川辺で犬を散歩させるのは素敵なことですが、
ヨーロッパではやめた方がよさそうです。
なぜって?
川からオオナマズが飛び出し、犬をパクリと丸飲みされちゃうからです。
これがヨーロッパオオナマズ。
川の近くにいれば、鳥や犬まで狙う水底の殺し屋。
いやいや、自慢の大口で人間も食うといわれる、
ブラックホールみたいな大食漢だというのですが……。
ヨーロッパオオナマズの実態に迫ってみましょう。
ヨーロッパオオナマズとは
ヨーロッパの中央~南部の河川や、湖沼に暮らすヨーロッパオオナマズは、
1.5mほどのナマズです。
あれれ、人食いとかいうわりには「小っさァ」と思いましたか?
琵琶湖のオオナマズ(1.3m)と変わらないサイズでは、大きいけれど迫力がなさすぎ。
実は、ヨーロッパオオナマズも、殆どは2m以下なんですね。
ただし、でかいヨーロッパオオナマズもいる!
2.5~3mクラスの大物もいて、
釣った人は、誇らしげにインスタで自慢してたりする。
そのナマズが釣り人よりもはるかにデカい!
未確認の話では、
4m&400kg超のヨーロッパオオナマズもいたそうです。
しかも、ナマズはなんでも飲み込んでしまう大食いですから、
人食い伝説が生まれるのも当然ですね。
ヨーロッパオオナマズも類に漏れず、餌と見るや、見境なく襲います。
その生態は、古くからヨーロッパでは怖れられ、
数々の武勇伝を残しているので、次項で検証してみましょう。
人食いは疑問
冒頭でも言ったように、
ヨーロッパオオナマズは、岸辺にいれば鳥や犬でも襲います。
これは誇張ではなく事実。
牛や馬まで狙うという話もある。
まあ、頻繁ではないにしろ、
家畜を水に引きずり込む、悪魔のような巨大魚の噂は、
多少の尾ひれがついた(ナマズだけに)恐怖譚になって、
ヨーロッパ全土に轟いていたのです。
とすれば、人食いも……
と考えられるのは自然なこと。
そうして登場したのが「殺し屋クノ」の伝説です。
クノはドイツで語られる「人を食う巨大ナマズ」の話。
これが、ヨーロッパオオナマズのことを指すことは、まず間違いありません。
そして、捕獲されたヨーロッパオオナマズの腹を割いてみたら、
人間の骨がでてきたという実話も残されています。
物的証拠は揃った。
ヨーロッパオオナマズは人も食うのです!
人を襲うとは思えない
でも反論もあります。
ヨーロッパオオナマズが人間を食べたとしても、
生きた人間を襲ったかどうかは分かりませんよね?
犬ならともかく、巨大ナマズにとっても、
人間は大きすぎる獲物です。
僕は、川などで事故に遭って、
水死体となった人間を食べただけじゃないかと思います。
ナマズが人の足や手に噛みつくことはあるのですが、
丸飲みされたなんて話は聞いたことがありません。
ただし、
子供などは引きずり込まれ、溺死する可能性はあるかもしれません。
アマゾンにも、
「人食いナマズ・ジャウー」
の伝説があります。
ナマズが人も襲うというのは、
世界共通の「ありそうな話」になっているようです。
オオナマズが人食いするかは微妙ですが、
安心できる相手でもないってことは覚えておきましょう。
その点、人に害を及ぼすようなオオナマズが、
日本にはいなくてよかったと思いませんか?
子供を川で遊ばせていたら、ナマズに襲われたなんて、
アウトドアが流行らなくなっちゃいますよ。
ところが、そんなことが起こるかもしれません。
ヨーロッパオオナマズは人間に持ち込まれ、
世界中で……
この日本でも繁殖しているという噂があるのです。
日本にもいる
驚くことに、滋賀県の公園の池で、
70cmのヨーロッパオオナマズが見つかっています。
また、埼玉県の中川で、
「ヨーロッパオオナマズを見た」
「ヨーロッパオオナマズを釣った」
という話もあるようです。
日本にヨーロッパオオナマズが住み着いている!?
ナマズは何しにニッポンに?
実は、ヨーロッパオオナマズは、
日本で特定外来種に指定されているのですが、
環境省の許可をもらえば、誰でも飼うことができるのです。
ペットショップでも普通に売っています。
日本で確認されたヨーロッパオオナマズも、
無責任な飼い主が捨てたもので、
繁殖まではしていないだろうという見解ですが、
なんといっても、
殺し屋の異名を持つタフな巨大魚。
繁殖していないと誰が断言できるのでしょう。
ヨーロッパオオナマズの食欲では、
日本の在来種など、あっさり駆逐されそうです。
日本の川の水底で、ひっそりと数を増やしているなんて事のないよう、
用心しないといけませんね。
ヨーロッパオオナマズの人喰い伝説~まとめ~
ヨーロッパオオナマズの人食いは、濡れ衣だと思いますが、
サイズ的に人も食えることは確か。
さらに寿命も長いので、
環境さえよければ、とんでもない大きさに成長する可能性もあります。
日本の川にこんなデカブツがいたら、ヌシと呼ばれるに違いありません。
超巨大魚と聞くと、僕は心が躍っちゃうんですが、
こんな危なっかしいヨーロッパオオナマズは、
ちょっと勘弁してほしいですね。