鳥好きの方なら、
こんな時に「秋」を感じますよね。
モズの高鳴きを耳にした時。
2019年7月6日に、ユネスコの世界遺産に登録された古墳の名前も、
「百舌鳥・古市古墳群」でした。
そのニュースで見て、
「百舌鳥」と書いて「モズ」と読む事を知った方も多いかもしれません。
高鳴きといえばモズ!
百舌の鳥と書いてモズ!
まるで、鳴き声の代表のような鳥のイメージ。
高鳴きと、百舌鳥については勿論!
鳴き声の意味や、見た目についてもお伝えしていきます。
声のバリエーションが豊富!漢字で百舌鳥
モズの鳴き声は、
何種類もありバリエーションが豊富にあります。
・キチキチキチ
・キィーキィーキィー
・ギュイーギュイー
など。
これらを組み合わせたり、
他の鳥の鳴き声も、真似たりもしてます。
<ホーホケキョ!ウグイスの鳴き真似>
さすがに、100種類はないようですが、鳴き声がたくさんあるという意味で、
「百舌鳥」と表記するようになったと言われています。
次に、高鳴きについて。
高鳴きするのにも、ちゃんと意味があってしていますよ。
理由のひとつは、
繁殖期に向けて、オスが自分のなわばりを宣言し、メスにアピールするためです。
周囲を見渡せる、高い木のてっぺんでしています。
秋の終わりに巣作りをして、ヒナが巣立つと、
今度はメスも高鳴きをします。
なわばりを持ち、
他のモズが自分の狩りの場に立ち入らないように、
高鳴きをして、なわばりを主張するのです。
<モズの高鳴き>
世界には、
モズの仲間が27種類もいるそうです。
ユーラシア大陸、アフリカ、アメリカ、
ニューギニアなど広く分布しています。
最も小さい種類は、
アフリカセアカモズで全長14cm。
最も大きな種類は、
オオカラモズという、薄いグレーと黒のシックな色合いのモズで、
全長は31cmもあるそうです。
共通する、
見た目の特徴を押さえておきましょう。
これをインプットしておけば、
多少色合いが違っても、モズの仲間だということは分かります。
見た目の特徴
まず、頭が大きい事。
体の大きさが同じくらいの他の鳥より、
かなり頭が大きいので可愛らしく見えます。
また、枝にとまっている時など、
背筋が垂直に近いくらいに起き上がった姿勢も、モズの特徴です。
長めの尾で、尾の先で円を描くように回します。
顔には、目を通る黒い線があります。
過眼線と呼ばれています。
<モズのオス>
Vinson Tan ( 楊 祖 武 )によるPixabayからの画像
メスにも過眼線はありますが、ごく薄い色であまり目立ちません。
<モズのメス>
y*********************pさんによる写真ACからの写真
そして、鉤状に曲がったくちばしです。
くちばしのこの形状で、モズが肉食の鳥だという事がわかります。
<くちばしに注目>
Takashi YanagisawaによるPixabayからの画像
小さい種類のモズは、オスとメスでかなり印象が違い、メスが地味です。
いくら、モズが肉食といっても、
小型のモズだと、他の猛禽類に補食される確率も上がります。
だから、メスは地味な色合いになっているという説があります。
肉食のハンターであるモズでも、油断できないという事ですね。
大きな種類になると、オスとメスの区別が難しいモズもいるそうです。
生息地!日本で見られるモズは8種類
世界には、
モズは27種類いるとお伝えしましたね。
その中で、
日本で留鳥として見られるモズは8種類です。
全国の平地や農耕地に生息しています。
大きさは20cmくらい。
秋も深まりを増す季節になると、
2月から始まる繁殖期に向けて、オスの高鳴きが聞けるかもしれません。
たまに、黙ってじっとしているモズもいるそうですけどね。
そういう時は、他の鳥がさえずっていないか、
耳を澄ませてみて下さい。
モズが、鳴き声のレパートリーを増やすために、
ネタを仕込んでいる最中なのかもしれませんよ。
声真似と高鳴きで有名!モズの鳴き声と特徴~まとめ~
モズの見た目の特徴と、行動パターンを覚えていれば、
野外でモズを見かけた時に、すぐに特定できますね。
しかし、残念ながらモズの目撃例は、減る傾向にあるそうです。
原因として考えられるのは、
獲物とする小動物や、昆虫が少なくなっているからでしょう。
ここ10年くらいの間の子供たちの中には、
セミやカブトムシに触れない子が多くいるそうです。
ミミズもバッタも、人間もモズも、
生態系の一部です。
生態系のバランスが崩れると、
たちまち数が減ってしまう種がいます。
モズの高鳴きが、いつまでも日本の秋の風物詩でありますよう、
願わずにはいられません。