・ジョーンズのモデルとなったイギリスの探検家で、
アマゾンの調査に多大な功績を残し、
そのアマゾンで行方不明となった人です。
このフォーセット大佐が1906年に、
「探検中に18mの大蛇を見た」
と記録しているのです。
最大のオオアナコンダでも9mなのに、その倍ですよ!
「いくらなんでも18mのアナコンダはいないわ~」
と、長い間、与太話扱いされてきた話ですが、
ティタノボアの発見で、もしかしたらと思わずにはいられません。
それはティタノボアの生き残りだったのでは?
ティタノボアなら18mも無理な話ではないでしょう。
ミニョコンの伝承
もう1つの「ミニョコン」は、アマゾンに言い伝えられる超巨大ミミズです。
長さ50m、幅が3mという怪獣ミミズで、
ミニョコンが這った跡は木々が倒され、大きな溝が残ると言われています。
さすがにここまでくると、
苦笑を伴う伝説や、伝承のレベルですが、大きな蛇を連想させます。
ミニョコン伝説のベースは、常識外れに大きい蛇。
つまり、
アマゾンで細々と生き残っていたティタノボアかもしれない。
少々飛躍した説とは思いつつも、期待してしまう。
南米に限らず、
世界には大蛇伝説、あるいは龍・ドラゴンの話が多い。
インドのナーガ、北欧のヨルムンガンド、
中米のケツァルコアトル、
日本のヤマタノオロチ……
そして近年にも、大蛇を見たという目撃がある。
大きな蛇は、体長の目測がしにくいのですが、
神々しく畏怖されるレベルの大蛇は、今もいるのでしょう。
そして伝説の基になる。
それらは、ティタノボアの遺伝子を譲り受けているのかもしれませんね。
史上最大の大蛇ティタノボアの特徴~まとめ~
12m以上もあり、太さが1mもあったという、
超ド級の大蛇ティタノボア。
ワニ類と戦い、温暖な時代が終わって滅びたとされていますが、
アマゾンの奥地で、ひっそりと生き延びているなんて空想もしたくなる生物ですね。
もし、鎌首を3m程の高さに持ち上げて這っていたら、誰もが怪獣と思う大迫力。
ここまでの大きさだと、神的ですらあるでしょう。
僕も、遭遇したいような、
したくないようなアンビバレントに悩みます。