見た目は恐竜?哺乳類の祖先!単弓類ディメトロドンを紹介

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3億年前ほどの大昔。

恐竜の時代が始まる前の頃。

 

『ディメトロドン』

という生き物がいました。

 

 

ちょっとマイナーで、

わからない人も多いかな。

 

本体は大きなトカゲっぽい、

背中に半円形の帆がある動物です。

 

「怪獣」のようにも見える。

 

この時代と、この見た目ですから、

「爬虫類のご先祖様だね」

「こいつが進化して恐竜になるのか」

と、思うところ。

 

 

ところが、

ディメトロドンは恐竜とは無関係。

爬虫類とも違う。

むしろ「人間に近い」と言ったら?

 

「いやいや、トカゲだろ。恐竜じゃん!」

「どこから見ても、人間とは似ても似つかないよ」

 

そんな反論を浴びせられるでしょう。

 

 

実はディメトロドンの時代。

両生類、爬虫類、哺乳類が、きっちり区別できなかったんです。

 

ディメトロドンも爬虫類になろうとしながら、哺乳類に近づいてしまった。

中途半端な「単弓類」という生物です。

 

結果、人間へと繋がる。

マイナーだけど、

進化史では無視できない存在なのです。

 

 

今回はそんなディメトロドンのお話。

 

「両生類が爬虫類になって、爬虫類が哺乳類になった」

進化がそんな順を踏んでいると思っていたら大間違い。

 

どっちつかずの生き物が溢れる、

「苦悩と混沌の時代」

に現れた変な動物。

 

ディメトロドンと、

この時代の、ややこしい生物進化をわかりやすく解説しますよ。

 

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ディメトロドンとは?

 

ディメトロドンがいたのはペルム紀。

 

ペルム紀は、

恐竜時代である「中生代」の一つ前の紀元。

 

古生代、

(カンブリア・オルドビス・シルル・デボン・石炭・ペルム順に6紀)

のラストエイジで、超大陸パンゲアがあった時代。

 

その前半期(2億9500万~2億7200万年前)

現在の北アメリカが、

ディメトロドンの生息期・地です。

 

 

 

「単弓類・盤竜目・スフェナコドン科」

に属す。

 

この分類からして、

「何者なんだ?」

ですよね。

 

その説明は後にして、まずディメトロドンの紹介を。

 

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背中に帆を持つ肉食獣

 

ディメトロドン属は、これまで12種が発見されています。

 

どれも、

「背中に帆のある」

トカゲかイグアナみたいな姿。

 

 

首部分から尾のつけ根まで、

背骨から脊柱が伸び、

半円形の帆になっているのです。

 

脊柱は、

背骨から垂直方向に伸びている骨のこと。

 

そこに膜が張って「帆」になる。

 

同様の帆は、最大の肉食恐竜、

スピノサウルスにも見られます。

 

 

 

ディメトロドンの小さいのは60cmくらい。

 

ほとんどの種は1.7m以上あり、

最大種のアンジェレンシスは、

4.6mで250kgの巨体。

 

帆の高さだけで2m近くあったんです。

 

 

帆は、

「異性へのアピール」

「他者への威嚇」

「体温調節」

に使われたようです。

 

ただ、体に対して帆の小さい種もいるので、

体温調節は微妙なところ。

 

「飾り」の意味合いが強そうかな。

 

 

 

ディメトロドンは肉食獣。

当時、最大クラスの陸生の捕食者と考えられます。

 

犬歯のような2本の牙。

奥に向かって鋭い歯が並び、

奥歯は少し丸い。

 

このように数種類の歯があることを、

「異歯性(いしせい)」

といいます。

 

これ大事なので、覚えておいてくださいね。

 

 

 

ただ、この頃は体の大きな草食の動物もたくさんいた。

 

ディメトロドンのサイズでも、襲えないような獲物です。

 

だから、魚や小さい両生類などが主食だったんでしょう。

 

スピノサウルスも、

どちらかといえば魚食性で、

帆で影を作って魚を集めていたらしいので、

ディメトロドンの帆も、

同じ役割かもしれません。

 

 

 

このディメトロドン。

「単弓類」という生物。

 

最近はあまり使われないのですが、

別名で「哺乳類型爬虫類」

と呼ばれていました。

 

つまり、

爬虫類のようで哺乳類に近い動物群。

 

ペルム紀から、

次の中生代三畳紀の頃に大繁栄した、

期間限定グループです。

 

 

どうにもややこしい単弓類ですが、

古生物史では絶対に欠かせない存在。

 

なので、

次項では単弓類を詳しく解説します。

 

 

単弓類はどうしてできたのか?

 

ディメトロドンはどう見ても恐竜です。

 

でも、早い段階から「爬虫類ではない」

とわかっていました。

 

 

理由は「異歯性」

覚えていますか?

ディメトロドンは、

さまざまな歯を持っていました。

 

異歯性は、

「哺乳類だけの特徴」

なのです。

 

犬歯、門歯、臼歯などがあるのは哺乳類。

サメやワニの歯は、

同じ牙が並んでいるだけです。

 

まさに哺乳類型爬虫類。

 

 

こんなおかしな生物が、なぜ誕生したのでしょうか?

 

 

水からの脱出!有羊膜類の誕生!

 

魚類が陸へ上がり、両生類となった。

これは学校でも習う。

 

カエルやサンショウウオの祖先です。

 

 

カエルは陸生ですが、

産卵するのも、幼生(オタマジャクシ)が過ごすのも水中。

 

「せっかく陸へ上がったのに、水から離れられないとは!」

両生類は水に囚われる宿命。

 

これでは陸を支配できません。

 

 

そこで、一部の両生類が、

ウルトラC的な解決策を編みだしたのです。

 

「幼生期をまとめて卵の中でやっちゃおう」

 

すごい発想です。

まず、胎児になる「胚」を「羊水」で浸す。

さらにそれを「羊膜」で覆い、

乾燥を防ぐ外殻で守る。

 

僕らが普段食べる「卵」の原型です。

 

 

オタマジャクシの時期を、卵の中で過ごし、

陸で生きられる形になってから、

孵化をする。

 

この方式なら水はいりません。

ニュー産卵を獲得した両生類、

有羊膜類(ゆうようまくるい)

の誕生です。

 

 

現在の爬虫類、鳥類、哺乳類が、

ぜ~んぶ有羊膜類に含まれる。

すごい大革命だったんですよ!

 

 

さらなる進化・単弓類と双弓類

 

有羊膜類は、まだ両生類の部類。

 

陸生で、トカゲのように爬虫類っぽくはなりました。

 

やがて、有羊膜類から、

「単弓類」と「双弓類」

が発生します。

 

石炭紀からペルム紀に向かう、約3億年前のことです。

 

 

どっちも「弓」の字が使われていますね。

これも進化した証しなのです。

 

単弓・双弓とは、

頭蓋の横に「穴が一つ」「穴が二つ」

ということ。

 

側頭窓(そくとうそう)といいます。

 

 

顎を大きく開くための、

筋肉を収めるために開いた穴で、

そのため、

下側にアーチ(弓)状の部分ができる。

 

大口ならガンガン食える!

ディメトロドンのような肉食も可能になる!

 

この穴もイノベーションでした。

 

 

左右に側頭窓が一つずつは「単弓類」

二つなら「双弓類」

 

人間にはもうないんですが、

こめかみの辺りの凹みと、

頬骨が名残りです。

 

 

 

双弓類が爬虫類になり、

恐竜・鳥の祖となります。

 

一方の単弓類が哺乳類になる。

 

 

「両生類→爬虫類→哺乳類の順で進化した」

は間違い。

 

両生類が有羊膜類となり、

そこから、

爬虫類・鳥になる双弓類と、

哺乳類になる単弓類、

の2コースが派生したのです。

 

単弓類のディメトロドンが、

爬虫類でも恐竜でもなく、

哺乳類である人間に近い理由、

わかりましたか?

 

 

 

さて、3億年前に登場した単弓類と双弓類。

 

その後、

生物界の天下を争うことになります。

 

 

単弓類はどうなった?

 

先んじたのは単弓類。

 

初期の単弓類は、

「盤竜類」と呼ばれ、

肉食のディメトロドン、

草食のエダフォサウルスなどが繁栄。

 

後に「獣弓類」となり、

スフェナコドン、キノドンらが登場。

 

 

ディメトロドンは、

「単弓類・盤竜目・スフェナコドン科」

でしたよね。

 

異歯性、体毛、恒温、乳腺などを獲得し、

哺乳類化してゆきます。

ペルム紀を支配したのです。

 

 

 

しかし、ペルム紀の終わりに起こった、

P-T境界の大絶滅。

P-T境界とは、

ペルム紀((Permian)と、

三畳紀(Triassic)の、

境目の意味。

 

3億年続いた古生代が終焉を迎え、

新たな中生代となるターニングポイント。

 

大絶滅ビッグ5の中でも最大規模。

分かりやすく解説されている動画を貼っておきます。

 

 

多くの生物が死に絶え、

勢力を強めたのは双弓類でした。

 

双弓類から竜弓類となり、

「主竜類」「鳥頸類」

が誕生。

 

主竜類の怪物ワニ、

クルロタルシ類が暴れ回った中生代前半。

 

後半に、鳥頸類は恐竜となり、

中生代の主役となる。

 

 

 

その間、単弓類は不遇の時代です。

 

小型になり、恐竜の影で、

コソコソ生き延びるしかなかった。

 

 

その恐竜も滅びると、

次の新生代で、新たな動物が台頭します。

 

哺乳類!

単弓類が変化し、

爬虫類にはない優位なスキルを得た、

ニュータイプの生物でした。

 

その一族が、数千万年をかけて人間となり、

地球を牛耳っているのが今。

 

だから、ディメトロドンは人間と同じ路線の動物。

爬虫類・恐竜の路線にはいないのです。

 

 

 

「こんなトカゲが、人間の祖先だなんて……」と、思いたくもなります。

 

でも、進化にカオスはつきもの。

 

僕らだって、大人になる前の青春期に、

「自分はどこを目指すんだ?」

と悩みます。

 

自分探しとか言い訳して、

物にならない夢を追い、

挫折して別な道へ変えたり。

 

いろいろと手をつけて、

合った未来を目指す。

 

 

ディメトロドンら、単弓類はそんな生物。

 

爬虫類に近いのに恐竜にはならず、

哺乳類への道を開いた。

 

現在は哺乳類の時代。

先見性があったと、褒めてもいいんじゃないでしょうか。

 

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哺乳類の祖先ディメトロドン!爬虫類と哺乳類がまだ誕生していない時代~まとめ~

 

有羊膜類から進化した単弓類、

ディメトロドン。

 

帆のあるトカゲとしか見えない、

古生物です。

 

 

でも、爬虫類じゃない。

恐竜でもない。

 

爬虫類へ向かいながら、

哺乳類の特徴を備えてしまった。

 

とても中途半端。

 

 

それでも、

ディメトロドン路線の生物が、

アフター恐竜の主役・哺乳類になった。

 

やがて、人間も登場する。

 

決して

「間違った動物」

ではないのです。

 

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