山羊が悪魔な理由!バフォメット像とテンプル騎士団が始まり

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

タロット占いをして貰ったことがありますか?

 

僕は子供の頃、

絵がきれいだったのと、オカルトチックな感じがたまらなくて、

タロットカードを衝動買いしたことがあります。

 

もちろん占いなんて出来るわけもなく、つまらないことで小遣いを使い、後悔しました。

 

 

このタロットカードの中に「悪魔」のカードがあります。

 

山羊の顔をした悪魔の前に、鎖に繋がれた男女というデザインで、

あまり良くないカードです。

 

 

ずっと不思議だったんですが、西洋で悪魔といえば山羊の顔が一般的。

 

だけど、山羊はいかにも平和そうな草食動物。

ハイジも山羊を可愛がっていた。

 

 

手紙を食べてしまうくらいしか害もなさそうなのに、どうして悪魔なんでしょうか?

 

半人半獣なら、もっと悪そうな動物はいっぱいいるのに、

なぜ山羊で象徴されるのか疑問でした。

 

今回、その疑問を解こうと調べてみると、

想像以上に深~い事情があったんですよ。

 

<スポンサードリンク>

 

バフォメットと邪神崇拝

 

結論を言ってしまうと、悪魔=山羊のイメージは、

バフォメットに由来しています。

 

ゲームや漫画なんかでもお馴染かもしれないですね。

 

タロットカードの悪魔も、このバフォメットです。

 

<スポンサードリンク>

 

バフォメットとは

 

バフォメットは顔が黒山羊で、階位の高い悪魔の一人。

 


Enrique MeseguerによるPixabayからの画像

 

悪魔の王サタンが、地獄の総理大臣だとすれば、

バフォメットは官房長官くらいの上級悪魔と思えばいいです。

 

新元号を発表したりはしませんが、

露出が多いという事から、地獄の官房長官に例えてみました。

 

 

バフォメットも一番目立っている悪魔なので、

「悪魔は山羊顔」のイメージがついたのです。

 

 

でも、待ってください。

 

僕の知る限り、悪魔は大勢いるはずだし、

バフォメットより強い悪魔もいる。

 

なのに、どうしてバフォメットが目立つのか?

 

 

理由はとても簡単でした。

 

いわゆる悪魔崇拝者が、バフォメットを崇めるからです。

 

 

偶像から悪魔=山羊が定着

 

僕らは、神や悪魔と実際に出会うことはありません。

 

それらは象徴的な存在で、本来は無形のものです。

 

 

それでも、なんとなくその姿が浮かぶのは、

があるからですよね。

 

像は、無形のものを崇めるのになくてはなりません。

 

 

キリストといえば、十字架に磔になった姿を誰もが想像します。

 

同様に、

悪魔崇拝でよく使われたのがバフォメット像なので、僕らはそのイメージで、

「悪魔といえばバフォメット」

「バフォメットは山羊の顔」

「悪魔は山羊」

……と三段論法で考えているわけです。

 

 

現代でも、悪魔崇拝にはバフォメット像と、

円の中に、逆さに星を描いた、逆五芒星が欠かせません。

 

もちろん、フィクションでもよく目にする。

 

悪魔=バフォメットが、記憶に刻まれるのは当然でしょう。

 

 

バフォメットが像になって知られているので、

悪魔は山羊顔の印象が強いのは分かりましたね。

 

しかし、バフォメットは悪魔の階級で言えば、

「皇帝ルシファー(サタン)

「君主ベルゼブブ」

「大公爵アスタロト」

の三大悪魔の下の、上級六大悪魔の一人。

 

トップ3を差し置いて、崇められる理由は?

 

 

それを突きとめるため、さらに歴史を下ってみましょう。

 

 

悪魔崇拝はテンプル騎士団が始まり

 

簡単に世界史のお勉強。

 

今から900年程前のことです。

 

ヨーロッパのキリスト教徒たちは、

イスラム教徒に奪われていた、聖地エルサレムの奪還を考えていました。

 

 

エルサレムという地は、

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、にとっての聖地なんです。

 

そこでキリスト教徒たちは、1096年に十字軍を結成し、

1099年に念願を果たします。

 

奪還に成功したということですね。

 

 

しかし、エルサレムを手中に収めるだけで満足してしまい、

巡礼者の旅は危険なまま。

 

せっかくエルサレムを取り戻したのに、巡礼が思うように出来ない。

 

そこで巡礼者を守るために、

騎士による修道会(キリスト教の組織)の団体が多く登場します。

 

 

その中でも特に有名なのが、

テンプル騎士団

 

団員の忠誠心が強く、

非常に練兵・統制の高い最強の騎士団だったのです。

 

テンプル騎士団は、

巡礼者からのお布施で裕福になり、どんどん強大になっていきました。

 

 

 

そして、時は流れて1300年代――

財政難にあえいでいたフランスが、

テンプル騎士団の財力に目をつけます。

 

時の王フィリップ4世(フランスの王)は、

当時の教皇、クレメンス5世

(ローマ・カトリック教会の首長)

を抱き込んで、

テンプル騎士団に、

「悪魔崇拝の反キリスト団体だ」

と濡れ衣を着せ、異端審問にかけたのです。

 

金が目当てで。

 

 

ちなみに、ローマ・カトリック教会っていうのは、キリスト教の中で、

1番勢力の大きい教派(グループ)のことですよ。

 

 

そんな、濡れ衣を着せられたテンプル騎士団ですが、異端と見なされれば、

中世ヨーロッパではジ・エンド。

 

無実の罪で多くの団員が処刑され、

テンプル騎士団は資産を奪われ解体しました。

 

 

胸糞悪い酷い話ですよね。

例え、王からの圧力があったとしても、首長たる人間が仲間を売るなんて・・・

 

しかも、国の財政のために・・・

 

 

そして、それは今の時代も同じこと。

 

大金を動せる組織は、罪を犯しても擁護されて、結局うやむやに出来ますからね。

 

 

力のある者の下に付く。

 

この構図がある限り、

法など当てにならない弱肉強食なのでしょう。

 

個人でも稼げる人が増えてけば、

組織に必要な奴隷も減っていく訳なんで、それが1番の改革かなと思います。

 

 

この辺の話は、詳しく話過ぎると、

山羊➡悪魔➡バフォメットから、どんどん逸れていくので、下に動画を貼っておきます。

 

テンプル騎士団の話は、今あるHOTな話題に繋がり易いですよ。

 

フリーメイソンはテンプル騎士団が作った?

人気漫画ワンピースの、Ⅾの意志のモデルは、

テンプル騎士団?

とか。

 

人々が、時代が求めているのでしょうね。

 

<テンプル騎士団とフリーメイソン>

 

<テンプル騎士団とⅮの意志>

 

 

そして、この時の出来事の1つの中に、

テンプル騎士団が、

バフォメット像を奉(たてまつ)っていたとも言われています。

 

しかもフィリップ4世は、

これを良く思っていなく、このような偶像崇拝を避難していたとも・・・

 

 

実際のところ、テンプル騎士団がバフォメット像を奉っていたのか?

それが、事実かどうかは分かりません。

 

ただ、神秘的な儀式などは行われていて、

テンプル騎士団が、オカルト色の強い団体であったことは間違いないようです。

 

 

 

19世紀には、テンプル騎士団の異端疑惑が本当だったのか?

イギリスで再審されました。

 

その時、バフォメット像についても大きく取り上げられたことで、

それ以来、バフォメットが悪魔崇拝の象徴になり、現在も続いています。

 

 

同時にその頃、

画家エリファス・レヴィの描いた、

バフォメットにも注目が集まりました。

 

これが、顔は黒山羊で、バフォメットの姿として周知されたのです。

 

 

しかし、なぜ悪魔の顔が、無害な山羊なのか?

 

最後に、この疑問にも答えなければなりませんね。

 

 

古代の動物神が悪魔にされた!

 

悪魔はバラエティに富んでいます。

 

顔だってライオンや牛、フクロウなど、いろいろな動物が使われているんです。

 

たまたま、バフォメットが山羊だったに過ぎません。

 

 

山羊が選ばれたのには贖罪の山羊について知る必要があります。

 

 

キリスト教に嫌われる神が悪魔?

 

日本人は、山羊にそれほど悪魔感は持っていませんよね。

 

 

ですが、キリスト教圏では異なります。

 

ユダヤ教には、年に一度こんな儀式がありました。

 

二匹の牡山羊を選び、

一匹を生贄に捧げ、もう一匹に礼拝者の罪を背負ってもらい、

荒野の悪霊アザゼルに捧げるため、野に放つ。

 

これが罪を着せられた「贖罪の山羊」。

スケープゴートの語源です。

 

 

そして、ユダヤ教の流れを汲むキリスト教でも、

山羊は罪深い不浄の動物と考えられていました。

 

 

グリム童話の「神様の動物と悪魔の動物」でも、山羊は悪魔の作った動物です。

 

風評被害も甚だしいですが、

山羊は悪のイメージ。

 

悪魔に例えられるのは不思議でもないのです。

 

 

それと、僕が思うにはなんですが、

悪魔が、よく半人半獣に描かれるのには、

キリスト教の非寛容にも理由があるように思えますね。

 

この辺は僕の個人的な意見なので、流してもらっても構いません。

 

 

キリスト教は基本的に「人間が偉い」という考え。

 

動物は「神が人間に与えた下僕」

といった扱いに思えるんです。

 

その証拠に、他の宗教で見られる、

「動物を崇める」という概念が乏しい。

 

 

キリスト教以前は、日本のようなアニミズム

(精霊だとか、魂が宿るだとか)

も西洋では珍しくなく、

それらの宗教は、牧畜や狩猟などの生活から、

動物を祭ることも多かった。

 

ここに、半分ケモノの神が生み出されます。

 

 

この動物崇拝が、キリスト教からすると邪教に当たるのです。

 

日本のように「八百万の神の一柱でしょ」

と受け入れることなんてできません。

 

 

「神はイエス様だけ!」

「ケダモノを崇めるとは何事か!」

ってわけ。

 

一神教の融通の利かなさです。

動物神は、絶対悪の異教の神なのです。

 

 

キリスト教が異教を弾圧し、異教徒を滅ぼして、

勢力の拡大を図ってきたことは歴史でも明らか。

 

異教徒は、

イエスを崇めないアンチクリストの悪魔と同一視される存在。

 

動物神こそ、彼らは神に反抗する半人半獣の悪魔という理屈です。

 

 

バフォメットも、

本来は豊穣をもたらす山羊の神様だったんですよ!

 

布教を広めるために、敵となる異教の神(悪魔)の存在は、絶対に必要なものでした。

 

悪がなければ、自分らが正義になれませんからね。

 

ターゲットにされた動物神たちこそ、悪魔にされた犠牲者だったのかもしれません。

 

<スポンサードリンク>

 

山羊が悪魔なイメージ!理由は歴史の闇にあった~まとめ~

 

悪魔がどうして山羊なのかの疑問から、歴史を遡ってきました。

 

 

古代の動物崇拝が、キリスト教によって邪教と見なされた。

 

山羊の神様も、「贖罪の山羊」などのイメージから、

バフォメットという悪魔とされてしまった。

 

それが、テンプル騎士団と絡んで、サタニズムの象徴となり、

現在の悪魔の姿と印象付けられた流れでした。

 

 

思った以上に、壮大な理由でビックリですよ。

 

 

悪魔は宗教戦争に負けて、邪悪なものと見なされただけの、

憐れな神様だったと言えるでしょう。

 

アニミズムの日本人としては、

悪魔の方にシンパシーを感じませんか?

 

<スポンサードリンク>
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください