「デカい」「怖い」「今もいる?」
これが僕の考える、
絶滅種のスターになる三大要素。
この3つを揃えているのが、
最大最恐のサメ・メガロドン。
その歯は、あのホホジロザメの10倍!
全長は15~20m。(地下鉄の一車両並みだ!)
そんな生物が、
150万年前まで大海原を泳ぎ回り、獲物を殺し回っていたのですから、
ワクワクしないではいられませんよね。
まあ、当時の生物たちにとってはガクブルだったでしょうが。
おまけに、このメガロドンが今も生きている説が後を絶ちません。
これから海で遊ぼうと計画しているあなた!
メガロドン生存説を検証してからのほうがいいかもしれませんよ。
メガロドンは今でも生きているのか?
サメは映画でもよく取りあげられる題材です。
かれるハートウォームムービーになるのに対し、
サメ映画は100%スプラッターになってしまう。
シャチやイルカは人間との交流が描。
ほとんどのサメは人を襲いませんが、
時に起こる、一部のサメの人間襲撃はインパクトが強く、
恐怖の対象と記憶に刻まれるせいでしょう。
中でもヒット作『ジョーズ』は、
8mクラスの巨大ホホジロザメが、海水浴客を次々と襲う映画で、
全世界の人々に「サメ=怖い」を植えつけました。
そのジョーズの倍もあるのが、
今回の主役メガロドンです。
メガロドン生存の証拠
メガロドンは1.800万年ほど前に出現し、
600万年~150万年前に絶滅したとされています。
6.500万年前に絶滅したはずの、
シーラカンスが生きていたことを考えれば、
メガロドンも……
と思うのは不自然ではありません。
(シーラカンスは絶滅種生存説を裏づけるのにとても重宝する生物なんですよね)
メガロドン生存の噂も、物的証拠や目撃があるからです。
●1875年
深海探査で、メガロドンの歯が発見された。
測定により、1万~1万5千年前のものとされる。
メガロドンが、最近まで生きていた可能性があります。
●1918年
ニュージーランドの漁師の目撃談を、
オーストラリアの学者が記録。
巨大な白いサメを見たと、何人もの猟師が話す。
大きさは35m~90m。
●1942年
ドイツの潜水艦が目撃。
海面に出た背びれと尾びれの間が、
20mもあるサメと遭遇して、
写真に撮影される。
本当に一匹のひれだとしたら、全長は30m以上はありそう。
●1954年
正体不明の巨大生物が、船に噛みつく。
船体に突き刺さっていた歯が、
メガロドンの歯と同サイズだった。
●2013年
南アフリカ沖で、クジラを襲う巨大ザメが目撃される。
海面に出た背びれの高さが1.8m。
そこから、全長は15~20mと推測される。
他にも、
巨大ザメに襲われたと思われる、クジラの死骸が打ち上げられた。
深海探査のカメラや衛星写真に、
メガロドンらしい巨大ザメが映っていた。
などなど……。
もう、このもったいぶった感がたまりません。
「メガロドンは今もいる!」
と断言したいところですが、
全部を鵜呑みにするんでは、メディアリテラシーの欠如というもの。
次項では、
「いない」の観点で検証してみましょう。
生存の否定
そもそも、メガロドンはなぜ滅んだのでしょう?
ほとんど最強みたいな海の王者なのに。
現在、絶滅の理由として2つ考えられています。
否定1
1つは気温。
水温が低下し、変温動物のメガロドンも滅んだというもの。
でも、UMAファンは反論します。
「メガロドンはホホジロザメの上位版とイメージされるが、寒冷地に生息するネズミザメに近いことが判明している。」
「また、暖かくもない日本でも歯が見つかっている。」
「寒さで滅びるわけがないし、深海なら環境変化は小さい」
というのです。
これらは事実で、
僕もメガロドンが寒さに弱かったとは思いません。
しかし、低温による獲物の減少はあったはずです。
それと、メガロドンが深海の生物だったとしても、
産卵は岸に近い場所で行われ、
小ザメの頃は、その場所で群れて暮らしていた可能性が高いといわれます。
ネズミザメは大人でも群れていますしね。
そこから、メガロドンも群れで見つかると思われるので、
体の大きさから考えても、未発見であることは考えにくい。
否定2
もうひとつの絶滅理由に、シャチの登場があります。
水族館の見世物だと、人に従順で平和そうな生き物のシャチは、
実は高スペックの殺し屋です。
クジラも敵いません。
シャチの出現と、
メガロドンの絶滅は時期が合うんです。
この強力なライバルに、メガロドンも負けてしまったらしい。
これ、けっこう致命的な絶滅理由ですよ。
獲物の奪い合いどころか、
メガロドンさえも、シャチは獲物にしたでしょう。
それこそ、シャチのいない僻地(へきち)で、
細々と少ない餌を漁らないと、生き延びられなかったと思う。
海の王座から引きずり降ろされ、コソコソ生きるなんて、
元王者のメガロドンにはやってほしくないな~。
数が減り、生息域も縮小するのは、絶滅種がたどる道ですね。
結論
こうした理由から、
僕はメガロドンはもういないと思うのです。
ただし、絶滅に向かっている途中で、
少数が生き残っている可能性は否定しません。
「生物は可能性を探す」――映画『ジュラシックパーク』にも、こんなセリフがありました。
王者はホームレスに落ちぶれても、
生き延びようと模索したに違いありません。
UMAファンの言う通り、
深海で人間の目をかいくぐり、時に浅海まで浮上してきては、
その魅惑的な巨体を見せてくれているかもしれません。
だって冒頭で語った、
「デカい」「怖い」「今もいる?」のメガロドンですよ。
「いてほしい」と願うくらい許されなくちゃ、
世界はつまらないってもんです。
メガロドンは生存の検証~まとめ~
メガロドン生存説を検証してきましたが、
あなたはどう思われたでしょうか?
証拠らしいものはあるけれど、どうも頼りない。
僕は「いない」に分がありそうな気がしますが、
完全に否定するのは寂しい派ですね。
目撃なども、ホホジロザメの大きな個体、
あるいは未知の巨大生物だったのかもしれません。
それらもまた立派なUMAです。
1918年の90mの白い生物とか、
最近話題のUMA、ニンゲン(ヒトガタ)じゃねーのと思っちゃいます。
メガロドンも与太話といえばそれまでですが、
抗えない、魅力ある生物なのは疑いようもありません。
日本でもいくつかの水族館で、
メガロドンの歯の模型や、復元されたものが見られます。
海に行くよりも、こっちのほうが安全かもですよ。
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