皆さんはドードーという鳥を知っていますか?
17世紀に絶滅してしまった鳥ですが、
「不思議の国のアリス」にも登場し、最近だとドラえもんの映画に出たり、
「けものフレンズ」で女体化されたりしているので、
知ってる人も多いでしょうか。
今はもう見られない絶滅種ってわりには、
二次元のおかげで知名度だけはけっこう高い。
ところがこのドードー鳥、
現実では骨と羽毛がわずかに残っているだけで、
きちんとした記録もほとんどなく、実は謎の多い鳥なのです。
今回は不思議なドードー鳥の謎に迫りながら、
絶滅種へのノスタルジーを感じてもらえたらと思っています。
ドードー鳥ってどんな鳥?
アニメで見るように、
ドードーの姿は七面鳥のイメージに近かったと考えられています。
大きさは1mくらいもあって、かなりでかいです。
体重も20kgあったそうで、完全に飛ぶ気を捨てています。
事実、羽は退化して飛べません。
といって、ダチョウのような機動力があるかといえば、それもない。
ついでに警戒心も薄く、攻撃のための武器もない。
ここまで無能だと、むしろ潔さまで感じます。
ドードー鳥のいた、
アフリカ・モーリシャス島には天敵もいなかったんですね。
現代日本の「ゆとり」とか「平和ボケ」に通じるものがあるかも。
まあ、楽園のような島で、ドードーはの~んびり平和に暮らしていたわけです。
しかし、平和は永遠ではないのである。
16世紀になると、
ドードー鳥の暮らす南洋の平和な島に、
最凶最悪の生物がやって来るようになりました。
ここからドードーの運命が急転直下してしまうことになるのです。
絶滅理由は?
時は大航海時代!
コロンブスのような一発屋や、海賊王になりたいような連中が、
大西洋に漕ぎだすようになると、
僻地の孤島モーリシャスにも人間が上陸するようになったのです。
しかも、長い海上生活で肉に飢えている。
大きな七面鳥みたいなドードー鳥が見逃されるはずがありません。
ドードーはあまり美味しくなかったそうですが、
塩漬けして保存食にすれば、
船上で食べるには十分。
飛べない、のろまな鳥がターゲットになるのは、必然でした。
さらに、人間と一緒に、
島にはいなかったイヌやネズミも入ってきて、
ドードー鳥が襲われるようになります。
飛べないドードー鳥は巣も地上に作るしかなく、
卵も雛も襲い放題だったんですね。
ドードーは全部で3種いたらしいんですが、
それからたった150年足らずで全て絶滅します。
「人間ひどいわ~」となるか、
「ドードー貧弱すぎだろ」となるかは意見が分かれるところですかね。
僕にも答えはわかりません。
このような経緯で,
ドードー鳥は発見から絶滅までの期間が短く、
ヨーロッパでも実物を見た人は少数だったといいます。
絶滅から200年もたった19世紀中ごろまで、
ドードー鳥は存在なんかしていなかった!
与太話だと思われていたくらいです。
そんな貴重なドードー鳥を、アジアの果ての、
日本人が見ていた可能性がある、
といったら、あなたは驚くでしょうか?
ドードー鳥が江戸時代に来日?
「幻のドードー鳥が日本に!」
こんな記録が最近発見されました。
東スポじゃなく、ロンドン自然史博物館の研究家が、
新たに発見された文書から立証したものです。
文書によると、
「1647年、日本の出島にドードー鳥が送られ、生きたまま到着した」らしい。
当時のモーリシャスはオランダ領、
オランダ人の多かった長崎出島に送られても不思議はない。
急激に数が減ったドードーは島外に持ち出された数も少なく、
野生のドードーは1681年に目撃されたのが最後ですから、
日本に来たのは島外に持ち出された、
ほぼ最後の個体だったとも考えられるのです。
長旅の末にたどり着いた日本で、
そのドードー鳥がどうなったかは定かではありません。
見世物になったのか……焼き鳥か……。
日本得意のもったいない精神で、
どこかに骨でも残っていれば素晴らしいことだと思うんですが。
でも、ドードー鳥と日本が江戸時代に繋がっていたというのは、
なんともいえぬ浪漫を感じます。
ドードー鳥の絶滅理由と特徴~まとめ~
ドードー鳥はぬくぬくの環境で、特殊な進化を遂げた生物です。
生存に必要な能力のすべてを捨てた、退化という甘ちゃん進化です。
そんなドードーに、イケイケの大航海時代という現実は、
過酷すぎたのかもしれません。
平和と進化って実は並び立たないのかもしれない……
と僕は思ったりします。
ドードーは模擬のはく製や骨格標本があるだけで、
それを見て思いを馳せるしかなくなってしまいました。
この愛すべき鳥が、人間と出会って滅びてしまった歴史は、
いろいろ考えさせられることです。
関連記事