近頃、人気に火がついた感もあるペットの新鋭、
ツノガエル。
ぼってりした体が、マカロンというか、
サンダーバード2号機というか、
愛嬌のあるジャバザハットというか、
とにかく丸~い感じがキュートでしょうがない。
その可愛さにキュンとして、衝動的に買っちゃう人も続出なんだとか。
中でも飼いやすいとされるベルツノガエルがよく売れています。
といっても初心者には、
「どうやって飼うの?」「餌は?」
「何が必要?」
とわからないことも多い。
そこで今回は、ベルツノガエルの飼育についてまとめてみました。
ベルツノガエル基礎知識
最初にベルツノガエルのお勉強をさらっと。
ベルツノガエルは南米原産。
緑色の体に黒い斑紋、ちょっとオレンジも混ざった色合い。
ツノガエルの特徴、目の上部がちょっとトンガっています。
大きくなるとオスは10cm、メスは12cmにもなり、
寿命も10年以上。
捕食は待ち伏せ型で、
土に体を埋めて獲物が来たらパクリ
(地蜘蛛みたい)。
そんな生活なもんで、泳ぐのも跳ねるのも苦手という、
しょうもないカエルです。
まあ、こんなダメっぷりも好ましく、おとなしくて飼いやすいのですが、
いざ飼育となるといろいろ注意点もあります。
次は飼育環境を考えてみましょう。
飼育の前に
ベルツノを南米まで捕まえにいくのは大変ですから、
ショップで買うことになります。
値段は3,000~5,000円でしょう。
3cmくらいのはちっちゃくて可愛さ倍増しですが、
初心者には5cm以上のものを、
おすすめします。
ある程度大きくなった個体のほうが生命力も強く、後々困ることが少ないんです。
水槽
ベルツノガエルを入れる容器は、
水槽でもプラスチックの飼育ケースでも構いません。
飼育ケースのほうが扱いやすいですかね。
(安上がりだし)。
一匹なら20cmの大きさでじゅうぶん。
蓋ができれば、高さも特には要りません。
下にパネルヒーターを敷き、
25℃くらいを維持できるようにしましょう。
カエルのために20℃以下、35℃以上にしないでください。
水だけでも可
さて、水槽環境ですが、
ベルツノガエルは水を入れただけでも飼育は可能です。
でも、僕的にはその飼い方はあまりおすすめしません。
水だけだと汚染しやすいし、
ベルツノガエルも身の置き場がなくて、
途方に暮れているように見えるのです。
なにより水だけじゃ面白くない!
なるべくベルツノガエルの故郷に近い環境を作ってやるのが、
長生きさせるコツでもあります。
だからって、カエルの前でサンバでも踊ればいいわけじゃありませんよ。
土のある環境作り
やはりベルツノガエルが自然でやっているように、
潜れる底土はあったほうがいいと思います。
床材にウールマットを使う人も多いようですが、
殺菌されているものなら、ソイルでも赤玉土でもOKです。
ある程度土中にバクテリアが繁殖するほうが、
水が汚れにくいのです。
潜れるだけ土を敷き詰めたら、水が土の少し上になるくらい入れます。
深すぎるとベルちゃん溺れちゃいますから。
(どういうカエルなんだ)。
水草は水を浄化してくれるので、入れたいところですが、
ベルツノガエルに潜られると抜けてしまうので、なければなくていいし、
ミズゴケなどを置いておくだけでもいいですね。
熱帯魚水槽によく入れる、石や流木は必要ありません。
これで住処は完了しました。
次は問題の餌やりです。
餌
ペットは餌やりが楽しい作業なんですが、
ベルツノガエルの餌はコオロギやメダカ、
ピンクマウスなどです。
生餌に抵抗のある人もきっといるでしょうね。
ベルツノガエル用の人工飼料もあるけれど、
慣れさせるのが大変だし、
人工飼料ばかりでは栄養も偏るので、
生餌も与えたいところです。
小さいうちはコオロギ、餌用ゴキブリ、メダカ、金魚などを食べさせます。
やるといくらでも食べちゃいますから、与えすぎは禁物。
週に2回くらいにしてください。
両生類はその頻度で問題なしです。
死んでいるものならピンセットで挟み、顔の前で動かしてやります。
直接口に与えたほうが、一緒に砂などを飲み込んでしまわなくて安心と思います。
大きいツノガエルにはピンクマウス
(毛なしのもの)
も2ヶ月に1回ほど食べさせるといいようです。
ちょっとグロい仕事になりますが、
ベルツノガエルのために頑張りましょう。
慣れるとどうってことなくなります。
餌さえ食べてくれれば、飼育はほぼ問題ないでしょう。
最後に注意点について書きます。
注意
ベルツノガエルはそこまでデリケートではありません。
それでも気をつけたいところはあります。
掃除
水草や土を使った飼育なら一週間、
水だけやウールマットの場合は、3~5日に一度を目安に、
掃除と水換えをしてあげてください。
ベルツノガエルの排泄物や食べ残しを放っておくと、飼育環境が悪くなり、
病気になることもあります。
人間だって、ゴミ屋敷に住んでたら体調悪くなりますよね?
飼育は「世話をすること」なのですから、
面倒臭いと思っちゃいけません。
乾燥
水温が上がる夏、暖房を使う冬は、
水分が蒸発しやすく、ベルツノガエルも乾燥気味になります。
お腹が水に接していれば問題ありませんが、
それ以上減ると「お肌が……」となっちゃいます。
これも人間と同じですね。
カエルが乾燥しないように水を補充するなり、
霧吹きをかけてあげるなり、気をつけてあげましょう。
誤飲
ベルツノガエルは食いつきのいいカエルです。
むしろ、食いつきが悪かったら、
病気のサインと思ってください。
気になったものは、なんでもパクリとやってしまいます。
そこで問題なのが誤飲。
口に入るものなら、
石でもウールマットの欠片でも飲み込んでしまうので、
飼い主さんも「キャーッ!」でしょう。
でも、それほど心配はいりません。
よほど大きな固形物でもない限り、
ほとんどは排泄されるようです。
ま、それでも飲み込まれて困るようなものは、
置いておかないほうが賢明でしょうね。
特にウールマットは掃除のしやすさが利点ですが、
誤飲して排泄されず、
腸閉塞を起こすこともあるらしいです。
一週間ほど見守り、
排泄されなかったり、ベルツノガエルの体調が悪いようなら、
動物病院で診てもらってください。
飼育で大切なのはよく観察することです。
お腹が異常に膨れすぎている、足が赤っぽくなっているなどは、
病気の可能性が大です。
手間のあまりかからないベルツノガエルですが、
普段からよく見ておいてあげることが、
ペットを飼うことの責任感だと僕は思うわけです。
ベルツノガエルの飼育法~まとめ~
ベルツノガエルの飼育についておわかりいただけたでしょうか?
こんな記事を書いておいてなんですが、
もし「面倒そうだな」と思ったら飼わないほうがいいでしょう。
よく「ペットは家族」というけれど、
僕は「友達」くらいでいいと思っています。
特に感情がないカエルは、
本当に好きな人じゃないとシンパシーは湧きません。
また、初心者が思っているほど、
カエル飼育は楽ではないのです。
ショップで衝動買いをする前に、
カエルと友達になれるか考えてください。
それから、家にベルツノガエルを迎えるかどうか決めても、
遅くありませんからね。